※18才未満閲覧禁止!※
へそ出しヒロインや時々男の子がおヘソを弄られたり嬲られたりしながら頑張るイラストを載せています。基本ラフ画がメインです。感想やコメントいただけると嬉しいです!
へそ出しヒロインや時々男の子がおヘソを弄られたり嬲られたりしながら頑張るイラストを載せています。基本ラフ画がメインです。感想やコメントいただけると嬉しいです!
ボゴォッ!!
「ぅげえあッ!!!」
深夜の公園…ジャングルジムに背後から激しく叩き付けられるネーブル・リナ。
鉄筋が潰れ拉げるほどの衝撃に彼女は激しく嘔吐した。
「お"ぅええええエ"エ"エ"エ"エ"エ"!!!!!!!!!」
お腹を押さえながら悶絶する彼女の元にゆっくりと歩み寄る人影。
「ふぅ、相変わらず弱いっすね」
ネーブル・ミアは蹲るリナのポニーテールを掴むとその顔を無理矢理引き起こす。
「あううぅ…」
「もう怪我は治ってたっスよね、センパイ?」
「うえ”ぇ…な、なんで…なんでこんなこと…するの…?」
涙目でリナが問いかける。
「なんでって…この前のお返しっすよ」
「こ、この前…?」
「センパイ、この前アタシのこと散々ボコボコにしてくれましたよねぇ?」
「このおヘソも滅茶苦茶にしてくれちゃって…」
「そ、それは…あの変なスライムに体を…」
バキッ!!
「あぐっ!」
ミアの裏拳がリナの頬を打ち据える。
「別にどっちでもいいんスよ。センパイがやったことには変わりはないんスから」
「そ、そんなぁ…ぶぅえええッッッ!!!!!」
ミアのトゥーキックがリナの臍穴を抉る様に容赦なくめり込む。
「あ"あ"ぅぅぅあ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
ポニーテールを掴んでいた手が離され、その場に崩れ落ちるリナ。
ピクピクと体を震わせながら悶える彼女にミアは飽きれた様子で問いかける。
「…どうして、反撃しないんスか?」
「いくらドMのセンパイでも、ここまでされて何もしないっての…おかしくないスか?」
「………」
「何か反応してくださいよ!」
ドカッ!
「あぐぅッ!!」
わき腹を蹴られ呻き声を上げるリナ。
「や、やめて…も、もうあたしのこと虐めないでぇ…」
その言葉を聞いたミアはその場にしゃがみ込むと、リナの胸ぐらを掴み顔を眼前で突き合わせて言い放った。
「だったら!力づくでアタシを黙らせてみせろよッ!!」
「!?」
「アタシに今まで散々な目に合されてきたんだろッ!?その分やりかえそうとか思わないのかよッ!?」
「ぅ…ぅええぇぇ…」
彼女の鬼気迫る勢いに思わず泣き出してしまうリナ。
「チッ!」
その様子に舌打ちするとミアは掴んでいた手を放した。
「ぅうええぇぇぇぇ、ヒック…ぅぇぇぇ…」
「どうしてだよ…」
足下で地面に顔をへばりつけたまま泣きじゃくるリナの姿に、怒りと悲しみが入り混じったような表情を浮かべるミア。
「どうしてアンタは、そんなに弱っちいんだよ…」
「アンタだって…"その力"をちゃんと使えばアタシにだって…」
「ヒック…」
「"アイツら"もここに現れて、もう、時間ないんスよ…」
「センパイがこのままじゃ…何も変わらない…変えることも出来ない…」
「うぅっ…う、ぅ……」
そんなミアの言葉もリナにはまったく届いていないようであった。
ミアはふと自虐的な笑みを浮かべた。
「やっぱり…最初から"こうするしかなかった"んスよね…」
そう言いながら、あるモノを取り出す。
それは…直径およそ5cm、厚さ1cmほどの金属製のプレートのような器具であった。
その器具を片手にリナの横に座り込むと彼女の体を起こそうとする。
「!、や、やめ…」
ボゴッ!!
「ぶげぇっ!!」
一瞬抵抗しようとするリナであったが、鳩尾に拳を叩き込まれあっという間に沈黙させられてしまう。
立て膝の体勢となったミアの膝の上に為すがまま寝かされ、そのお腹を無防備にさらす態勢となる。
「センパイ…おヘソ弄りが出来なくなるのと、内臓潰れるまでお腹ボコボコにされるのと…どっちがいいっすか?」
「………」
「答えないとまた痛めつけるっすよ?」
「い、いや…も、もうお腹殴らないでぇ…」
「じゃあおヘソ弄り出来なくなる方がいいって事っスね」
「ふぇ…!?」
ガチャッ!
「あぅんッ!!」
リナのヘソにまるですっぽりと収まるようにプレートがはめ込まれる。
キュイーン…カチッ!
プレートから何かわずかに音を立ち、そして止まる。
「…!?」
一体自分のヘソに何をされたのか…リナはおそるおそる自分のその穴を覗き込もうとした。
パアアッ!!
「えっ!?」
衣装が眩い光を放った次の瞬間…
「あ……」
そこには変身前のパジャマ姿の理奈がいた。
「へ、変身が…解けちゃ…っ…あうッ!」
ミアが無造作に立ち上がったことで、地面に転げ落とされる理奈。
「ぅ…な、なんで…」
「そのおヘソに取り付けたプレートの力っすよ」
「えっ!?」
「それ…センパイのおへそから出るエナジーを相殺する装置なんすけど…」
「それを付けられている限り…センパイは変身することはもちろん、おヘソでオナニーすることも出来なく…なるッス」
「え…?」
一瞬何を言われているのか理奈は分からなかった。
「オ、オナニー…出来なく…って…?」
「………」
「ぃ…いゃ…いやあああああああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」
途端に絶望に顔を歪ませ絶叫する理奈。
「オ、オナニー出来なくなるのいやああああああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
咄嗟に自分のヘソに貼り付いたプレートを引き剥がしにかかる。
だがそれはまるでヘソ穴に完全にはまりこんだ様にまったく剥がれることはなかった。
「無駄っすよ。それ、センパイのおヘソに完全に合わせて作られたやつっスから…」
「あとついでに言っとくと…機械使ったりとか無理矢理引き剥がそうとすると爆発するんで」
「そんなに威力は強くはないっすけど、まあセンパイのお腹がまるまる吹っ飛ぶくらいには…」
「ッ!?」
あわててプレートから手を離す理奈。
「当然、何もしなけりゃただのオナ禁拘束具…人畜無害っすよ」
しれっと言い放つミアであったが、理奈は絶望に打ちひしがれたかのようにその場にへたり込んでいた。
「ま、おヘソ弄り過ぎの先輩には、時にはこういう…」
「なんでこんなことするのぉッ!?」
突然立ち上がったかと思うと、豹変したかのようにミアに詰め寄る理奈。
頬を真っ赤に紅潮させ、涙で濡らしながら迫るその表情にはどこかしら狂気すら孕んでいた。
「アタシの…アタシのおへそ返して…カエしてよォッ!!」
「うるさいッ!!」
バキッ!!
「あぅあ"ッッ!!!」
ミアの一撃に吹き飛ばされ頭から地面に突っ伏す。
「アタシが"決着をつける"までだ。それまで我慢してろ…」
侮蔑に満ちた目で彼女を見下しながらそう言い放つと、ミアは深夜の公園から立ち去っていった。
「…ぅ…、ぅ…うぁ…うぁああああああああああああああ!!!!!!!」
ミアが立ち去り、公園に一人残された理奈。
その場にはしばらく、彼女の泣き声が響き続いていた…
「…補給は済みましたか、17?」
「あぁ、すっかり満腹だぜ」
「しっかしいちいちヘソにこんなもんブッ刺さないといけねえなんてな…メンドくせぇ」
そう言うと自分のヘソに突き刺していた金属製のペットボトル大の容器を抜き取り、ポイッと無造作に投げ捨てる17。
同時に自動的に臍が半球状のカバーに覆われその穴が塞がれる。
「それもあの装置が完成すれば解消します。もっとも…その前にあなたがエナジーボトルをすべて使い切ってしまいかねませんが…」
「だってよぉ!あのミアとやりあうには…」
「あなたが無駄な戦闘を吹っかけなければいいだけの話です」
ピシャリと言い切る24。
「まあ、装置はもうすぐ完成…あとはあの『片瀬理奈』を確保すれば…」
「お、ってことは…」
「えぇ、これより『彼女』の捕獲に向かいます」
それを聞いて17は嬉々としながら自分の拳を打ち鳴らす。
「へへ、腕が鳴るぜ」
「………」
自分が先言ったことをまるで忘れているような相方に溜め息をつく24。
だが、そのメガネに隠れた奥で…彼女の瞳は静かに笑っていた。
[後書き]
というわけで、ネーブル・リナ再開です。
ナベルスターズでやった変身封じを、こっちの方でも別の形で実施するという…
それにしてもこれまでリナちゃんをボコボコにしたり、おヘソにボタン詰めたり、オナ禁させたり…今まで散々してきたミアですが、彼女は一体何をしたいのか?そもそも一体何者なのか?そんな謎もそろそろ明かしていく予定です…
「ぅげえあッ!!!」
深夜の公園…ジャングルジムに背後から激しく叩き付けられるネーブル・リナ。
鉄筋が潰れ拉げるほどの衝撃に彼女は激しく嘔吐した。
「お"ぅええええエ"エ"エ"エ"エ"エ"!!!!!!!!!」
お腹を押さえながら悶絶する彼女の元にゆっくりと歩み寄る人影。
「ふぅ、相変わらず弱いっすね」
ネーブル・ミアは蹲るリナのポニーテールを掴むとその顔を無理矢理引き起こす。
「あううぅ…」
「もう怪我は治ってたっスよね、センパイ?」
「うえ”ぇ…な、なんで…なんでこんなこと…するの…?」
涙目でリナが問いかける。
「なんでって…この前のお返しっすよ」
「こ、この前…?」
「センパイ、この前アタシのこと散々ボコボコにしてくれましたよねぇ?」
「このおヘソも滅茶苦茶にしてくれちゃって…」
「そ、それは…あの変なスライムに体を…」
バキッ!!
「あぐっ!」
ミアの裏拳がリナの頬を打ち据える。
「別にどっちでもいいんスよ。センパイがやったことには変わりはないんスから」
「そ、そんなぁ…ぶぅえええッッッ!!!!!」
ミアのトゥーキックがリナの臍穴を抉る様に容赦なくめり込む。
「あ"あ"ぅぅぅあ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
ポニーテールを掴んでいた手が離され、その場に崩れ落ちるリナ。
ピクピクと体を震わせながら悶える彼女にミアは飽きれた様子で問いかける。
「…どうして、反撃しないんスか?」
「いくらドMのセンパイでも、ここまでされて何もしないっての…おかしくないスか?」
「………」
「何か反応してくださいよ!」
ドカッ!
「あぐぅッ!!」
わき腹を蹴られ呻き声を上げるリナ。
「や、やめて…も、もうあたしのこと虐めないでぇ…」
その言葉を聞いたミアはその場にしゃがみ込むと、リナの胸ぐらを掴み顔を眼前で突き合わせて言い放った。
「だったら!力づくでアタシを黙らせてみせろよッ!!」
「!?」
「アタシに今まで散々な目に合されてきたんだろッ!?その分やりかえそうとか思わないのかよッ!?」
「ぅ…ぅええぇぇ…」
彼女の鬼気迫る勢いに思わず泣き出してしまうリナ。
「チッ!」
その様子に舌打ちするとミアは掴んでいた手を放した。
「ぅうええぇぇぇぇ、ヒック…ぅぇぇぇ…」
「どうしてだよ…」
足下で地面に顔をへばりつけたまま泣きじゃくるリナの姿に、怒りと悲しみが入り混じったような表情を浮かべるミア。
「どうしてアンタは、そんなに弱っちいんだよ…」
「アンタだって…"その力"をちゃんと使えばアタシにだって…」
「ヒック…」
「"アイツら"もここに現れて、もう、時間ないんスよ…」
「センパイがこのままじゃ…何も変わらない…変えることも出来ない…」
「うぅっ…う、ぅ……」
そんなミアの言葉もリナにはまったく届いていないようであった。
ミアはふと自虐的な笑みを浮かべた。
「やっぱり…最初から"こうするしかなかった"んスよね…」
そう言いながら、あるモノを取り出す。
それは…直径およそ5cm、厚さ1cmほどの金属製のプレートのような器具であった。
その器具を片手にリナの横に座り込むと彼女の体を起こそうとする。
「!、や、やめ…」
ボゴッ!!
