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へそ出しヒロインや時々男の子がおヘソを弄られたり嬲られたりしながら頑張るイラストを載せています。基本ラフ画がメインです。感想やコメントいただけると嬉しいです!

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「う”あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

「やめろおぉぉぉッ!!!」

ラボ内に響き渡る24の絶叫と同時に上がる17の抗議の声。

「フフフ…」

四肢を拘束具に囚われ束縛された2人の前に立つ一人の女性…

それは彼女らと同じナベルロイドでありながら、その上位たるコマンダー・クラスの一体、number3であった。

「それ以上は止めろッ!!やるならアタシの方にやれってんだッ!」

「それでは意味がないでしょう?制裁にもある程度耐性がついてしまったあなたにとって、これが最も苦痛を与える方法なんですから」

ニヤリと笑うnumber3。

そして次の瞬間、一際甲高い24の悲鳴が上がる。

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」

彼女を苛む臍部から生じる苛烈なまでの激痛。

それはナベルロイドの臍部に埋め込まれたエナジー受信機と一緒に取り付けられた神経加虐装置によるものであった。

コマンダークラスのナベルロイドのみがそれを作動させる権限を持ち、今まさにnumber3はそれを使って彼女に制裁を与えていた。

「装置を完成させたのはいいとして、あのネーブル・ミアに止めを刺さずみすみす逃がすとは…完全にあなた方の失態ですね」

「違うッ!!悪いのはソイツじゃねえ!」

拘束具を引きちぎらん勢いで猛抗議する17。

「アタシが無理して頼んでミアのやつを見逃す様に…」

「どっちでもいいんですよ」

「!?」

「どちらがミスをしたかなどどうでもいい話です。連帯責任なんですから…あの場で指揮をとっていた彼女が責任を負うのは当然のことでしょう?」

「て、テメエ…!」

「い、いいんです17…」

「!」

衰弱しきった声で24が制止する。

「こ、これは…あなたの行為を…認めてしまった私の責任です…」
「制裁は…甘んじて受けます…」

「ぐ…っ!」

「ですが…確認したいことがあります…number3」

「何でしょう?」

「あ、あなたがここにやってきたのは…一体…どういうことなんですか…」
「何か…作戦の…変更でも…」

number3はフッと笑った。

「あなた方が装置を完成させたことで、目的の半分は達成しました」
「しかし私たちの命運がかかったこの作戦…失敗は許されません」
「作戦を確実に遂行するためこの私が遣わされた…それだけのことです」