「ぶげぇっ!!」
一瞬抵抗しようとするリナであったが、鳩尾に拳を叩き込まれあっという間に沈黙させられてしまう。
立て膝の体勢となったミアの膝の上に為すがまま寝かされ、そのお腹を無防備にさらす態勢となる。
「センパイ…おヘソ弄りが出来なくなるのと、内臓潰れるまでお腹ボコボコにされるのと…どっちがいいっすか?」
「………」
「答えないとまた痛めつけるっすよ?」
「い、いや…も、もうお腹殴らないでぇ…」
「じゃあおヘソ弄り出来なくなる方がいいって事っスね」
「ふぇ…!?」
ガチャッ!
「あぅんッ!!」
リナのヘソにまるですっぽりと収まるようにプレートがはめ込まれる。
キュイーン…カチッ!
プレートから何かわずかに音を立ち、そして止まる。
「…!?」
一体自分のヘソに何をされたのか…リナはおそるおそる自分のその穴を覗き込もうとした。
パアアッ!!
「えっ!?」
衣装が眩い光を放った次の瞬間…
「あ……」
そこには変身前のパジャマ姿の理奈がいた。
「へ、変身が…解けちゃ…っ…あうッ!」
ミアが無造作に立ち上がったことで、地面に転げ落とされる理奈。
「ぅ…な、なんで…」
「そのおヘソに取り付けたプレートの力っすよ」
「えっ!?」
「それ…センパイのおへそから出るエナジーを相殺する装置なんすけど…」
「それを付けられている限り…センパイは変身することはもちろん、おヘソでオナニーすることも出来なく…なるッス」
「え…?」
一瞬何を言われているのか理奈は分からなかった。
「オ、オナニー…出来なく…って…?」
「………」
「ぃ…いゃ…いやあああああああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」
途端に絶望に顔を歪ませ絶叫する理奈。
「オ、オナニー出来なくなるのいやああああああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
咄嗟に自分のヘソに貼り付いたプレートを引き剥がしにかかる。
だがそれはまるでヘソ穴に完全にはまりこんだ様にまったく剥がれることはなかった。
「無駄っすよ。それ、センパイのおヘソに完全に合わせて作られたやつっスから…」
「あとついでに言っとくと…機械使ったりとか無理矢理引き剥がそうとすると爆発するんで」
「そんなに威力は強くはないっすけど、まあセンパイのお腹がまるまる吹っ飛ぶくらいには…」
「ッ!?」
あわててプレートから手を離す理奈。
「当然、何もしなけりゃただのオナ禁拘束具…人畜無害っすよ」
しれっと言い放つミアであったが、理奈は絶望に打ちひしがれたかのようにその場にへたり込んでいた。
「ま、おヘソ弄り過ぎの先輩には、時にはこういう…」
「なんでこんなことするのぉッ!?」
突然立ち上がったかと思うと、豹変したかのようにミアに詰め寄る理奈。
頬を真っ赤に紅潮させ、涙で濡らしながら迫るその表情にはどこかしら狂気すら孕んでいた。
「アタシの…アタシのおへそ返して…カエしてよォッ!!」
「うるさいッ!!」
バキッ!!
「あぅあ"ッッ!!!」
ミアの一撃に吹き飛ばされ頭から地面に突っ伏す。
「アタシが"決着をつける"までだ。それまで我慢してろ…」
侮蔑に満ちた目で彼女を見下しながらそう言い放つと、ミアは深夜の公園から立ち去っていった。
「…ぅ…、ぅ…うぁ…うぁああああああああああああああ!!!!!!!」
ミアが立ち去り、公園に一人残された理奈。
その場にはしばらく、彼女の泣き声が響き続いていた…
「…補給は済みましたか、17?」
「あぁ、すっかり満腹だぜ」
「しっかしいちいちヘソにこんなもんブッ刺さないといけねえなんてな…メンドくせぇ」
そう言うと自分のヘソに突き刺していた金属製のペットボトル大の容器を抜き取り、ポイッと無造作に投げ捨てる17。
同時に自動的に臍が半球状のカバーに覆われその穴が塞がれる。
「それもあの装置が完成すれば解消します。もっとも…その前にあなたがエナジーボトルをすべて使い切ってしまいかねませんが…」
「だってよぉ!あのミアとやりあうには…」
「あなたが無駄な戦闘を吹っかけなければいいだけの話です」
ピシャリと言い切る24。
「まあ、装置はもうすぐ完成…あとはあの『片瀬理奈』を確保すれば…」
「お、ってことは…」
「えぇ、これより『彼女』の捕獲に向かいます」
それを聞いて17は嬉々としながら自分の拳を打ち鳴らす。
「へへ、腕が鳴るぜ」
「………」
自分が先言ったことをまるで忘れているような相方に溜め息をつく24。
だが、そのメガネに隠れた奥で…彼女の瞳は静かに笑っていた。
[後書き]
というわけで、ネーブル・リナ再開です。
ナベルスターズでやった変身封じを、こっちの方でも別の形で実施するという…
それにしてもこれまでリナちゃんをボコボコにしたり、おヘソにボタン詰めたり、オナ禁させたり…今まで散々してきたミアですが、彼女は一体何をしたいのか?そもそも一体何者なのか?そんな謎もそろそろ明かしていく予定です…
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「それじゃあまたね、リナちゃん」
扉を閉め理奈の部屋を後にする麻美。
あの死闘から一週間…
臍穴から侵入したラミア・ジェルに悪魔じみた姿に変貌させられ、ミアとの激戦で重傷を負った理奈。
だがジュエルの治癒能力もあってか、今は目立つ外傷も消え、体調も以前と同様にまで回復してきていた。
一方のミアであったが、一旦理奈と共にローザの保健室に運ばれたものの、いつの間にかそこから姿を消し、行方が分からなくなっていた。
麻美は以前訪れたことのある彼女のマンションにも何度か足を運び、インターフォンを鳴らしていたが一回も返答はなかった。
彼女には、ミアが既にそこからいなくなったように感じられた。
とうに暗くなった道を一人歩きながら、彼女のことを案じる麻美。
(ミアちゃん…一体何処に行っちゃったの?体は…もう大丈夫なの?)
怪我のことも気になるが、それ以上に彼女には聞きたいことが色々とあった。
(貴女とリナちゃんは一体…?)
普段は人を食ったような態度を取り続けるミアが時折見せる激情…それが一体何から来るものなのか、それを知りたかった。
「ミアちゃん…」
思わず彼女の名前を呟く。
「なんすか?」
「ッ!?」
突然背後から聞こえてきた聞き覚えのある声に、思わず心臓が飛び出しそうになりながら振り返る麻美。
そこには…制服を着崩しその巨べそをさらけ出した、いつものミアがいた。
「ミアちゃんッ!!」
今までその身を案じていた人物がいきなり目の前に現れたことにドギマギしながらも、麻美は矢継ぎ早に質問をしていた。
「い、今までどこに行ってたの!?怪我は大丈夫なの!?」
「ミアちゃんのこと、ずっと心配してたんだよッ!?」
「あ~、体の方はもう大丈夫っすよ」
かったるそうに頭を掻きながら答えるミア。
「っていうか先輩、アタシのこと心配してくれてたんすか…ちょっと意外っすね」
「意外じゃないよッ!!」
「!」
「ミアちゃんもあんなに傷ついて…お腹もおへそも滅茶苦茶にされて…」
「ホントに…本当に心配だったんだからぁ…」
涙目で声を震わせる麻美に、さすがのミアも少しバツが悪そうな表情を浮かべる。
「あ、あ~、その…アタシの方はさておき、あの馬鹿センパイの方は…」
「リナちゃん…?リナちゃんももう大丈夫だよ」
「明日から普通に登校できると思うし…あ、そうだ!」
「まだお礼言ってなかったよね、リナちゃんを元の姿に戻してくれたこと」
「!、…別に礼を言われるようなことなんてしてないっすよ」
「アタシは…ただアイツをひたすらボコボコにして…」
そう言うミアの表情はどこか愁いを帯びていた。
「………」
そんなミアの姿を見て、麻美は意を決し疑問をぶつけることにした。
「あ、あの…ミアちゃ…!」
だがその時、既に彼女は麻美の前から姿を消していた。
「………」
「ミアちゃん…」
「はぁッ、はぁッ、はぁ…ッ!」
ネーブル・リナは息を切らしながら、"ソレ"から逃れようと暗闇の中をひた走っていた。
「リ~ナ~ちゃぁ~ん♪」
背後の闇から不気味に木霊する声。
そのまとわりつくようなどこかで聞いたことのある声と気配を振り払うかのように、とにかく走り続ける。
「あッ!?」
突然"何か"につまづき倒れてしまうリナ。
「痛っ!…な、なに…?」
地面から生えた"ソレ"を確認しようと目を凝らす。
次の瞬間、彼女の顔は蒼白となった。
「ヒ…ッ!?」
地面から生えた"ソレ"は、"以前見たことのある"触手の先端部であった。
咄嗟にその場から逃れようとするリナであったが、それより早く触手が彼女の足に巻き付いた。
「い、いやあッ!?」
抵抗する間もなく、さらなる触手が暗闇の向こうから飛び出しリナに絡みつく。
「いやああああああああああああッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
触手に四肢を絡めとられ悲鳴を上げるリナの元に、ゆっくりと触手の主が暗闇から姿を現す。
「ひさしぶりィ~♪リ、ナ、ちゃあ~ん❤」
人から大きくかけ離れたシルエット…
それはほんの少し前、リナ自身がラミア・ジェルによって変貌させられた異形の凶戦士、イーヴィルリナ・イブリースその人であった。
「どうして逃げるんだ~?アタシとはずっと前から一緒だっただろぉ?」
触手でリナの体を引き寄せると、お互い密着せんばかりに至近距離まで迫るイーヴィル。
「い、いやぁ…」
「つれねぇな~相棒よぉ」
「アタシが"もう一人のお前"だってこと忘れちまったのかよぉ?」
リナの顔をその鋭い爪が生えた手で愛でながら、ニヤリと笑うイーヴィル・リナ。
「ど、どうして…」
リナは震える声でかろうじて問いかける。
「どうして…わ、私たち…あの時一つになったはずなのに…」
「さぁ?あのスライムもどきに体弄られた拍子に分かれちまったのかもなァ」
「だけど、アレには感謝してるんだぜぇ?このアタシの力をさらに引き出してくれたんだからなぁ」
今目の前にいるイーヴィル・リナは、つい先日ミアと死闘を繰り広げたイーヴィル=ラミアではない。
彼女は以前リナの体から分離し、お互い戦ったこともあるもう一人の自分…すなわち正真正銘イーヴィル・リナ本人であった。
「それにしてもお前、どうしたんだァ?随分醜態ばかりさらしてるみたいだけどよぉ」
「またアタシが暴れた方がいいんじゃねぇかぁ?」
「だ、駄目…それは…!」
必死に首を振るリナ。
「また…また皆を傷つけちゃう…」
それを聞いてイーヴィルはため息を吐いた。
「お前、何も変わってねぇなぁ…」
「あの時アタシの何もかも受け入れて、踏ん切りつけてやってくって決めたんじゃねぇのかよ…」
「ぅ…」
うなだれるリナ。
イーヴィルはそんなリナの髪を掴むと、彼女の顔を無理やり引き起こした。
「あぅうぅ…ッ!!」
「それに…最近あのミアって奴に随分コケにされてるじゃねぇか」
「いいのかぁ、このままでよぉ?」
「う…ぅ…」
「アタシのこの力を使えばアイツだって簡単にボコボコに出来るんだぜぇ?」
「センパイに対する態度って奴を、身をもって教えてやらないとなあ?」
リナの目の前でイーヴィルは歪んだ笑顔を浮かべた。
「で、でも…私は…」
「………」
「だったら…少し思い出させてやろうか」
突然イーヴィルはリナの腰に手を回すと、彼女のお腹を自分のお腹に密着せんばかりに抱き寄せた。
「な、なにを…!?」
「お前がどれだけすげぇ力を持ってるか…身をもって味わってもらおうってな!」
そう言った瞬間、イーヴィルの巨べそから無数の微細な触手が溢れ出し、間近のリナのへそに一斉に伸びていく。
「ひィ…ッ!!」
臍に生じた得も知れぬ感触に身を震わせるリナ。
触手の一部はリナのへその皺や縁を丹念になぞりはじめ、また別の一群はその中心の穴へ入り込み、その最深部へと潜り始める。
「う、うヒィッイイイイイィィィィィィッッッッッッッ!!!!!!?????」
(だ、だめえッ!!!こ、こんなの…絶対に、ぜったいにおかしくなっちゃあぅううッッッ!!!!!)