「………」

「装置の方は"私が指示したとおりに"仕上がっているようですね」

「はい…」

「それでは仕上げに"彼女"を迎え入れることとしましょうか」
「あなたたちのミスで逃がしてしまった彼女を…ね」





ラボの最深部の一室…

わずかな照明に照らされたその部屋にリナはいた。

一糸まとわぬ姿で手足を大の字に拡げた状態で拘束され、まるで人形のように静かに横たわっているリナ。

「………」

薬物を投入された作用により、彼女の意識は混濁していた。

体の至る箇所に取り付けられたチューブ、そしてその臍部に取り付けられた一際巨大なアタッチメント…

既に彼女は装置のコアとしての調整を終え、その内部に組み込まれるだけの状態となっていた。

その時、突然開かれる自動ドア

「はぁ…はぁ…はぁ…」

フラフラとした足取りで部屋に入り込んできたのはルカであった。

片手で腹部…そのヘソを抑えながら苦しそうに悶える。

装置完成まで肥大化抑止剤を投与することも許されず、肥大の度に17や24によって何度も握りつぶされてきたヘソ…

その度重なる仕打ちにルカの精神は今や限界をきたしていた。

「はぁ…はぁ…か、片瀬…理奈…」

ヨロヨロと台に横たわる彼女に近づいていくルカ。

そして台に上ると、彼女を見下ろす様に立ち上がった。

「み、見ろよ…」
「お、お前にかかわった…せいで…お、俺のヘソはもう…ボロボロだ…」

そう言いながらお腹に当てていた手を外すルカ。

そこから現せたのは歪にゆがんだ肉片の固まり…不浄な体液を滴らせ、さらに異常な臭気をも漂わせる醜悪の一言に尽きる肉塊であった。

その臍と呼ぶにはあまりにも悍ましいその物体はピクピクと震えながら、なおもゆっくりと肥大を続けていた。

「あ、あいつら…装置が完成したら…俺の…この臍を…直してくれるって言っていたのに…」

代わりに17によって腹に重たい一撃を喰らわされ、ルカは逃げるように自分のラボ内を彷徨っていた。

「だから…ッ!!」

不意にリナに覆い被さるように四つん這いになるルカ。

「だから…お前が…この俺のヘソを…慰めてくれよ…!」

歪んだ笑顔を浮かべながらその顔を覗き込むルカに対し、リナはただ虚ろな瞳を宙に向けたまま静かに黙っていた。

それをいいことに腹部のアタッチメントを乱暴に取り外し、彼女のその巨大な孔を露わにするルカ。

そしてそこにゆっくりと自分のヘソを近づけていく。

「お、お前のデカべそだったら…受け入れてくれる…よなぁ?」

その先端がまさに挿入されんとしていたその時…

「ふへへ…うえッ!?」

ふいにルカは自分の臍に違和感を覚え、その部位に目を向けた。

「あ、あれ…?お、俺の臍が…無い…?」

そこにあったはずの巨大な肉塊…それがまるで忽然と消えていた。

「まったく…随分と下賤な真似をしてくれますね」

ハッと振り返るルカ。

そこに立っていたのは17や24の上官として新たに現れたnumber3であった。

彼女は手にしたデバイス…ネーブルエナジーをソード状に形成する発振器を一振いし、その先に突き刺さったそれを抜き落とした。

ピチャ…!

「あ…」

床に落ちたソレは間違いなく、今しがたまでルカのお腹の中心に付いていたモノであった。

「あ…ァ…ああア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

台から転げ落ち、腹部を抑えながら床の上を転げまわるルカ。

「へ、へそおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!!俺のヘソがぁあああああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

「ほうっておいてもまた再生するのでしょう?」

にべもなく言い放つとnumber3は床に転げまわるルカの腹を無造作に蹴り上げた。

「げふっッ!!」

そしてその両腕を掴み上げると、そのまま壁に彼の体を押し付けた。

「あ、があぁぁ…!!」

「あなたの"その行為"による結果、私たちがどれほどの被害を被ったか…」

そう言いながらエナジーソードの先端をヘソの傷口に押し込む。

傷穴を高密度のエネルギーが容赦なく灼き焦がす。

「うぎゃああああああアアアアアアッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」

「本来、装置が完成した時点であなたは用済みですが……」

しばらくルカを悶え苦しませた後、ふいにエナジーソードの発振を止めデバイスを収めるnumber3。

その代わりに、銃型の液体注入器を取り出した。

「まだ"私"のために役立ってもらいましょうか」

そう入れると間髪入れずその先端をルカの臍穴に押し込む。

「うぐッ!?」

焼け焦がされた臍穴に続けざまに押し込まれた冷たい異物に呻き声を上げるルカ。

number3はすかさずトリガーを引き、充てんされた液体をその内部に一滴残さずすべて流し込んだ。



「うぐぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

お腹の奥底、臓腑全てに染み渡るような感覚…

その刹那、臍から猛烈な熱が発せられ悶絶の声を上げるルカ。

number3が彼の体を開放するや否や、彼は床に倒れ自分のヘソを掻きむしった。

「あがあああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!????????」
「お、俺の臍に何をしたんだよおぉおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッ!!!?????」

「フフフ…」

薄ら笑いを浮かべながら、ただ見下ろしているだけのnumber3。

「うぐぁッ!!へ、へそォッ!!俺のへそおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

仰向けになると体を限界まで反らし、自らのヘソを宙に突き上げる。

やがて、その孔から"あるモノ"が這い出るように姿を現した…

[後書き]
早速number3が好き放題やってくれました。
登場人物の女性たちに尽くおへそを虐められるルカ君…実に羨ましいですね。

ところで今さら気付いたのですがnumber3って、まんまレヴィと同じ髪型ですね。
糸目で強キャラというイメージで描いたらこうなってしまったんですが…自分の引き出しの少なさが情けない…

拍手[15回]

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「アイツは…一見、ただの人間だ」
「身体能力もこれといって高いわけでもなく、頭も特にいいわけでもない」
「むしろいつもおへそオナニーのことしか頭にない"馬鹿"で"変態"だ」

(ミアちゃん酷い…確かにそうだけど…)

「だけどアイツには、他の人間にはないある特別な能力を持っていた…」
「あのジュエルからエナジーを最大限に引き出せるという、な」

「ネーブル・エナジーね」

「あぁ、あのジュエル単体では何も起こらないが、それを体内に取り込み性的昂揚感を覚えることによって大量のエナジーが発生する」
「そして…そこに目をつけた連中がいた」

「連中…?」

「『シックス・ピース』…」
「アイツとジュエルから生み出される無尽蔵のエナジーを利用して、世界征服を始めた連中だ」

「え、え…?」

いきなり突拍子もない展開に真美が困惑したように声を上げる。

「せ、世界征服なんて…リナちゃんのおヘソで…?」
「そんな…ハハ…」

「…先輩は笑ってるけど、あのジュエルがマジでヤバイ代物だってこと分かってんのか?」

「え…?」

「考えてもみろよ」
「あの石っころ一つとただの女子高生一人いるだけで無限のエネルギーを発生させることができる…」
「アイツにジュエルを埋め込んで、ずっと性的興奮を与える環境に押し込んでしまえば、半永久機関の完成だ」

「あ…で、でも…そんなずっと四六時中おヘソオナニーなんて…」

「それを可能にする装置を作っちまったんだよ、アイツらは」

「!」

「その装置に組み込まれたアイツは、年老いることもなく延々と自分のヘソを責められる夢を見させられ続けている…」
「そしてそこから発生するエナジーはすべて回収され、あらゆる事に利用されている」
「17や24…あいつら"ナベルロイド"もその一つだ」

「ナベルロイド?」

「身体改造を受けることで、エナジーを体内に取り込むことができるようにした連中…」
「いわば一種の改造人間ってわけだ」

「じゃ、じゃあ彼女たちもリナちゃんと同じようにおヘソオナニーして…?」

「いや、あくまでアイツらはエナジーを利用しているだけ…」
「あいつらの臍に妙な装置がついていただろ?あれは受信機だ」
「あれで遠隔にある大元の装置から転送されたエナジーを自分の臍から取り込んでいるってわけさ」

「………」

「そ、そんな…リナちゃんがそんな凄い力を持っていたなんて…」

「アンタは…ある程度知っていたんだろ?」

ふとミアがローザの方に視線を向ける。

「え、先生…?」

「…そうね、全貌は掴めないまでもジュエルの特性についてはある程度知っていたわ」

「ど、どういうことですか?」

「あのジュエル…もともと私たちが持っていたものなのよ」
「ジュエルを埋め込まれた人間の昂揚感に応じてエナジーが発生する…そこまでは知っていたわ」
「特に多感な時期の女の子…つまり理奈ちゃんや麻美ちゃんくらいの年の女の子がもっともその力を引き出せるということもね」

元々理奈がジュエルを手に入れたのは、ローザがそれを彼女の目の前に落としたのがきっかけであった。

「理奈ちゃんが他の子と違って、病的におヘソオナニーが大好きなちょっと変わった女の子だってことは予め調べていたわ」
「だからジュエルの特性をより詳しく調べるため…ワザと私が彼女の目の前に落としたの」

そして目論見通り理奈は自分のへそにジュエルを埋め込み、そしてエナジーの力にて変身を果たした。

「最初は対峙して彼女を虐めることで力を引き出そうとしたけど、追い詰められてもおヘソのことばかり考えてるリナちゃんを見ているうちに、なんだかほうっておけなくなっちゃって…」
「でも…まさか…それがそんなことになっちゃうなんて…」

「先生…」

「確かにアンタが余計なことをしてくれたせいもあるけど、元はといえばヘソオナニーばかりしか頭がないアイツが悪いんだ…!」

そう言いギリっと歯を噛み締めるミア。

「ミアちゃん…」
「そ、そういえば…ミアちゃんはどうやって生まれたの?」

麻美の問いかけに、ミアは少し顔を俯かせ間を置いた後、静かに語り始めた。

「…アイツが装置に組み込まれてしばらくしてから…ある想定外の出来事が起きた」

「想定外?」

「アイツが…妊娠してたってことが判明したんだ」

「!」

「アイツがいつ性交したのかは分からない…」
「装置に組み込まれる直前、誰かに強姦されたのかもしれない」
「ともかくその時になってようやくアイツが身ごもっているってことが分かったんだ」