まして相手は自分自身…性感帯の固まりである臍の中でも、特にどの部分が感じるか熟知されてしまっている。
このままだと確実に正気を失い、その隙に意識をイーヴィルに乗っ取られてしまう。
そう思った瞬間、反射的にリナはその臍からネーブルバーストを発していた。
「ッ!?」
臍からの触手をすべて焼払われ、そして間髪入れず至近距離で撃ち込まれたことで吸収することも間に合わず、自らの臍にも少なからずダメージを負ってしまうイーヴィル。
彼女は少し唖然とした顔で自分の臍を見つめていた。
「………」
臍のダメージは即座に何事もなかったかのように回復していくが、彼女はしばらく無言のままであった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
なんとか自分の意識を繋ぎ止め、大きく息を吐くリナ。
だが次の瞬間、彼女は凄まじい悪寒を感じた。
「………」
イーヴィルが突き刺さるような視線を自分に向けている。
まるで"自分自身たる"リナすら殺ろうとせんばかりの殺気…
「…ああ、そうかい」
「せっかくアタシが力になってやろうってのに…テメエも"アイツにも負けない力"を持ってるってのに、それを使う気が全然ないってわけだ…」
「え、え…?」
「つまり…"その力"はお前にとって、もう要らねぇってわけだな」
「なら、その臍の中にあるモノ…引きずり出して全部アタシのモンにしてやるよ」
そう言い、リナの目の前でその鋭い爪を見せつけるようにギラつかせるイーヴィル。
「ッ!?ちょ、ちょっと待ってッ!?」
イーヴィルがこれから何をしようとしているのか、ようやく察したリナ。
その場から逃れようと必死に手足を動かそうとするも、その四肢に絡みついた触手が決して彼女を離さない。
「いいじゃねぇか…"ソレ"が無くなればお前も余計な苦労しなくて済むようになるぜ」
「前と同じように臍いじりが好きな、ただの変態JKに戻るだけだしな」
そう言いながらイーヴィルはゆっくりと自分の腕を引き、その鋭い爪の切っ先をリナの腹部の中央に向ける。
「や、やめ…」
「あばよ、相棒」
「い、いや…やめて…やめてぇぇぇぇぇぇぇッッッッッッ!!!!!!!」
ズブシュウッッッッッッ!!!!!!!
「!!!!!!!」
ベッドから跳ね起きるリナ。
「はあ…はあ…はあ…」
荒い呼吸と共に、汗が頬から滴り落ちる。
身に着けているパジャマも全身ぐっしょりと濡れていた。
「はぁ……、うぅ…」
リナはシーツをめくりパジャマ越しに自分のお腹を凝視した。
そして震える指で恐る恐るボタンを外していく。
「…わ、私の…おへそ…」
そこにあったのは…肉片がぎっしり詰まったいつもの巨大な臍であった。
リナはそこにそっと手を当てた。
その奥底からエナジーの鼓動をかすかに感じる。
そこでリナは大きく息を吐き、ようやく安堵した。
(おへそも…ジュエルも…ある)
(でも…あれは夢だったの…?)
先までのイーヴィルとのやり取りは、夢というにはあまりにもはっきりとした出来事であった。
己の臍を抉られるその瞬間の光景まで…彼女は鮮明に覚えている。
だがなぜそんなものを見たのか…自分には分からなかった。
その時、ふいにリナの頬をかすかな風が撫でた。
「…、!?」
ふと違和感を感じ、咄嗟に自室の窓の方を見やるリナ。
窓の脇のカーテンが夜風に揺れている。
…おかしい、自分が寝るとき窓は閉められていたはずであった。
その時、リナは部屋の中に自分以外の誰かがいる気配を感じた。
その時ちょうど月明りが窓から差し込み、部屋の隅に佇んでいたその人物を照らし上げる。
「………」
「!、ミア…ちゃん?」
リナの部屋への侵入者…それは他ならないネーブル・ミアであった。
「ど、どうして…」
何故彼女が自分の部屋にいるのか、状況が飲み込めないリナに向かってミアは静かに言い放った。
「センパイ…ちょっと面貸してもらうっすよ」
【後書き】
イーヴィルリナ・イブリースをあのまま退場させるのがもったいなかったので、急遽リナちゃんと絡んでもらいました。
結構気に入ってるんですよ彼女w
扉を閉め理奈の部屋を後にする麻美。
あの死闘から一週間…
臍穴から侵入したラミア・ジェルに悪魔じみた姿に変貌させられ、ミアとの激戦で重傷を負った理奈。
だがジュエルの治癒能力もあってか、今は目立つ外傷も消え、体調も以前と同様にまで回復してきていた。
一方のミアであったが、一旦理奈と共にローザの保健室に運ばれたものの、いつの間にかそこから姿を消し、行方が分からなくなっていた。
麻美は以前訪れたことのある彼女のマンションにも何度か足を運び、インターフォンを鳴らしていたが一回も返答はなかった。
彼女には、ミアが既にそこからいなくなったように感じられた。
とうに暗くなった道を一人歩きながら、彼女のことを案じる麻美。
(ミアちゃん…一体何処に行っちゃったの?体は…もう大丈夫なの?)
怪我のことも気になるが、それ以上に彼女には聞きたいことが色々とあった。
(貴女とリナちゃんは一体…?)
普段は人を食ったような態度を取り続けるミアが時折見せる激情…それが一体何から来るものなのか、それを知りたかった。
「ミアちゃん…」
思わず彼女の名前を呟く。
「なんすか?」
「ッ!?」
突然背後から聞こえてきた聞き覚えのある声に、思わず心臓が飛び出しそうになりながら振り返る麻美。
そこには…制服を着崩しその巨べそをさらけ出した、いつものミアがいた。
「ミアちゃんッ!!」
今までその身を案じていた人物がいきなり目の前に現れたことにドギマギしながらも、麻美は矢継ぎ早に質問をしていた。
「い、今までどこに行ってたの!?怪我は大丈夫なの!?」
「ミアちゃんのこと、ずっと心配してたんだよッ!?」
「あ~、体の方はもう大丈夫っすよ」
かったるそうに頭を掻きながら答えるミア。
「っていうか先輩、アタシのこと心配してくれてたんすか…ちょっと意外っすね」
「意外じゃないよッ!!」
「!」
「ミアちゃんもあんなに傷ついて…お腹もおへそも滅茶苦茶にされて…」
「ホントに…本当に心配だったんだからぁ…」
涙目で声を震わせる麻美に、さすがのミアも少しバツが悪そうな表情を浮かべる。
「あ、あ~、その…アタシの方はさておき、あの馬鹿センパイの方は…」
「リナちゃん…?リナちゃんももう大丈夫だよ」
「明日から普通に登校できると思うし…あ、そうだ!」
「まだお礼言ってなかったよね、リナちゃんを元の姿に戻してくれたこと」
「!、…別に礼を言われるようなことなんてしてないっすよ」
「アタシは…ただアイツをひたすらボコボコにして…」
そう言うミアの表情はどこか愁いを帯びていた。
「………」
そんなミアの姿を見て、麻美は意を決し疑問をぶつけることにした。
「あ、あの…ミアちゃ…!」
だがその時、既に彼女は麻美の前から姿を消していた。
「………」
「ミアちゃん…」
「はぁッ、はぁッ、はぁ…ッ!」
ネーブル・リナは息を切らしながら、"ソレ"から逃れようと暗闇の中をひた走っていた。
「リ~ナ~ちゃぁ~ん♪」
背後の闇から不気味に木霊する声。
そのまとわりつくようなどこかで聞いたことのある声と気配を振り払うかのように、とにかく走り続ける。
「あッ!?」
突然"何か"につまづき倒れてしまうリナ。
「痛っ!…な、なに…?」
地面から生えた"ソレ"を確認しようと目を凝らす。
次の瞬間、彼女の顔は蒼白となった。
「ヒ…ッ!?」
地面から生えた"ソレ"は、"以前見たことのある"触手の先端部であった。
咄嗟にその場から逃れようとするリナであったが、それより早く触手が彼女の足に巻き付いた。
「い、いやあッ!?」
抵抗する間もなく、さらなる触手が暗闇の向こうから飛び出しリナに絡みつく。
「いやああああああああああああッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
触手に四肢を絡めとられ悲鳴を上げるリナの元に、ゆっくりと触手の主が暗闇から姿を現す。
「ひさしぶりィ~♪リ、ナ、ちゃあ~ん❤」
人から大きくかけ離れたシルエット…
それはほんの少し前、リナ自身がラミア・ジェルによって変貌させられた異形の凶戦士、イーヴィルリナ・イブリースその人であった。
「どうして逃げるんだ~?アタシとはずっと前から一緒だっただろぉ?」
触手でリナの体を引き寄せると、お互い密着せんばかりに至近距離まで迫るイーヴィル。
「い、いやぁ…」
「つれねぇな~相棒よぉ」
「アタシが"もう一人のお前"だってこと忘れちまったのかよぉ?」
リナの顔をその鋭い爪が生えた手で愛でながら、ニヤリと笑うイーヴィル・リナ。
「ど、どうして…」
リナは震える声でかろうじて問いかける。
「どうして…わ、私たち…あの時一つになったはずなのに…」
「さぁ?あのスライムもどきに体弄られた拍子に分かれちまったのかもなァ」
「だけど、アレには感謝してるんだぜぇ?このアタシの力をさらに引き出してくれたんだからなぁ」
今目の前にいるイーヴィル・リナは、つい先日ミアと死闘を繰り広げたイーヴィル=ラミアではない。
彼女は以前リナの体から分離し、お互い戦ったこともあるもう一人の自分…すなわち正真正銘イーヴィル・リナ本人であった。
「それにしてもお前、どうしたんだァ?随分醜態ばかりさらしてるみたいだけどよぉ」
「またアタシが暴れた方がいいんじゃねぇかぁ?」
「だ、駄目…それは…!」
必死に首を振るリナ。
「また…また皆を傷つけちゃう…」
それを聞いてイーヴィルはため息を吐いた。
「お前、何も変わってねぇなぁ…」
「あの時アタシの何もかも受け入れて、踏ん切りつけてやってくって決めたんじゃねぇのかよ…」
「ぅ…」
うなだれるリナ。
イーヴィルはそんなリナの髪を掴むと、彼女の顔を無理やり引き起こした。
「あぅうぅ…ッ!!」
「それに…最近あのミアって奴に随分コケにされてるじゃねぇか」
「いいのかぁ、このままでよぉ?」
「う…ぅ…」
「アタシのこの力を使えばアイツだって簡単にボコボコに出来るんだぜぇ?」
「センパイに対する態度って奴を、身をもって教えてやらないとなあ?」
リナの目の前でイーヴィルは歪んだ笑顔を浮かべた。
「で、でも…私は…」
「………」
「だったら…少し思い出させてやろうか」
突然イーヴィルはリナの腰に手を回すと、彼女のお腹を自分のお腹に密着せんばかりに抱き寄せた。
「な、なにを…!?」
「お前がどれだけすげぇ力を持ってるか…身をもって味わってもらおうってな!」
そう言った瞬間、イーヴィルの巨べそから無数の微細な触手が溢れ出し、間近のリナのへそに一斉に伸びていく。
「ひィ…ッ!!」
臍に生じた得も知れぬ感触に身を震わせるリナ。
触手の一部はリナのへその皺や縁を丹念になぞりはじめ、また別の一群はその中心の穴へ入り込み、その最深部へと潜り始める。
「う、うヒィッイイイイイィィィィィィッッッッッッッ!!!!!!?????」
(だ、だめえッ!!!こ、こんなの…絶対に、ぜったいにおかしくなっちゃあぅううッッッ!!!!!)
まして相手は自分自身…性感帯の固まりである臍の中でも、特にどの部分が感じるか熟知されてしまっている。
このままだと確実に正気を失い、その隙に意識をイーヴィルに乗っ取られてしまう。
そう思った瞬間、反射的にリナはその臍からネーブルバーストを発していた。
「ッ!?」
臍からの触手をすべて焼払われ、そして間髪入れず至近距離で撃ち込まれたことで吸収することも間に合わず、自らの臍にも少なからずダメージを負ってしまうイーヴィル。
彼女は少し唖然とした顔で自分の臍を見つめていた。
「………」
臍のダメージは即座に何事もなかったかのように回復していくが、彼女はしばらく無言のままであった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
なんとか自分の意識を繋ぎ止め、大きく息を吐くリナ。
だが次の瞬間、彼女は凄まじい悪寒を感じた。
「………」
イーヴィルが突き刺さるような視線を自分に向けている。
まるで"自分自身たる"リナすら殺ろうとせんばかりの殺気…
「…ああ、そうかい」
「せっかくアタシが力になってやろうってのに…テメエも"アイツにも負けない力"を持ってるってのに、それを使う気が全然ないってわけだ…」
「え、え…?」
「つまり…"その力"はお前にとって、もう要らねぇってわけだな」
「なら、その臍の中にあるモノ…引きずり出して全部アタシのモンにしてやるよ」
そう言い、リナの目の前でその鋭い爪を見せつけるようにギラつかせるイーヴィル。
「ッ!?ちょ、ちょっと待ってッ!?」
イーヴィルがこれから何をしようとしているのか、ようやく察したリナ。
その場から逃れようと必死に手足を動かそうとするも、その四肢に絡みついた触手が決して彼女を離さない。
「いいじゃねぇか…"ソレ"が無くなればお前も余計な苦労しなくて済むようになるぜ」
「前と同じように臍いじりが好きな、ただの変態JKに戻るだけだしな」
そう言いながらイーヴィルはゆっくりと自分の腕を引き、その鋭い爪の切っ先をリナの腹部の中央に向ける。
「や、やめ…」
「あばよ、相棒」
「い、いや…やめて…やめてぇぇぇぇぇぇぇッッッッッッ!!!!!!!」
ズブシュウッッッッッッ!!!!!!!
「!!!!!!!」
ベッドから跳ね起きるリナ。
「はあ…はあ…はあ…」
荒い呼吸と共に、汗が頬から滴り落ちる。
身に着けているパジャマも全身ぐっしょりと濡れていた。
「はぁ……、うぅ…」
リナはシーツをめくりパジャマ越しに自分のお腹を凝視した。
そして震える指で恐る恐るボタンを外していく。
「…わ、私の…おへそ…」
そこにあったのは…肉片がぎっしり詰まったいつもの巨大な臍であった。
リナはそこにそっと手を当てた。
その奥底からエナジーの鼓動をかすかに感じる。
そこでリナは大きく息を吐き、ようやく安堵した。
(おへそも…ジュエルも…ある)
(でも…あれは夢だったの…?)
先までのイーヴィルとのやり取りは、夢というにはあまりにもはっきりとした出来事であった。
己の臍を抉られるその瞬間の光景まで…彼女は鮮明に覚えている。
だがなぜそんなものを見たのか…自分には分からなかった。
その時、ふいにリナの頬をかすかな風が撫でた。
「…、!?」
ふと違和感を感じ、咄嗟に自室の窓の方を見やるリナ。
窓の脇のカーテンが夜風に揺れている。
…おかしい、自分が寝るとき窓は閉められていたはずであった。
その時、リナは部屋の中に自分以外の誰かがいる気配を感じた。
その時ちょうど月明りが窓から差し込み、部屋の隅に佇んでいたその人物を照らし上げる。
「………」
「!、ミア…ちゃん?」
リナの部屋への侵入者…それは他ならないネーブル・ミアであった。
「ど、どうして…」
何故彼女が自分の部屋にいるのか、状況が飲み込めないリナに向かってミアは静かに言い放った。
「センパイ…ちょっと面貸してもらうっすよ」
【後書き】
イーヴィルリナ・イブリースをあのまま退場させるのがもったいなかったので、急遽リナちゃんと絡んでもらいました。
結構気に入ってるんですよ彼女w
「随分と遅い到着ですね17」
「あ~、ちょっと迷っちまってな…そこら辺の扉、適当に蹴破ってやっとたどり着いたぜ」
「…おかげで派手に警報が鳴り響いてますけどね」
"24"に続き新たに"17"と呼ばれる少女の襲撃…
ルカは思わず叫んでいた。
「お、お前たち!一体何なんだ!?」
「あ?なんだお前…」
「ひっ!」
17の睨みに一瞬で竦むルカ。
そこに相方が代わりに答える。
「彼が私たちの目的の人物の一人、ルカ・マイヤーです」
「あ~、そういやあんな奴だったっけか」
「それにしても、お前随分みっともない格好してるよなw」
「誰のせいでこうなったと思っているんですか…」
本来は24がラボ内の監視システムをすべて掌握したのちに17が侵入する手はずであった。
が、17が先走ってしまったことで、やむなく24は自らルカの前へと身をさらし、彼女への警戒を逸らすべく、なすがまま嬲られる役を演じていたのであった。
そんな相方の苦労も露知らず笑う17であったが、もはや彼女の性格を熟知している24はそれ以上何も言う気はなく、ただ一つため息をついた。
「で、アイツをどうすればいいんだ?」
24の方へ振り返る17。
「!」
(今だ!アイツをやれっ!)
一瞬17の視線が自分から外れたとき、ルカは咄嗟に2体のレヴィに攻撃指示を下した。
的を絞らせないように17の両サイドから迫る2体のレヴィ。
即座に彼女への距離を詰め、同時攻撃を仕掛けようとしたとき…
バキャァッッ!!!!
「…、え?」
ルカは自分の目を疑った。
ほんの寸前まで、まったく健全な状態だった2体のレヴィ。
それがいつの間にか一体が自分の後方の壁にめり込んだまま動かなくなっている…
その臍部には巨大な陥没が生じており、そこにあったはずの水晶体は内部にめり込むような形で完全に粉砕されていた。
そしてもう一体のレヴィ…
彼女は17の目の前で静止していた。
「…ァ…ふ、ふく…ぶ…そ、ソンショ…」
口から内部循環液が零れ落ちる。
その腹部には17の左腕が見事に貫通していた。
「フン」
なんなく腕を引き抜く17。
向こう側が完全に見えるほどの風穴を腹に穿たれたレヴィは、そのまま背後に倒れ機能を停止した。
「あ、あ…ぁ…」
一瞬でレヴィ2体を一蹴した17の力に戦慄するルカ。
「なんだぁ?こんな奴らに苦戦してたのかよお前?」
「私は貴女と違って戦闘特化型じゃありませんので…」
「ところで早くコレを外してもらえませんか?」
若干憮然とした口調で24が言う。
「しょうがねぇな」
17が24の拘束リングを剥がそうとそちらの方へ歩み寄ったとき、ルカはサイコキネシスで新たな拘束リングを彼女に向けて放った。
(せ、せめてアイツの動きを少しでも抑えれれば…)
バキャアッ!!!
「ッ!?」
またもルカは信じられない光景を目の当たりにした。
拘束リングが彼女の四肢を捕えようとした次の瞬間、リングは彼女の足元に鉄くず同然に散らばっていた。
「そ、そんな…」
己が繰り出した攻撃手段をすべて文字通り粉砕してしまう17にルカは完全に気圧されていた。
そして17によって拘束具を力づくで剥がされ、拘束から解放された24が彼に言い放つ。
「少々無駄な時間を費やしましたが…改めて私たちは貴方にお願いがあってここにやってきました」
「もっとも貴方に拒否権はありません。今の様子をご覧になってお分かりかと思いますが」
「う…な、なんだよ、なんなんだよお前ら…」
思わず後ずさるルカ。
だが数歩引いたところで、背後にいる人物にぶつかる。
「!」
いつの間にか彼の背後に回り込んでいた17。
彼女はその腕を掴むと彼の背後で締め上げた。
「い、痛いッ!!放せよッ!!」
必死に拘束から離れようとするルカであったが、彼を押さえつける17の腕はビクとも動かない。
「ハハハ、なんだァお前?全然力ねぇな」
「17、彼をそのまま捕えていてください」
24は身動きが取れないルカの目の前まで来ると、彼のシャツの裾に手をかけようとした。
「ッ!!み、見るなァッ!!」
己の最も知られたくない場所が暴かれようとしている…そんな最大の窮地に彼は全身全力で拘束から逃れようと暴れた。
「お、少しはイキが良くなったじゃねぇか?」
「だったら…」
17は掴んだルカの腕はそのままに彼ごと前に倒れ込んだ。
「え…ッ!?うぐゥッ!!」
突然の動作に対応できずそのまま床に叩き付けられるルカ。
17は痛みに呻く彼の腕と足に自分の手足を絡ませると、今度は逆に背後の方へと倒れこんだ。
「な…ッ!?ぅぐ…、ぐああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
見事に吊り天井固めを決められてしまったルカ。
手足を拘束され己の腹部を天に高くつきだした格好は、彼にとってこの上ない恥辱の体勢であった。
「オラオラ、ギブするかぁ?まあ、ギブしてもやめねえけどな!」
ルカを宙釣りにしながらその真下で嘲笑う17。
さらにその手足に力を込める。
ビキビキビキ…
「あ"ッ!!がアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
全身が軋まんばかりの力を込められ、まるで体が中心線に沿って左右にパックリ割れてしまいそうな負荷にルカの絶叫が響く。
シャツも前立て部分を中心に今にも割り裂かれんばかりに引き伸ばされる。
ルカの体のラインにピッタリとフィットしたノースリーブシャツは、元からかなりきつめにボタンが留められていた。
そして今このような状況下で、そのボタンにかかる負荷はさらに高まりもはや限界寸前まで来ていた。
もしこのボタンが外れてしまうと、その下から露わになるのは…
ルカのお腹を間近で見つめている24も、あえて自分からシャツのボタンは外さず、いつこの腹部のボタンがはち切れるか待ち構えているようであった。
「うぐぐぐぐぐ…」
必死に腹筋に力を入れて、負荷に抵抗しようとするルカ。
だが17が込める力は一向に緩むことはなかった。
さらに腹筋に力を込め続けていたことによって、さらなる災難がルカを襲った。
「!?」
ビクンとルカの体が大きく震える。
「そ、そんな…!こんなときに…ゥぐッ!!」
最も最悪のタイミングで再発する例の発作。
今まさにはち切れんばかりのシャツのボタンの真下から、生じるあの忌まわしき感触。
「う、うああああああああ………」
もうこれ以上引き伸ばしたら弾き飛んでいきそうな腹部のボタン辺りが徐々に盛り上がっていく。
肌と密着したシャツとの隙間に徐々に"ソレ"は体積を増やしていき、そしてついに…
ブチィッ!!
天高く直上に弾き飛ぶボタン。
それを皮切りに周囲のボタンも次々と決壊し弾き飛んでいく。
それまで布同士をつなぎとめていたボタンを失い、割り裂かされたシャツの隙間から露わになるルカのお腹。
その中央には既に直径7,8cmにはなろうかというほどの赤い醜悪な肉塊がそそり立っていた。
「これが…あなたの臍ですか」
ついに露わになってしまったルカの巨大出べそ。
その臍と呼ぶにはあまりにも悍ましいグロテスクな物体を24は凝視した。
まるで排水溝から溢れ出す泡のように、その臍孔から肉塊が次々と盛り上がり肥大していく出べそ。
「なるほど…これはなかなか興味深い現象ですね」
「臍部の肥大化と共に同時に大量の垢まで生じている」
「これはこの部位だけ異常に新陳代謝が進んでいるということでしょうか…?」
タブレットでルカの臍をドアップで記録しながら、その目と鼻の先で進んでいく肥大化現象を淡々と分析する24。
ここまで間近で自分の臍が醜く変貌していく様を注視されていることに、ルカの心はもはや押しつぶされかけていた。
「や、やめろォ…お、俺の臍を見るなぁぁ…」
今にも泣きそうな顔で懇願するルカ。
だがそんな言葉などまるで耳に入っていないかのように、24はルカの臍に集中している。
そして無造作に、いきなり"ソレ"を掴んだ。
「う”ア"ッ!!???」
ビクンと体を震わせるルカ。
24はその感触を確かめるかのようにソレをグニグニと弄った。
「や、やめろぉ…ッ!お、俺の臍を…弄る、んアア"ア"ッッッッ!!!!!!」
いきなりソレをキツく握りしめられた瞬間、ルカの全身に電撃の如くえも言われぬ快感が駆け巡る。
そしてその瞬間、巨大出べその中心部の孔から噴き出す大量の白濁液。
ピチャッ!