「まさかそれが…」

「ああ、私だよ」

「………」

「だけど妊娠してるとあってはエナジー供給に何か支障が出るかもしれない…装置の中にずっと組み込んでおくわけにもいかず一旦アイツは装置から外された」
「そこでアタシを堕ろすことも考えられたんだろうけど…そこで出た結論はその子供をそのまま出産させ様子を見てみるというものだった」
「つまり…あの特異な体質を持つアイツの子供が一体どんな能力を持っているのか…それを観察するための"モルモット"としてアタシは生を受けたんだよ」

「モ、モルモット…」

次から次へと明かされる衝撃的な事実に、麻美は口を抑え震えていた。

「アタシを産んだあと、アイツはまた装置の中へと組み込まれた」
「一方でアタシはシックス・ピースの連中に"飼育"されながら、ずっと体を調べられ続けてきた」
「すると…ある特殊な力を持っているということが分かったんだ」

「特殊な力?」

「ジュエルが無いのに、アタシの体からはネーブルエナジーが生じていた」
「つまりアタシは"装置を介する必要もなく"アイツからエナジーを得ることが出来ていたんだ」

「そ、それってつまり…リナちゃんがオナニーして発生したエナジーをミアちゃんが使えるってこと?」

「そういうこと」
「だからアイツとジュエルがある限り、アタシは常にネーブルエナジーの力を発揮することが出来る」
「アイツの胎内にいた間ジュエルの影響を受け続けていたからとか…多分そんなとこなんだろうな」

そこで麻美は理解した。

ミアがジュエル無しでどうしてあれだけの力を発揮できていたのかを…

そして24によってリナの臍からジュエルが抜き出され破壊された際、何故ミアの変身が解かれ、治癒能力も失ったのかを…

「そういえば理奈ちゃん…ミアちゃんが姿を現した頃からいつも以上におヘソを弄りだすようになったんだけど…それは…」

「あぁ、アタシのせいだろな」

未来の世界で装置によって効率的に膨大な量のエナジーを搾取されているリナであれば、ミアに奪われた分など些細なものであっただろうが、ただオナニーによってのみエナジーを得ていた今のリナにとっては大きな影響であった。

「まったく…親の"すねかじり"ならぬ"へそかじり"ってわけね」

「…それでそれからどうしてミアちゃんはこの世界に来ることになったの?」
「もともとミアちゃんもそのシックスなんとかって組織にいたんでしょ?」

「さらわれたんだよ」

「!」

「シックス・ピースに対抗していたレジスタンス組織、そこの連中がアタシのことを嗅ぎつけたんだ」
「装置なしでエナジーの恩恵を受けられる人間…ただでさえナベルロイドの連中に手を焼いて劣勢だってのに、そこにそんな奴まで加勢したらもはや勝ち目はなくなっちまう」
「だから奴らは死に物狂いでアタシを奪取したのさ」
「もっとも…その時アタシは2歳かそこらだから何が起きているのかもさっぱり分からなかったけどな」

「そ、そんな小さな時に…!?」

「あぁ、そしてそのレジスタンスでアタシは育てられた」
「エナジーを使えるアタシが将来レジスタンスの主力となるべく、色々戦闘技術を叩き込まれながらな」
「その時の教官、そしてレジスタンスのリーダーだったのがアンタだよ、ローザ」

「えっ!?」

思わず声を上げるローザ。

「わ、私が?」

「あぁ、アイツにジュエルを渡してしまった罪滅しかなんだか知らねぇけど、アンタが反抗勢力の中心的存在だった…」
「それでアイツの二の舞にさせないためか、アタシを散々いたぶってくれてよ」

「い、いたぶるって…?」

「このおヘソに高温の液体や強酸流しこんだり、万力みたいなので押しつぶそうとしたり、限界以上に割り広げたり…アタシに耐性をつけさせるのが目的だとかなんとか言ってたけどよ」

「ず、随分とスパルタねぇ、未来の私…」

「確かに傷はすぐに治るけどよ、正直殺してやろうかと思ったくらいだぜ」
「ま、おかげでかなり痛めつけられても、耐えられるようにはなったけどな」

「………」

ミアの異常なまでのタフネスぶりはジュエルによる回復能力だけではなく、未来のローザによって培われたものだということを麻美は理解した。

「…それで分かったわ」
「アナタが以前、私に向かって"アンタも随分と甘ちゃんだった"って言っていたこと」
「私はミアちゃんにとっての師匠だったってことね」

「ハッ、師匠とかそんな大層なもんじゃねぇよ、アタシにとっちゃあな」

そっぽ向きながら吐き捨てるように言うミア。

「…随分と嫌われる真似をしていたようね、アタシ」
「じゃあついでに聞くけど、麻美ちゃんはアナタにとっての何だったのかしら?」

「え?私…?」

「あなた…リナちゃんと違って麻美ちゃんに対しては随分と従順そうだったけど…それも何か未来であったことに関係するのかしら?」

「それは…」

一瞬口ごもるミア。

そして観念したかのように白状する。

「それは…アンタが…私の…育ての親だから…」

「!!」

驚愕の表情を浮かべる麻美。

「わ、私が…ミアちゃんの…?」

「そうっすよ…」
「本当の母親がいないも同然のアタシを育ててくれたのは、あんたっすよ」
「友人の子供をほうっておくことが出来なかったとかそんなところなんでしょうけど…」

「フフ、そういうことね」
「だから麻美ちゃんに対してはどこか甘えるような感じだったのね」

「なっ!」

ローザの言葉に思わず顔を真っ赤にさせるミア

「ば、馬鹿ッ!ちげえよ!!実質育てられたのは10歳くらいの頃までで…ッ!?」

その時ふいにミアの体を抱きしめる麻美。

「えっ、ちょ、せ、先輩…!?」

「…ミアちゃん、小さい時からずっと…たった一人で辛い思いばかりしてきたんだね」
「本当に…本当に辛かったんだよね…」

「い、いや…別に辛くなんか…」

あたふたとしながら抱擁を解こうとするミアであったが、ふと首を静かに横に振るローザが目に入る。

そして真美の方へ目を見やると、彼女はボロボロと目から涙をこぼしていた。

「………」

抵抗するのをやめ、自分を抱きしめる麻美の手にそっと手を添えるミア。

「先輩…こんなアタシのために涙を流してくれるなんて…やっぱり先輩は昔から変わらなかったんすね」

「ミアちゃん…あ、ご、ごめん!まだ話の続きだったよね」

慌ててミアから手を離し、涙を拭う麻美。

「あ、あぁ…」
「そ、それで…アタシもレジスタンスの一員として、奴らと戦うようになった」
「ナベルロイドの連中も相当ぶっ潰してやった。エナジーを利用してるっていう点は一緒だけど、アタシは装置の制限無しで存分に戦えたからな」
「だけど、それでも劣勢は覆せなかった…アタシ一人が頑張ったところで物量差は覆しようもなかった」
「さらに奴らはアタシに対して、ある対抗手段の準備を進めていたことが分かった…」

「対抗手段?」

「そう、リナのヘソから生じるエナジーをアタシに送れないようにする遮蔽装置…その準備を奴らは着々と進めていた」
「当然そんなことされたら…アタシもただの人間同然。レジスタンスの戦力も大幅にガタ落ちだ」

「………」

「そこで…アタシたちは最後の賭けに出た」
「それが…」

「アナタを過去に送り出す…ってことね」

ミアは頷いた。

「そう、アタシたちがいた未来の時点でエナジー利用の研究は時間航行にまで及んでいた…」
「理論的は可能、だけどまだ誰も試したことはない…だけどアタシたちに手段を選んでいる余裕は無かった…」
「アタシが過去まで行って、アイツを狙おうとする奴らを全部排除する」
「レジスタンスは決死の覚悟で連中の施設に突入して試作の転移装置を起動、そしてアタシはそこに飛び込んで…ここにやってきた」

「…レジスタンスのみんなは?先生や未来の私はその後どうなったの…?」

「分からない。アタシがいなくなった後、あの未来がどうなったか…」

「………」

「とにかくあのシックス・ピースの連中もアタシを追って、17と24…ナベルロイドを過去に送り込んで来た」
「そしてアイツが確保された今、アタシはアイツを奪い返さないといけない」
「そうしないとまた未来は…アタシがいた未来と同じになっちまう…!」