その一部が24の顔にかかった。
「………」
ルカのへそ弄りを止め、己の頬に付着した白濁液をおもむろに人差し指で拭う24。
そしてその指に付着したものをしばし見つめた後、なんとそれを己の舌で一舐めした。
「…これは…精液ですか」
「面白いですね、通常男性の生殖器官から分泌されるものが、この臍部から分泌されるとは…」
「一度サンプルとして調査してみたいところですが…」
完全にルカの臍に興味を持った彼女は、ルカの臍を今度は激しくしごき始めた。
「や、やめ"…ッ!!んガア"ア"ア"アア"ア"ア"ア"ア"ア"アア"ッッッッッッ!!!!!!!!」
あられもなく白濁液を次々と噴出させるルカの巨大出べそ。
白濁液を噴出している間にも肥大化も進行し、今や10cmを超える超巨大出べそと化していた。
「た、頼むからぁ…、や、やめてくれぇ…」
己の臍を無限に肥大化する出べそへ改造されてから、今までリナ、ミアと少女たちに一方的に痛めつけられてきたルカ。
それがまた、新たな2人の少女に好き放題弄られている。
この恥辱的な行為を終わらせるためには、もはやルカは泣きながら懇願するしかなかった。
「は、早く…薬をぉ…打ってくれぇ…」
「薬…抑制剤ですか」
24はラボの片隅に溶剤と注入器が置かれているのを確認していた。
「そ、それを…この臍にィ…、!?」
ルカの臍を弄るのをやめた24は、突然彼の眼前にタブレットの画面を突き付けていた。
「いいでしょう、ただし…コレを完成させてからです」
「えっ?」
その画面に表示されていたのは、何かの装置の図面であった。
かなり巨大な装置である。
「な、なんだよこれ…」
「貴方ならこの装置を作れるはずです」
「あなたが秘蔵している"アレ"を使えば…ですが」
「!?」
「そしてこの装置が完成したとき、あなたはこのどうしようもなく醜い臍を完全に治癒することはもちろんのこと、あのネーブル戦士たちすら屈服させることが出来るでしょう」
「お、俺のヘソが…!?」
「い、いやだけど…その装置を作っている間にも、俺の臍が…」
その時24は突然ルカの出べそを握りしめると、それを何の躊躇もなく潰した。
「あぎゃあああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
己の最も脆弱な部分を握りつぶされ、ルカはラボが震えんばかりの金切り声を上げた。
しかし24は全く意にも介していない様相で言い放った。
「安心してください。装置が完成するまでは"こうして"臍の肥大化を防いであげますので」
「が、ァ…そ、そん、なあ…」
ルカの顔が絶望に染まる。
もはや自分は得体の知れないこの2人の少女に服従するしかない。
そう悟ったとき、彼の意識はそこで途切れた。
(後書き&拍手コメ返し)
ということで、前回までの勢いはどこへやら、2人のニューカマーにおヘソを好き放題されてしまうルカ君でした。
最近、リナちゃんよりも酷い受難が多いような気がしますね彼w
>クロスオーバーになっちゃうんですが、ルカくんが…
この妄想は私もしたことがありますw あのへそ好きな2人に弄られるルカくんいいですよね。
いつやるかは未定ですが、ちょっと考えてみたいと思います。
「あ~、ちょっと迷っちまってな…そこら辺の扉、適当に蹴破ってやっとたどり着いたぜ」
「…おかげで派手に警報が鳴り響いてますけどね」
"24"に続き新たに"17"と呼ばれる少女の襲撃…
ルカは思わず叫んでいた。
「お、お前たち!一体何なんだ!?」
「あ?なんだお前…」
「ひっ!」
17の睨みに一瞬で竦むルカ。
そこに相方が代わりに答える。
「彼が私たちの目的の人物の一人、ルカ・マイヤーです」
「あ~、そういやあんな奴だったっけか」
「それにしても、お前随分みっともない格好してるよなw」
「誰のせいでこうなったと思っているんですか…」
本来は24がラボ内の監視システムをすべて掌握したのちに17が侵入する手はずであった。
が、17が先走ってしまったことで、やむなく24は自らルカの前へと身をさらし、彼女への警戒を逸らすべく、なすがまま嬲られる役を演じていたのであった。
そんな相方の苦労も露知らず笑う17であったが、もはや彼女の性格を熟知している24はそれ以上何も言う気はなく、ただ一つため息をついた。
「で、アイツをどうすればいいんだ?」
24の方へ振り返る17。
「!」
(今だ!アイツをやれっ!)
一瞬17の視線が自分から外れたとき、ルカは咄嗟に2体のレヴィに攻撃指示を下した。
的を絞らせないように17の両サイドから迫る2体のレヴィ。
即座に彼女への距離を詰め、同時攻撃を仕掛けようとしたとき…
バキャァッッ!!!!
「…、え?」
ルカは自分の目を疑った。
ほんの寸前まで、まったく健全な状態だった2体のレヴィ。
それがいつの間にか一体が自分の後方の壁にめり込んだまま動かなくなっている…
その臍部には巨大な陥没が生じており、そこにあったはずの水晶体は内部にめり込むような形で完全に粉砕されていた。
そしてもう一体のレヴィ…
彼女は17の目の前で静止していた。
「…ァ…ふ、ふく…ぶ…そ、ソンショ…」
口から内部循環液が零れ落ちる。
その腹部には17の左腕が見事に貫通していた。
「フン」
なんなく腕を引き抜く17。
向こう側が完全に見えるほどの風穴を腹に穿たれたレヴィは、そのまま背後に倒れ機能を停止した。
「あ、あ…ぁ…」
一瞬でレヴィ2体を一蹴した17の力に戦慄するルカ。
「なんだぁ?こんな奴らに苦戦してたのかよお前?」
「私は貴女と違って戦闘特化型じゃありませんので…」
「ところで早くコレを外してもらえませんか?」
若干憮然とした口調で24が言う。
「しょうがねぇな」
17が24の拘束リングを剥がそうとそちらの方へ歩み寄ったとき、ルカはサイコキネシスで新たな拘束リングを彼女に向けて放った。
(せ、せめてアイツの動きを少しでも抑えれれば…)
バキャアッ!!!
「ッ!?」
またもルカは信じられない光景を目の当たりにした。
拘束リングが彼女の四肢を捕えようとした次の瞬間、リングは彼女の足元に鉄くず同然に散らばっていた。
「そ、そんな…」
己が繰り出した攻撃手段をすべて文字通り粉砕してしまう17にルカは完全に気圧されていた。
そして17によって拘束具を力づくで剥がされ、拘束から解放された24が彼に言い放つ。
「少々無駄な時間を費やしましたが…改めて私たちは貴方にお願いがあってここにやってきました」
「もっとも貴方に拒否権はありません。今の様子をご覧になってお分かりかと思いますが」
「う…な、なんだよ、なんなんだよお前ら…」
思わず後ずさるルカ。
だが数歩引いたところで、背後にいる人物にぶつかる。
「!」
いつの間にか彼の背後に回り込んでいた17。
彼女はその腕を掴むと彼の背後で締め上げた。
「い、痛いッ!!放せよッ!!」
必死に拘束から離れようとするルカであったが、彼を押さえつける17の腕はビクとも動かない。
「ハハハ、なんだァお前?全然力ねぇな」
「17、彼をそのまま捕えていてください」
24は身動きが取れないルカの目の前まで来ると、彼のシャツの裾に手をかけようとした。
「ッ!!み、見るなァッ!!」
己の最も知られたくない場所が暴かれようとしている…そんな最大の窮地に彼は全身全力で拘束から逃れようと暴れた。
「お、少しはイキが良くなったじゃねぇか?」
「だったら…」
17は掴んだルカの腕はそのままに彼ごと前に倒れ込んだ。
「え…ッ!?うぐゥッ!!」
突然の動作に対応できずそのまま床に叩き付けられるルカ。
17は痛みに呻く彼の腕と足に自分の手足を絡ませると、今度は逆に背後の方へと倒れこんだ。
「な…ッ!?ぅぐ…、ぐああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
見事に吊り天井固めを決められてしまったルカ。
手足を拘束され己の腹部を天に高くつきだした格好は、彼にとってこの上ない恥辱の体勢であった。
「オラオラ、ギブするかぁ?まあ、ギブしてもやめねえけどな!」
ルカを宙釣りにしながらその真下で嘲笑う17。
さらにその手足に力を込める。
ビキビキビキ…
「あ"ッ!!がアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
全身が軋まんばかりの力を込められ、まるで体が中心線に沿って左右にパックリ割れてしまいそうな負荷にルカの絶叫が響く。
シャツも前立て部分を中心に今にも割り裂かれんばかりに引き伸ばされる。
ルカの体のラインにピッタリとフィットしたノースリーブシャツは、元からかなりきつめにボタンが留められていた。
そして今このような状況下で、そのボタンにかかる負荷はさらに高まりもはや限界寸前まで来ていた。
もしこのボタンが外れてしまうと、その下から露わになるのは…
ルカのお腹を間近で見つめている24も、あえて自分からシャツのボタンは外さず、いつこの腹部のボタンがはち切れるか待ち構えているようであった。
「うぐぐぐぐぐ…」
必死に腹筋に力を入れて、負荷に抵抗しようとするルカ。
だが17が込める力は一向に緩むことはなかった。
さらに腹筋に力を込め続けていたことによって、さらなる災難がルカを襲った。
「!?」
ビクンとルカの体が大きく震える。
「そ、そんな…!こんなときに…ゥぐッ!!」
最も最悪のタイミングで再発する例の発作。
今まさにはち切れんばかりのシャツのボタンの真下から、生じるあの忌まわしき感触。
「う、うああああああああ………」
もうこれ以上引き伸ばしたら弾き飛んでいきそうな腹部のボタン辺りが徐々に盛り上がっていく。
肌と密着したシャツとの隙間に徐々に"ソレ"は体積を増やしていき、そしてついに…
ブチィッ!!
天高く直上に弾き飛ぶボタン。
それを皮切りに周囲のボタンも次々と決壊し弾き飛んでいく。
それまで布同士をつなぎとめていたボタンを失い、割り裂かされたシャツの隙間から露わになるルカのお腹。
その中央には既に直径7,8cmにはなろうかというほどの赤い醜悪な肉塊がそそり立っていた。
「これが…あなたの臍ですか」
ついに露わになってしまったルカの巨大出べそ。
その臍と呼ぶにはあまりにも悍ましいグロテスクな物体を24は凝視した。
まるで排水溝から溢れ出す泡のように、その臍孔から肉塊が次々と盛り上がり肥大していく出べそ。
「なるほど…これはなかなか興味深い現象ですね」
「臍部の肥大化と共に同時に大量の垢まで生じている」
「これはこの部位だけ異常に新陳代謝が進んでいるということでしょうか…?」
タブレットでルカの臍をドアップで記録しながら、その目と鼻の先で進んでいく肥大化現象を淡々と分析する24。
ここまで間近で自分の臍が醜く変貌していく様を注視されていることに、ルカの心はもはや押しつぶされかけていた。
「や、やめろォ…お、俺の臍を見るなぁぁ…」
今にも泣きそうな顔で懇願するルカ。
だがそんな言葉などまるで耳に入っていないかのように、24はルカの臍に集中している。
そして無造作に、いきなり"ソレ"を掴んだ。
「う”ア"ッ!!???」
ビクンと体を震わせるルカ。
24はその感触を確かめるかのようにソレをグニグニと弄った。
「や、やめろぉ…ッ!お、俺の臍を…弄る、んアア"ア"ッッッッ!!!!!!」
いきなりソレをキツく握りしめられた瞬間、ルカの全身に電撃の如くえも言われぬ快感が駆け巡る。
そしてその瞬間、巨大出べその中心部の孔から噴き出す大量の白濁液。
ピチャッ!
その一部が24の顔にかかった。
「………」
ルカのへそ弄りを止め、己の頬に付着した白濁液をおもむろに人差し指で拭う24。
そしてその指に付着したものをしばし見つめた後、なんとそれを己の舌で一舐めした。
「…これは…精液ですか」
「面白いですね、通常男性の生殖器官から分泌されるものが、この臍部から分泌されるとは…」
「一度サンプルとして調査してみたいところですが…」
完全にルカの臍に興味を持った彼女は、ルカの臍を今度は激しくしごき始めた。
「や、やめ"…ッ!!んガア"ア"ア"アア"ア"ア"ア"ア"ア"アア"ッッッッッッ!!!!!!!!」
あられもなく白濁液を次々と噴出させるルカの巨大出べそ。
白濁液を噴出している間にも肥大化も進行し、今や10cmを超える超巨大出べそと化していた。
「た、頼むからぁ…、や、やめてくれぇ…」
己の臍を無限に肥大化する出べそへ改造されてから、今までリナ、ミアと少女たちに一方的に痛めつけられてきたルカ。
それがまた、新たな2人の少女に好き放題弄られている。
この恥辱的な行為を終わらせるためには、もはやルカは泣きながら懇願するしかなかった。
「は、早く…薬をぉ…打ってくれぇ…」
「薬…抑制剤ですか」
24はラボの片隅に溶剤と注入器が置かれているのを確認していた。
「そ、それを…この臍にィ…、!?」
ルカの臍を弄るのをやめた24は、突然彼の眼前にタブレットの画面を突き付けていた。
「いいでしょう、ただし…コレを完成させてからです」
「えっ?」
その画面に表示されていたのは、何かの装置の図面であった。
かなり巨大な装置である。
「な、なんだよこれ…」
「貴方ならこの装置を作れるはずです」
「あなたが秘蔵している"アレ"を使えば…ですが」
「!?」
「そしてこの装置が完成したとき、あなたはこのどうしようもなく醜い臍を完全に治癒することはもちろんのこと、あのネーブル戦士たちすら屈服させることが出来るでしょう」
「お、俺のヘソが…!?」
「い、いやだけど…その装置を作っている間にも、俺の臍が…」
その時24は突然ルカの出べそを握りしめると、それを何の躊躇もなく潰した。
「あぎゃあああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
己の最も脆弱な部分を握りつぶされ、ルカはラボが震えんばかりの金切り声を上げた。
しかし24は全く意にも介していない様相で言い放った。
「安心してください。装置が完成するまでは"こうして"臍の肥大化を防いであげますので」
「が、ァ…そ、そん、なあ…」
ルカの顔が絶望に染まる。
もはや自分は得体の知れないこの2人の少女に服従するしかない。
そう悟ったとき、彼の意識はそこで途切れた。
(後書き&拍手コメ返し)
ということで、前回までの勢いはどこへやら、2人のニューカマーにおヘソを好き放題されてしまうルカ君でした。
最近、リナちゃんよりも酷い受難が多いような気がしますね彼w
>クロスオーバーになっちゃうんですが、ルカくんが…
この妄想は私もしたことがありますw あのへそ好きな2人に弄られるルカくんいいですよね。
いつやるかは未定ですが、ちょっと考えてみたいと思います。
「クソッ!何で…何で倒せなかったんだッ!?」
手元のコンソールに拳を叩き付けるルカ。
目の前のモニターには、イーヴィルリナ・イブリースとミアの戦いが繰り返し再生されている。
「途中まで完全に追い詰めていたんだぞ…ッ!?」
イーヴィルリナが覆いかぶさるようにミアの体を押さえつけ、そのヘソ穴から生やした触手を相手のヘソへと突き立てる。
『ぅげェッ!?』
ミアの臍奥深くに侵入する触手。
そしてその体内に、まさに強酸性溶液が注ぎ込まれんとした時…
手元のコンソールに拳を叩き付けるルカ。
目の前のモニターには、イーヴィルリナ・イブリースとミアの戦いが繰り返し再生されている。
「途中まで完全に追い詰めていたんだぞ…ッ!?」
イーヴィルリナが覆いかぶさるようにミアの体を押さえつけ、そのヘソ穴から生やした触手を相手のヘソへと突き立てる。
『ぅげェッ!?』
ミアの臍奥深くに侵入する触手。
そしてその体内に、まさに強酸性溶液が注ぎ込まれんとした時…
バシュウウウッッッッ!!!!!!!!