ミアはそう言いながら自分の拳をきつく握り締めた。

「…ふぅ、やっと話が飲み込めたわ」
「それでミアちゃん、あなたこれからどうするの?」

「決まってるだろ!あの2人がいるところに殴り込んでアイツを奪い返す…!」

「それが何処だか分かってるの?」

「そ、それは…!」

口をつぐむミア。

「ほら、闇雲に突っ走ってもどうしようもないでしょ」

「………」

正論で指摘されてミアは不貞腐れたような表情を浮かべる。

「だからって…このまま何もしないってわけ…」

「そう、だから今リナちゃんたちがどこにいるのか探りを入れているところよ」

「え?」

ミアは思わず驚きの声を上げた。

「あ、あんた知ってるのかよ…?あいつらの居場所…」

「確信はないけど…大体想像がつくわ」
「ミアちゃん、その17と24って子はリナちゃんを確保した後どうすると思う?」

「え…そ、それは…」

「リナちゃんを未来に送る…とか?」

「それはないぜ先輩」
「時間跳躍の成功確率はほぼ半分、そんなリスクを犯してまでアイツを送り出すなんて…」

「そうね、それにそもそもこの時代にはそんな時間跳躍できる装置なんて存在しないし」
「となると、この時代でその例の装置を作り出してそこにリナちゃんを組み込むか…」

「作り出す?この時代で?」
「そんなことできるわけが…」

「そう、"今のこの世界の"技術じゃ不可能でしょうね」

含みを持たせた言い方をするローザ。

「…?」
「この世界の技術じゃ不可能…、まさか!」

「ええ、そういうことよ」
「もっとも、その場所が今どの"座標"にあるのかは調べないといけないけど…」
「ま、それは私に任せて、あなたは戦えるように態勢を整えておきなさい」