『うぎぃッ!!??』
突如リナが苦しみだす。
その一瞬の隙を逃さず、反撃に転ずるミア。
リナに寄生したラミア・ジェルが彼女の体から消滅し、その姿が元に戻ったことにもお構いなしに殴り続け…
「く…っ!!」
映像を止め、またリプレイさせるルカ。
場面は再びイーヴィルリナがミアを押さえつけたところから始まり…
「一体何を…?」
ヴィー!ヴィー!ヴィー!
突如ラボ内にけたたましい警報音が鳴る。
それは侵入者を示す警報であった。
「こ、この空間に侵入者…馬鹿な!?」
ルカのラボはリナたちのいる場所とは切り離された次元に存在している。
かつては姉であるローザも出入りしていた場所だが、今はラボごと別座標に転移しラボの管理者であるルカ以外誰も侵入することは出来ないはずである。
「い、一体誰が…?」
「私です」
「うわッ!?」
いきなり背後から聞こえてきた声に思わず驚愕の声を上げるルカ。
振り返るとそこには一人の少女が立っていた。
「な、なんだお前ッ!?」
「私ですか?とりあえず『24』とでも呼んでください」
クセっ気の強いこげ茶色のショートヘアーに特徴的な形状の眼鏡、そして片手にタブレットを携えた少女。
『24』と名乗ったその彼女の格好にルカは見覚えがあった。
イーヴィルリナ・イヴリースとの死闘直後、ミアを襲ってきた謎の襲撃者…
衣装を着崩していた彼女とは違い、しっかりと着装しているものの、丸出しにしたお腹に装着されたその特徴的な拘束具を見間違えようが無かった。
「ど、どうやってここに侵入したんだ!?」
「コレです」
彼女は手にしたタブレットの画面をルカに向けた。
「それは…!」
そこに映し出された小型の機械…
それはルカがリナの周辺をモニターするために送り出していた小型浮遊カメラであった。
「これを捕獲しデータ送信先の座標を解析させていただきました」
「解析!?お前はいったい…」
「あなたにお願いしたいことがあります」
そう言いながら、つかつかとルカの方へ歩み寄る24。
「お願いしたいこと?」
ルカは相手の方に顔を向けながら、背後に回した手で密かにパネルを操作する。
「そうです。あなたにしか…」
ルカとの距離がある程度まで狭まったその時、突如24の前に数体の人影が現れた。
「!」
「これは…」
24の前に現れたのは3体の量産型レヴィであった。
量産型とはいえ、かつてリナを圧倒した時の躯体を遥かに上回る性能を持っている。
「なるほど、防衛装置ですか」
「あまり無駄な時間と労力を費やしている暇はないのですが…」
「お前が一体誰なのか知らないが…僕のラボに土足で入って許されると思うな!やれ!」
「「「イエッサー」」」
ルカの合図に合わせて一斉に襲い掛かる量産型レヴィ。
24はタブレットを素早くホットパンツのホルダーに収め、迎撃の体勢を取る。
「ッ!」
三体がかりで繰り出される攻撃を、次々と素早い身のこなしで躱していく24。
「な、なんだアイツ!?」
ルカが驚く間もなく、攻撃の間隙をぬい一体のレヴィに接近する24。
そしてその臍部の水晶体に手の平を当てた。
バチィ!!
その瞬間、凄まじいスパーク音とともにレヴィの体が崩れ落ちる。
「なにッ!?」
「まあ、こんなところですか」
涼しい顔でルカの方を見やる24。
「く…、何をしてるッ!連携してアイツを倒せッ!」
ルカの叫びと共に迫り来るレヴィ2体に対し、再び構え直す24。
だがいきなり体に生じる違和感。
何かに掴まれたかのように腕が動かすことができなくなっていた。
「!、これは…」
「あはははは!!!!!かかったな!」
いつの間にか、24の両腕には金属製のリングがはめ込まれていた。
ルカのサイコキネスによって自在に操られる拘束リング。
彼は密かにレヴィの攻撃に紛れて、彼女の死角から忍ばせ取り付ける場面を伺っていたのだった。
ガキッ!
続けざまに24の両足にもリングがはめられ、彼女の体は四肢を大きく広げられたX字状に固定されてしまう。
腹部を庇うこともできない完全に無防備な状態となった彼女にルカはゆっくりと歩み寄った。
「どうだい気分は?」
満面のドヤ顔で語りかけるルカ。
「…なるほど、話に聞いていた通り確実で…そして陰湿な手段を好むようですね」
「!」
それを聞いてわずかに顔を歪ませたルカが傍らに控えたレヴィに目配せする。
それに応えるように一体のレヴィが、彼女のむき出しの腹にその剛腕を叩き込んだ。
ボグゥッッ!!!!
「あっグッ!!!」
24の目が見開き、口から唾液が吐き出される。
「オェ…ゲホッ!ゲホゲホ…ッ!!」
鳩尾に叩き込まれた一撃に、口元から唾液を垂らしながら苦しそうにせき込む24。
「なんだ随分苦しそうじゃないか?」
「確かに動きは凄かったけど、お腹の防御力は全然みたいだね」
「え、えぇ…私の体は"彼女"と違ってデリケートですので…」
「彼女?」
「一体お前は何なんだ?答えろ」
「………」
無言でそっぽ向く24。
「…いいだろう、だったらまずはこの…」
ルカは拘束された24と接触せんばかりに寄り添うと、その臍部にあたる拘束具の中心部を指で弄り始めた。
「お前の臍に聞いてやってもいいんだぞ?」
ちょうど臍部から四方に広がる様に配されたベルト。
その中心部にはまるで臍穴に埋め込まれたかのように金属製の小型の球体が存在していた。
ルカはその球体を弄りまわし始めた。
「どうだ?お前もここを弄られて何か感じてるんじゃないのか?」
相手の耳元でルカが囁く。
ルカは執拗に球体を弄りながら、さらにもう片方の手で彼女の胸を揉みしだき始めた。
「ホントは感じているんだろ?お前みたいなムッツリした奴は、実はどうしようもない性欲の持ち主でいつも人目に隠れてオナニーしていたりするのがパターンだからな」
「…完全にフィクションと現実を混合してますね」
「貴方、性癖絡みで女性に恥をかかされたことがあるんじゃないですか?」
「!」
その言葉に一転動揺するルカ。
「そ、そんなこと…ッ!?」
「あなたのその卑小な振る舞いは、コンプレックスの裏返しのようなものです」
「執拗に私のこの臍部を弄るのも、あなたのその下から3番目のボタン辺りに隠された…」
「や、やめろッ!!レヴィッ!!」
目の前の少女はルカが最も知られたくない"アレ"のことを知っている…ルカは反射的に彼女への攻撃命令を下していた。
24の元から離れたルカに代わり、2体のレヴィが威圧するかのように彼女の目の前に並び立つ。
「お前…そこまで知っているからには絶対にここから生きては…」
ガッシャアアアアアンン!!!!!!!
突如ルカの言葉を遮る衝撃音。
同時にラボの扉が凄まじい勢いで蹴破られる。
「な、なんだッ!?」
「あ~、ここかここか、やっと見つけたぜ」
驚くルカの前に一人の人影が姿を現す。
「…ようやく到着ですか」
突如ラボへ現れたもう一人の侵入者…それは先のイーヴィルリナとミアの戦闘後に乱入してきた17と呼ばれる少女であった。
(後書き)
久々の後書き。
ということで、前回のnumber17に続き新キャラのnumber24ちゃんの登場です。いきなりルカに捕まっちゃってますが、今後しばらく彼女が受け側になることがなさそうなので今のうちにやっておきました。ルカ君も久々の責め役…ですが、もう既に一転攻勢フラグがビンビン立ってますねw
突如リナが苦しみだす。
その一瞬の隙を逃さず、反撃に転ずるミア。
『ッらああああああッッッッッッッ!!!!!!!!』
『うっぎゃああああああああアアアアアアアアアッッッッッッッッッ!!!!!!!!』
あとは一方的な蹂躙…マウントポジションを取ったミアがイーヴィルリナをひたすら殴りつける。リナに寄生したラミア・ジェルが彼女の体から消滅し、その姿が元に戻ったことにもお構いなしに殴り続け…
「く…っ!!」
映像を止め、またリプレイさせるルカ。
場面は再びイーヴィルリナがミアを押さえつけたところから始まり…
バシュウウウッッッッ!!!!!!!!
『うぎぃッ!!??』
「ここだ…ここでコイツはリナに"何か"をした」「一体何を…?」
ヴィー!ヴィー!ヴィー!
突如ラボ内にけたたましい警報音が鳴る。
それは侵入者を示す警報であった。
「こ、この空間に侵入者…馬鹿な!?」
ルカのラボはリナたちのいる場所とは切り離された次元に存在している。
かつては姉であるローザも出入りしていた場所だが、今はラボごと別座標に転移しラボの管理者であるルカ以外誰も侵入することは出来ないはずである。
「い、一体誰が…?」
「私です」
「うわッ!?」
いきなり背後から聞こえてきた声に思わず驚愕の声を上げるルカ。
振り返るとそこには一人の少女が立っていた。
「な、なんだお前ッ!?」
「私ですか?とりあえず『24』とでも呼んでください」
クセっ気の強いこげ茶色のショートヘアーに特徴的な形状の眼鏡、そして片手にタブレットを携えた少女。
『24』と名乗ったその彼女の格好にルカは見覚えがあった。
イーヴィルリナ・イヴリースとの死闘直後、ミアを襲ってきた謎の襲撃者…
衣装を着崩していた彼女とは違い、しっかりと着装しているものの、丸出しにしたお腹に装着されたその特徴的な拘束具を見間違えようが無かった。
「ど、どうやってここに侵入したんだ!?」
「コレです」
彼女は手にしたタブレットの画面をルカに向けた。
「それは…!」
そこに映し出された小型の機械…
それはルカがリナの周辺をモニターするために送り出していた小型浮遊カメラであった。
「これを捕獲しデータ送信先の座標を解析させていただきました」
「解析!?お前はいったい…」
「あなたにお願いしたいことがあります」
そう言いながら、つかつかとルカの方へ歩み寄る24。
「お願いしたいこと?」
ルカは相手の方に顔を向けながら、背後に回した手で密かにパネルを操作する。
「そうです。あなたにしか…」
ルカとの距離がある程度まで狭まったその時、突如24の前に数体の人影が現れた。
「!」
「これは…」
24の前に現れたのは3体の量産型レヴィであった。
量産型とはいえ、かつてリナを圧倒した時の躯体を遥かに上回る性能を持っている。
「なるほど、防衛装置ですか」
「あまり無駄な時間と労力を費やしている暇はないのですが…」
「お前が一体誰なのか知らないが…僕のラボに土足で入って許されると思うな!やれ!」
「「「イエッサー」」」
ルカの合図に合わせて一斉に襲い掛かる量産型レヴィ。
24はタブレットを素早くホットパンツのホルダーに収め、迎撃の体勢を取る。
「ッ!」
三体がかりで繰り出される攻撃を、次々と素早い身のこなしで躱していく24。
「な、なんだアイツ!?」
ルカが驚く間もなく、攻撃の間隙をぬい一体のレヴィに接近する24。
そしてその臍部の水晶体に手の平を当てた。
バチィ!!