「態勢って…アタシはいつでも…」

「ミアちゃん」

ふと麻美が呼びかける。

「先輩?」
「!、それは…」

振り返ったミアが見たもの…

それは彼女の手の平に敷かれたハンカチに綺麗に並べられた水晶の破片…ジュエルの残骸であった。

「これは…アイツの臍に入っていた…」

24によって粉々に砕け散ったメタモル・ジュエル。

だが麻美はコートに散らばったその破片をひとつひとつ拾い上げ回収していた。

「これを使えば…ミアちゃんもまた変身できるんじゃないかな?」

「!」

粉々に砕け散ったジュエル…だが破片と化したとはいえ、ジュエルそのものであることには違いない。

「アタシがそれを使って変身だなんて…出来るわけ…」

「そんなのやってみないと分からないよ!」
「それにもう前のようにすぐに傷も治らないんだよ!そのままの姿で戦おうなんて、私絶対にさせないんだからね!」

まっすぐにミアを見据える麻美の瞳。

それは彼女が幼少の時から何度も見てきた有無を言わせない瞳であった。

「…わ、分かったよ」
「そ、それを臍の中に…入れりゃいいんだろ」

「うん!それじゃあちょっと待ってて…!」

渋々承諾するミアに対し、途端に明るくなる麻美の顔。

彼女はジュエルの破片を一つ一つ机に並べ始めた…



「…で、なんだよこの状況…」

保健室から隠し扉で通じた、ローザがリナの調教用に密かに誂えていた部屋…拘束台や用途不明な様々な器具が置かれたその穏やかでない空間にミアと麻美はいた。

天井から吊り下げられた鎖…その一つにミアは両腕をつながれた状態で拘束されている。

「だって…そうしないとミアちゃん暴れると思って…」

憮然とした表情を浮かべるミアに対し、申し訳なさそうにだがどこかしら楽しそうに麻美が詫びる。

そして彼女は台に置かれた水晶体…麻美が一つ一つ破片を丁寧に接合させ修復させたジュエルを手にとった。

それは手元にあるだけの破片を接着させて修復したに過ぎない、今すぐにも壊れてしまいそうなジュエルであったが、今のミアたちにとってこれが唯一の希望であった。

麻美はミアの背後に立つと、その手を彼女のお腹の前に回した。

そして片方の手でそっとほぐすようにミアのおヘソを撫で始める。

「あぅン…ッ!!」

ビクッとミアの体が震える。

「力を抜いて…ミアちゃん…」

背後からそっと囁くように声をかける麻美。

そして手にしたジュエルをミアのおヘソに押し当てた。

「はぁうううううッッッッッ!!!!!!」

傷ついたヘソにいきなり冷たい無機物を押し当てられ、悲鳴を上げるミア。

麻美は背後から渾身の力を込めてジュエルをミアのヘソに押し込んだ。



「あいッたあぁあああああああああああああッッッッッッッッ!!!!!!」
「こ、こんなの無理だってぇッ!!やっぱこんなのおヘソに入らないぃってばあッッ!!!!」

自分のヘソの直径より1周り以上も大きな水晶を無理矢理中に押し込もうとする無茶な行為…

今更ながらミアは抗議の声を上げた。

「だからおヘソの力を抜いてッ!理奈ちゃんだって自分でおへその中に入れたんだよ!」

「だ、だからってぇぇ…!!」

「受け入れることだけを考えて!大丈夫、ミアちゃんのおへそだったら受け入れてくれるから!」

「あぅううう…」

今は彼女に言うことに従うしかなかった。

ミアが大人しくなったのを見計らって、さらに力を込めてジュエルをミアのヘソにめり込ませる麻美。

「ぅいいギギギギイイイイいいいいいいいッッッッッッッッッ!!!!!!!!」

水晶のささくれだった破片の先が肉片に食い込み彼女のへそを傷つける。

だがミアは歯を食いしばり必死に痛みに耐えた。

(そうだ…こんな痛み…今まで受けてきたのに比べたら…!)

グリュッ!!

「んあああああッッッッ!!!!!」

そしてついにジュエルがミアのヘソの中に収まる。

その瞬間、彼女のヘソから眩い光が発せられた。

「あうぅッ!!」

弾き飛ばされるようにその場に尻餅をつく麻美。

「ミ、ミアちゃんッ!!」

腕で顔を覆いながら、彼女の名を呼ぶ。

やがて光が収まったそこには、見覚えのある衣装に身を包んだ一人の少女が立っていた。

「…こ、これは…」

己の体の変化に少なからず戸惑いの声をあげるミア。

彼女がまとっていたのは、白に青のラインが入った襟付きタンクトップにミニスカート…
その異常に少ない生地の量は彼女の胸と秘部をかろうじて隠すだけで、お腹も大きくさらけだされ星状の巨べそも見事にむき出しである。
髪色も淡いライトグリーンへと変化し、蒼いリボンで後ろに結わえられている。

それはあのネーブル・リナと同じ格好であった。

だがジュエルが破損している状態であったせいか、衣装はボロボロで力も大幅に低下しているのが目に見えて分かった。

「………」

とりあえず変身を果たし全身の傷も回復したものの、その違和感に戸惑うかのように自分の体の至る箇所を触るミア。

「どうしたのミアちゃん?」

「…なんか…変な感じが…」

そう言いながら自分のおヘソに両手を添え、その中にある存在の感触を確かめる。



「あれが…このおヘソの中に入っているなんて…」

「…理奈ちゃんはずっとそれで戦ってきたんだよ?」

「………」

護衛対象とは言え、へそオナニーに耽るあまり堕落した自分の母親と同じ状態となったことに複雑な感情を覚えるミア。

「ミアちゃん…大丈夫そう?」

「…分からないけど、生身の状態よりはマシかも…」

その時、2人の前にローザが姿を現した。

「ミアちゃん!麻美ちゃん!目的の場所が…って、ミアちゃんその格好…」

リナの衣装に身を包んだミアの姿に思わず目を見張るローザ。

「あ、あんまりジロジロ見るなよ…」

恥ずかしそうにおヘソを両手で隠すミア。

いつも衒いもなくさらけだしていた巨べそであったが、この衣装の時に見られると何故か無性に気恥ずかしかった。

「…似合ってるわよソレ、さすが親子ってところね」

「テメ…!」

「先生、目的の場所が分かったって…もしかしてリナちゃんの居場所が!」

ミアの言葉を遮って、問いかける麻美。

「えぇ、まあ分かった…というより、向こうさんから招待してきてくれたみたいだけどね」

「えっ!?」

「………」

驚きの声を上げる麻美とは対照的に、ミアは冷静に事実を受け止めていた。

(アタシをワザとおびき寄せて始末しちまおうってことかよ…)
(いいぜ、そっちがその気ならアタシも…やってやるッ!!)