その瞬間、凄まじいスパーク音とともにレヴィの体が崩れ落ちる。
「なにッ!?」
「まあ、こんなところですか」
涼しい顔でルカの方を見やる24。
「く…、何をしてるッ!連携してアイツを倒せッ!」
ルカの叫びと共に迫り来るレヴィ2体に対し、再び構え直す24。
だがいきなり体に生じる違和感。
何かに掴まれたかのように腕が動かすことができなくなっていた。
「!、これは…」
「あはははは!!!!!かかったな!」
いつの間にか、24の両腕には金属製のリングがはめ込まれていた。
ルカのサイコキネスによって自在に操られる拘束リング。
彼は密かにレヴィの攻撃に紛れて、彼女の死角から忍ばせ取り付ける場面を伺っていたのだった。
ガキッ!
続けざまに24の両足にもリングがはめられ、彼女の体は四肢を大きく広げられたX字状に固定されてしまう。
腹部を庇うこともできない完全に無防備な状態となった彼女にルカはゆっくりと歩み寄った。
「どうだい気分は?」
満面のドヤ顔で語りかけるルカ。
「…なるほど、話に聞いていた通り確実で…そして陰湿な手段を好むようですね」
「!」
それを聞いてわずかに顔を歪ませたルカが傍らに控えたレヴィに目配せする。
それに応えるように一体のレヴィが、彼女のむき出しの腹にその剛腕を叩き込んだ。
ボグゥッッ!!!!
「あっグッ!!!」
24の目が見開き、口から唾液が吐き出される。
「オェ…ゲホッ!ゲホゲホ…ッ!!」
鳩尾に叩き込まれた一撃に、口元から唾液を垂らしながら苦しそうにせき込む24。
「なんだ随分苦しそうじゃないか?」
「確かに動きは凄かったけど、お腹の防御力は全然みたいだね」
「え、えぇ…私の体は"彼女"と違ってデリケートですので…」
「彼女?」
「一体お前は何なんだ?答えろ」
「………」
無言でそっぽ向く24。
「…いいだろう、だったらまずはこの…」
ルカは拘束された24と接触せんばかりに寄り添うと、その臍部にあたる拘束具の中心部を指で弄り始めた。
「お前の臍に聞いてやってもいいんだぞ?」
ちょうど臍部から四方に広がる様に配されたベルト。
その中心部にはまるで臍穴に埋め込まれたかのように金属製の小型の球体が存在していた。
ルカはその球体を弄りまわし始めた。
「どうだ?お前もここを弄られて何か感じてるんじゃないのか?」
相手の耳元でルカが囁く。
ルカは執拗に球体を弄りながら、さらにもう片方の手で彼女の胸を揉みしだき始めた。
「ホントは感じているんだろ?お前みたいなムッツリした奴は、実はどうしようもない性欲の持ち主でいつも人目に隠れてオナニーしていたりするのがパターンだからな」
「…完全にフィクションと現実を混合してますね」
「貴方、性癖絡みで女性に恥をかかされたことがあるんじゃないですか?」
「!」
その言葉に一転動揺するルカ。
「そ、そんなこと…ッ!?」
「あなたのその卑小な振る舞いは、コンプレックスの裏返しのようなものです」
「執拗に私のこの臍部を弄るのも、あなたのその下から3番目のボタン辺りに隠された…」
「や、やめろッ!!レヴィッ!!」
目の前の少女はルカが最も知られたくない"アレ"のことを知っている…ルカは反射的に彼女への攻撃命令を下していた。
24の元から離れたルカに代わり、2体のレヴィが威圧するかのように彼女の目の前に並び立つ。
「お前…そこまで知っているからには絶対にここから生きては…」
ガッシャアアアアアンン!!!!!!!
突如ルカの言葉を遮る衝撃音。
同時にラボの扉が凄まじい勢いで蹴破られる。
「な、なんだッ!?」
「あ~、ここかここか、やっと見つけたぜ」
驚くルカの前に一人の人影が姿を現す。
「…ようやく到着ですか」
突如ラボへ現れたもう一人の侵入者…それは先のイーヴィルリナとミアの戦闘後に乱入してきた17と呼ばれる少女であった。
(後書き)
久々の後書き。
ということで、前回のnumber17に続き新キャラのnumber24ちゃんの登場です。いきなりルカに捕まっちゃってますが、今後しばらく彼女が受け側になることがなさそうなので今のうちにやっておきました。ルカ君も久々の責め役…ですが、もう既に一転攻勢フラグがビンビン立ってますねw
「やめてぇえええッッッ!!!!!」
「ッ!?」
当然背後からの叫びに思わずミアの拳が止まる。
振り返ると悲痛な表情を浮かべた麻美が屋上の入り口に立っていた。
ローザによって保健室に連れられるも、そこで再び目を覚ました麻美。
臍部に深い傷を負ったローザをそのままに、彼女は一人死闘が繰り広げられている屋上に来ていた。
「もうそれ以上はやめてぇ…理奈ちゃんが…理奈ちゃんが死んじゃう…!」
目に涙を浮かべながら訴えかける麻美。
その姿にふと正気に戻ったミアはゆっくりとその場から立ち上がり、自分の足元に倒れた人物を見つめた。
そこにはボロ雑巾も同然の姿と化したネーブル・リナがいた。
「…もとに…戻ったっすよ」
「リナちゃんッ!!」
彼女の元に駆け寄りその体を抱きかかえる麻美。
ミアのマウントパンチを喰らい続け完全に潰れ拉げた臍部を中心に、全身に惨たらしい傷を刻み込まれ、もはや息をしているのかすらも怪しい有様であった。
そんなリナを麻美は涙をボロボロこぼしながら抱きしめた。
「リナちゃん…リナちゃんッ!!」
「………」
その姿を一瞥し、その場から立ち去ろうとするミア。
「なんで…」
ふいに聞こえてきた麻美の声に足が止まる。
「なんでこんなになるまで痛めつけたの!?」
背中越しに聞こえてくる声。
それはミアに対する怨嗟に満ちていた。
「…こうするしかなかったすよ、こうするしか…」
「違うッ!!あなたはリナちゃんに何か憎しみをぶつけるかのように殴りつけていた…」
「今までだってそう!必要以上にリナちゃんを虐めて…痛めつけて…何で…何でそんなひどいことするのッ!?」
「うるさいッ!!」
「!!」
突如ミアが発した怒号に思わずビクッと体を震わせる麻美。
振り返ったミアの目は怒りに満ちていた。
「このアタシに…本当に"酷いこと"をしたのはソイツだッ!」
「え…?」
ミアが一体何のことを話しているのか麻美には理解できなかった。
しかし、彼女が理奈に対し相当な恨みを抱いているということだけは感じ取れた。
「…くっ!」
さらに何か言葉を発しそうになるのを堪えて、そのまま踵を返しそこから立ち去ろうとするミア。
「ま、待って…!」
咄嗟にミアを呼び止める麻美。
「あなたとリナちゃんの間に何が…」
「………」
二人の間に沈黙が続く。
「………」
「それは…」
沈黙に耐えかねたようにミアが言葉を発しようとした瞬間であった。
ボゴォオ!!!!!!!
「ォブッッ!!??」
突如ミアの腹部に叩き込まれた強烈な一撃。
「なんだァ?随分隙だらけだったぜぇミアちゃんよぉ!」
完全に不意打ちを喰らう格好となった彼女は、一瞬自分の身に何が起きたのか理解できなかった。
「ミアちゃん!!」
叫ぶ麻美。
「オげエエエエエァァアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
だがその呼びかけは今の彼女には届いていない。
背まで突き破らんばかりに深々と腹に突き刺さった硬い拳に、ミアは思わず胃の内容物を地面にブチまげた。
「うおっ、汚ねぇ!!」
咄嗟に拳を彼女の腹から引き抜く謎の襲撃者。
ミアはそのまま前のめりに崩れ落ち、その場に蹲った。
「グブェ…ッ!!えア"ァア"ア"ア"…、うブッ!!!」
腕で腹をきつく押さえながらピクピクと体を震わせ、絶え間なく口から体液を溢れさせるミア。
「なんだオマエ、随分と弱くなっちまったんじゃねぇのか?」
「それとも、"コイツ"が効き過ぎたってかぁ?」
そう言いながらミアの腹を殴りつけた腕をコキコキと鳴らす"襲撃者"。
その銀の装甲に覆われた腕に刻まれたスリットからシューと白い煙が噴き出す。
「確かに威力は半端ねぇけど…やっぱ"こっちの手"で殴った方がいいよな」
「直接内臓がつぶれる感触が味わえるしよ」
「あ、ぁ…」
一瞬であのミアがダウンさせられた事態に驚愕する麻美。
そんな彼女にふと気付いたかのようにその謎の襲撃者は振り返った。
「あ、オマエ…なんだ?」
「………」
リナを抱きしめながら、怯えた目で"襲撃者"を見つめる麻美。
白いショートヘアーにオレンジのメッシュ、後ろに一本に結わえたヘアスタイル。
端正な顔立ちながらも、牙をむき出しにした口に鋭い目つき。
袖を引きちぎったかのようなノースリーブの臍出しスーツにショートパンツというリナやミアに負けず劣らず露出度の高い恰好。
とりわけ腹筋がくっきりと浮かび上がった丸出しのお腹に、まるで臍部を押さえつけるかのように装着された拘束具が異彩を放っていた。
「…あ、あなた…一体誰なの?」
「誰って…?名前なんてねぇよ。『17』って番号はあるけどな」
「ば、番号…?」
『17』というこの少女が一体誰なのか、麻美にはまったく見当がつかなかった。
そんな麻美に抱かれた傷だらけの少女に目を向ける17。
「…あ?そいつ…『リナ』ってやつか?」
「え…?」
17の興味がリナに移ったことで、麻美は反射的に彼女を庇うように抱きしめた。
「ああ、思い出した。確かそいつの"確保"も命じられているんだっけな」
頭をポリポリ掻きながら、17は思い出したように呟く。
「これでミッションその1完了ってわけじゃねぇか。"こっちに来て"幸先のいいこったぜ」
そう言いながら麻美とリナの元へ歩み寄ろうとする17。
だがその足首を突然何かが掴んだ。
「…あ?」
17が足元へ視線を降ろすと、先ほど強烈なボディブローを喰らい崩れ落ちたはずのミアがズタボロになりながらもしっかりと彼女の足を掴んでいた。
「行かせ…るかってんだ…」
「テメエ…」
17はその手を振り払うと、ミアのわき腹を蹴り上げた。
「げふゥっ!!!」
蹴られた勢いでミアの体が仰向けに転がる。
「ああ、忘れてたぜ…テメエの回復能力をなあッ!!」
勢いよくその腹を思い切り踏みつける17。
「うげぇあッッ!!!!」
踏みつけられた腹を視点にミアの体がくの字に折れ曲がる。
「やっぱり、テメエは、最高だぜ!!ミアちゃんよォ!!」
「げぅうッ!!ぐブゥッ!!え”ァアア”ア”ッッ!!!!」
17の強烈なフッドスタンプがミアの腹に連続で叩き込まれ、腹が踏み抜かれる度に彼女の苦悶に満ちた叫び声が上がる。
驚異的な回復能力を持つ彼女であったが、イーヴィルリナ・イブリースとの死闘直後、ダメージも未だ多く蓄積された状態であり、17の猛攻に抵抗するだけの力は戻っていなかった。
「あ…ァ…」
一方的にいたぶられるミアの姿をただ震えながら見つめるしかない麻美。
あのミアがここまで一方的にやられている…それは彼女にとって非常に信じがたい光景であった。
ミアがこのままやられてしまえば次は…
「…!」
その時彼女は腹を執拗に痛めつけられながらも、ミアがこちらをじっと見つめていることに気付いた。
「………」
その目はまるで彼女にここからの逃亡を促しているようだった。
「ミアちゃん…」
麻美は意を決して、リナを抱きかかえその場から立ち上がった。
「あ、お前ら…!」
その様子に気付き、振り返る17。
だが再び彼女の足を両手で掴み、それを自分の腹に押し付けるミア。
「ハッ、もっと…アタシのお腹、痛めつけていけよ…」
「こんな一方的にいたぶれること…滅多にないんだしさ…」
「ああ、そうだな…望み通りまずはテメエの腹潰してやるよッ!!」
全体重をかけて、ミアの腹を踏みにじる17。
「うごあア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッッッッ!!!!!!!」
内臓をすべて口から吐き出してしまわんばかりの圧力。
それでもミアは決して彼女の足から手を放そうとはしなかった。
(先輩…その馬鹿を連れて早く…逃げて…)
グリュッ!!
「があ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッッ!!!!!!」
目を剥きながら、絶叫するミア。
「…ぅ」
耳を塞ぎたくなるようなミアの悲痛な叫び声を背に、傷ついたリナを抱えながらゆっくりと出口に向かっていく麻美。
「おい、いい加減にテメエ…!」
ピーピーピー
「あ?なんだこんなときに…」
『17聞こえてますか?』
「あー、聞こえてるよ24、なんだこっちは忙しいんだ」
いきなりその場にいない誰かと会話をし始める17。
『あなた…今どこで何をしているんですか?』
「あー、あのミアを痛めつけてやってるところだ」
『彼女と接触したんですか?アナタの勝手な判断で?』
「別にいいだろッ!今まで散々手こずったコイツを倒せそうなんだしよ!」
『それは良かったですね』
『ところでアナタ…自分の活動限界時間に気付いてますか?』
「あ?」
その瞬間、17は全身が弛緩する感触を覚えた。
「やべえ…時間切れだ、たった今」
『………、馬鹿ですね』
その瞬間、
「んぅあああああ…ッッ!!!!!!」
自分の腹を踏みにじる圧力が弱まったのを察知したミアは、残った力を振り絞って渾身のブリッジ体勢で彼女の体を思い切り跳ね上げた。
「うおッ!?」
思わず宙に放り投げられる17。
だが咄嗟の反応で地面に着地する。
『さっさとそこから撤収してください。合流ポイントは今からあなたのナヴェルデバイスに送信しますので』
「あぁ、ガス欠とあっちゃしゃあねえしな…」
「じゃあな、またやり合おうぜミア!」
そう言うと17は屋上からそのまま下に飛び降りていった。
「………」
「行ったの…?」
「そう…みたいっすね…」
脅威が去ったことで、リナを抱えたままその場にペタンと座り込む麻美。
「ミアちゃん…彼女は…」
「あ、あぁ…そのうち説明するっすけど…今は…アタシも…」
そのままミアはフラッと屋上に大の字に倒れ込んだ。
「ミアちゃんッ!?」
「へ、へへ…こ、こんなに疲れたの…初めて…っすよ」
「お、お腹も…臍も…こんなに痛めつけられて…もう限界…っす…」
そのまま目が閉じられ、力無く頭が横たわる。
「ミアちゃん…ミアちゃんッ!!」
麻美が必死に呼びかけるも彼女の瞼は閉じられたままであった。
ネーブル・リナとネーブル・ミア。
今や2人のネーブル戦士は全身に無数の傷を負い、夕闇に沈もうとしている屋上にその身を力無く横たわせていた…
「ッ!?」
当然背後からの叫びに思わずミアの拳が止まる。
振り返ると悲痛な表情を浮かべた麻美が屋上の入り口に立っていた。
ローザによって保健室に連れられるも、そこで再び目を覚ました麻美。
臍部に深い傷を負ったローザをそのままに、彼女は一人死闘が繰り広げられている屋上に来ていた。
「もうそれ以上はやめてぇ…理奈ちゃんが…理奈ちゃんが死んじゃう…!」
目に涙を浮かべながら訴えかける麻美。
その姿にふと正気に戻ったミアはゆっくりとその場から立ち上がり、自分の足元に倒れた人物を見つめた。
そこにはボロ雑巾も同然の姿と化したネーブル・リナがいた。
「…もとに…戻ったっすよ」
「リナちゃんッ!!」
彼女の元に駆け寄りその体を抱きかかえる麻美。
ミアのマウントパンチを喰らい続け完全に潰れ拉げた臍部を中心に、全身に惨たらしい傷を刻み込まれ、もはや息をしているのかすらも怪しい有様であった。
そんなリナを麻美は涙をボロボロこぼしながら抱きしめた。
「リナちゃん…リナちゃんッ!!」
「………」
その姿を一瞥し、その場から立ち去ろうとするミア。
「なんで…」
ふいに聞こえてきた麻美の声に足が止まる。
「なんでこんなになるまで痛めつけたの!?」
背中越しに聞こえてくる声。
それはミアに対する怨嗟に満ちていた。
「…こうするしかなかったすよ、こうするしか…」
「違うッ!!あなたはリナちゃんに何か憎しみをぶつけるかのように殴りつけていた…」
「今までだってそう!必要以上にリナちゃんを虐めて…痛めつけて…何で…何でそんなひどいことするのッ!?」
「うるさいッ!!」
「!!」
突如ミアが発した怒号に思わずビクッと体を震わせる麻美。
振り返ったミアの目は怒りに満ちていた。
「このアタシに…本当に"酷いこと"をしたのはソイツだッ!」
「え…?」
ミアが一体何のことを話しているのか麻美には理解できなかった。
しかし、彼女が理奈に対し相当な恨みを抱いているということだけは感じ取れた。
「…くっ!」
さらに何か言葉を発しそうになるのを堪えて、そのまま踵を返しそこから立ち去ろうとするミア。
「ま、待って…!」
咄嗟にミアを呼び止める麻美。
「あなたとリナちゃんの間に何が…」
「………」
二人の間に沈黙が続く。
「………」
「それは…」
沈黙に耐えかねたようにミアが言葉を発しようとした瞬間であった。
ボゴォオ!!!!!!!
「ォブッッ!!??」
突如ミアの腹部に叩き込まれた強烈な一撃。
「なんだァ?随分隙だらけだったぜぇミアちゃんよぉ!」
完全に不意打ちを喰らう格好となった彼女は、一瞬自分の身に何が起きたのか理解できなかった。
「ミアちゃん!!」
叫ぶ麻美。
「オげエエエエエァァアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
だがその呼びかけは今の彼女には届いていない。
背まで突き破らんばかりに深々と腹に突き刺さった硬い拳に、ミアは思わず胃の内容物を地面にブチまげた。
「うおっ、汚ねぇ!!」
咄嗟に拳を彼女の腹から引き抜く謎の襲撃者。
ミアはそのまま前のめりに崩れ落ち、その場に蹲った。
「グブェ…ッ!!えア"ァア"ア"ア"…、うブッ!!!」
腕で腹をきつく押さえながらピクピクと体を震わせ、絶え間なく口から体液を溢れさせるミア。
「なんだオマエ、随分と弱くなっちまったんじゃねぇのか?」
「それとも、"コイツ"が効き過ぎたってかぁ?」
そう言いながらミアの腹を殴りつけた腕をコキコキと鳴らす"襲撃者"。
その銀の装甲に覆われた腕に刻まれたスリットからシューと白い煙が噴き出す。
「確かに威力は半端ねぇけど…やっぱ"こっちの手"で殴った方がいいよな」
「直接内臓がつぶれる感触が味わえるしよ」
「あ、ぁ…」
一瞬であのミアがダウンさせられた事態に驚愕する麻美。
そんな彼女にふと気付いたかのようにその謎の襲撃者は振り返った。
「あ、オマエ…なんだ?」
「………」
リナを抱きしめながら、怯えた目で"襲撃者"を見つめる麻美。
白いショートヘアーにオレンジのメッシュ、後ろに一本に結わえたヘアスタイル。
端正な顔立ちながらも、牙をむき出しにした口に鋭い目つき。
袖を引きちぎったかのようなノースリーブの臍出しスーツにショートパンツというリナやミアに負けず劣らず露出度の高い恰好。
とりわけ腹筋がくっきりと浮かび上がった丸出しのお腹に、まるで臍部を押さえつけるかのように装着された拘束具が異彩を放っていた。
「…あ、あなた…一体誰なの?」
「誰って…?名前なんてねぇよ。『17』って番号はあるけどな」
「ば、番号…?」
『17』というこの少女が一体誰なのか、麻美にはまったく見当がつかなかった。
そんな麻美に抱かれた傷だらけの少女に目を向ける17。
「…あ?そいつ…『リナ』ってやつか?」
「え…?」
17の興味がリナに移ったことで、麻美は反射的に彼女を庇うように抱きしめた。
「ああ、思い出した。確かそいつの"確保"も命じられているんだっけな」
頭をポリポリ掻きながら、17は思い出したように呟く。
「これでミッションその1完了ってわけじゃねぇか。"こっちに来て"幸先のいいこったぜ」
そう言いながら麻美とリナの元へ歩み寄ろうとする17。
だがその足首を突然何かが掴んだ。
「…あ?」
17が足元へ視線を降ろすと、先ほど強烈なボディブローを喰らい崩れ落ちたはずのミアがズタボロになりながらもしっかりと彼女の足を掴んでいた。
「行かせ…るかってんだ…」
「テメエ…」
17はその手を振り払うと、ミアのわき腹を蹴り上げた。
「げふゥっ!!!」
蹴られた勢いでミアの体が仰向けに転がる。
「ああ、忘れてたぜ…テメエの回復能力をなあッ!!」
勢いよくその腹を思い切り踏みつける17。
「うげぇあッッ!!!!」
踏みつけられた腹を視点にミアの体がくの字に折れ曲がる。
「やっぱり、テメエは、最高だぜ!!ミアちゃんよォ!!」
「げぅうッ!!ぐブゥッ!!え”ァアア”ア”ッッ!!!!」
17の強烈なフッドスタンプがミアの腹に連続で叩き込まれ、腹が踏み抜かれる度に彼女の苦悶に満ちた叫び声が上がる。
驚異的な回復能力を持つ彼女であったが、イーヴィルリナ・イブリースとの死闘直後、ダメージも未だ多く蓄積された状態であり、17の猛攻に抵抗するだけの力は戻っていなかった。
「あ…ァ…」
一方的にいたぶられるミアの姿をただ震えながら見つめるしかない麻美。
あのミアがここまで一方的にやられている…それは彼女にとって非常に信じがたい光景であった。
ミアがこのままやられてしまえば次は…
「…!」
その時彼女は腹を執拗に痛めつけられながらも、ミアがこちらをじっと見つめていることに気付いた。
「………」
その目はまるで彼女にここからの逃亡を促しているようだった。
「ミアちゃん…」
麻美は意を決して、リナを抱きかかえその場から立ち上がった。
「あ、お前ら…!」
その様子に気付き、振り返る17。
だが再び彼女の足を両手で掴み、それを自分の腹に押し付けるミア。
「ハッ、もっと…アタシのお腹、痛めつけていけよ…」
「こんな一方的にいたぶれること…滅多にないんだしさ…」
「ああ、そうだな…望み通りまずはテメエの腹潰してやるよッ!!」
全体重をかけて、ミアの腹を踏みにじる17。
「うごあア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッッッッ!!!!!!!」
内臓をすべて口から吐き出してしまわんばかりの圧力。
それでもミアは決して彼女の足から手を放そうとはしなかった。
(先輩…その馬鹿を連れて早く…逃げて…)
グリュッ!!
「があ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッッ!!!!!!」
目を剥きながら、絶叫するミア。
「…ぅ」
耳を塞ぎたくなるようなミアの悲痛な叫び声を背に、傷ついたリナを抱えながらゆっくりと出口に向かっていく麻美。
「おい、いい加減にテメエ…!」
ピーピーピー
「あ?なんだこんなときに…」
『17聞こえてますか?』
「あー、聞こえてるよ24、なんだこっちは忙しいんだ」
いきなりその場にいない誰かと会話をし始める17。
『あなた…今どこで何をしているんですか?』
「あー、あのミアを痛めつけてやってるところだ」
『彼女と接触したんですか?アナタの勝手な判断で?』
「別にいいだろッ!今まで散々手こずったコイツを倒せそうなんだしよ!」
『それは良かったですね』
『ところでアナタ…自分の活動限界時間に気付いてますか?』
「あ?」
その瞬間、17は全身が弛緩する感触を覚えた。
「やべえ…時間切れだ、たった今」
『………、馬鹿ですね』
その瞬間、
「んぅあああああ…ッッ!!!!!!」
自分の腹を踏みにじる圧力が弱まったのを察知したミアは、残った力を振り絞って渾身のブリッジ体勢で彼女の体を思い切り跳ね上げた。
「うおッ!?」
思わず宙に放り投げられる17。
だが咄嗟の反応で地面に着地する。
『さっさとそこから撤収してください。合流ポイントは今からあなたのナヴェルデバイスに送信しますので』
「あぁ、ガス欠とあっちゃしゃあねえしな…」
「じゃあな、またやり合おうぜミア!」
そう言うと17は屋上からそのまま下に飛び降りていった。
「………」
「行ったの…?」
「そう…みたいっすね…」
脅威が去ったことで、リナを抱えたままその場にペタンと座り込む麻美。
「ミアちゃん…彼女は…」
「あ、あぁ…そのうち説明するっすけど…今は…アタシも…」
そのままミアはフラッと屋上に大の字に倒れ込んだ。
「ミアちゃんッ!?」
「へ、へへ…こ、こんなに疲れたの…初めて…っすよ」
「お、お腹も…臍も…こんなに痛めつけられて…もう限界…っす…」
そのまま目が閉じられ、力無く頭が横たわる。
「ミアちゃん…ミアちゃんッ!!」
麻美が必死に呼びかけるも彼女の瞼は閉じられたままであった。
ネーブル・リナとネーブル・ミア。
今や2人のネーブル戦士は全身に無数の傷を負い、夕闇に沈もうとしている屋上にその身を力無く横たわせていた…
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