静かに拳を握り締めるミアであった。



[後書き]
というわけで、長々と書いてきましたが実はそういうことでした。
説明編はここで終わりで、次回からいよいよ最終決戦編に入ります。
あんな人やこんな人に色々へそ責めを用意しているのでお楽しみに…

拍手[19回]


「…で、奮闘空しくリナちゃんがさらわれちゃったってわけね」

「………」

既に日も沈んだ学校の保健室に3人はいた。

ローザと麻美によって保健室に運び込まれ手当てを受けたミア。

彼女は言葉少なにテニスコートで起きた一連の出来事を話した後、2人の視線から逃れるように無言でベッドに臥していた。

「リナちゃんが…」

話をすべて聞き終えた麻美が、口を押え親友の安否を心配する。

「………、すまなかったっす…」
「センパイを…守ることが出来なくて…」

背を向けたまま、静かに謝るミア。

「そんな…」

「そうね、あなたのせいだわ」

ぴしゃりと言い切るローザ。

「あなたが一人で動き回らなければ…私たちに協力を仰いでくれれば何とかなったかもしれない」

「先生…」

「アンタたちに何が出来たっていうんすか」

「少なくともこんな事態は防げたかもしれないわね」

ベッドからガバッと起き上がるミア。

「ふざけんじゃねぇよッ!!」
「ネーブルエナジーも使えない…戦闘能力も低いアンタらに何が…いっつ…ッ!!」

怒りを露わに叫ぶミアだったが、その拍子に腹部の傷が疼き思わず呻き声を上げる。

「クソッ、こんな傷…今までだったらすぐ直ったのに…」

腹部を両手で抑えながら苦しそうに呟くミア。

「ミアちゃん…」

思わず椅子から立ち上がり、ミアの横に寄り添うと麻美はそっと彼女のお腹の傷に手を当てた。

「ぅあ…!、せ、先輩…」

「ミアちゃん…今までずっと一人で戦ってきたんだよね」
「すぐ治るっていっても、こんな酷い傷をお腹やおへそに何度も受けながら…」

小さな子供を愛でるように、ミアのお腹を優しく撫でる麻美。



「ふぁ……」

まるでお腹全体を包み込むような優しく暖かな感触…

それまでミアを苛ませていた痛みも徐々に引いていくような感じがした。

「私…もうミアちゃんに辛い思いをさせたくない…」
「確かに私はリナちゃんやミアちゃんと違って戦う力はないけど…こうして一緒にいてあげることは出来るよ」

「!」

その言葉にわずかに表情を綻ばせるミア。

「やっぱり先輩は…昔から"変わらなかった"んすね…」

「え?」

「でも、やっぱり先輩たちを巻き込ませるわけには…いかないっす!」

そう言うとミアは自分のお腹に置かれていた麻美の手をそっと外し、ベッドから立ち上がるとそのまま扉に向かっていく。

「ミアちゃん!どこ行くの!?」

「決着を…つけにいくっす」
「このままじゃ大変なことに…!」

「待ちなさい」

扉の前に立ちふさがるローザ。

「!、…どけよ」

「その前にいくつか聞きたいことがあるわ」
「あなた…変身も出来ない上にそんなボロボロの体でどうやって戦う気?」
「その17だか18って子、相当強いんでしょう?」

「あんたの知ったことじゃねぇよ」

「ミアちゃん…!」

背後から幾分戒めるかのような口調で真美が声をかける。

「…チッ」

麻美の手前、あまり強く出ることも出来ずミアは渋々と答える。

「あぁ、このままアイツとやりあっても勝ち目は間違いなくないだろうな」
「"奥の手"を使う以外は…」

「奥の手?」

「アンチ・ネーブルエナジー」

「「え?」」

同時に声を上げる麻美とローザ。

「アタシの体に仕込まれた最後の切り札…」
「まあ最後と言っても、"この前"少し使っちまったけどよ」

「この前…?」

「センパイがあの悪趣味な化け物に変貌しちまった時に、な」

ラミアジェルによって変貌したイーヴィルリナ・イブリースとの死闘の最中…

触手がミアの臍を貫きその体内に強酸液を流し込まれんとしていたその時、彼女はその力の一端を発動させ触手を通じて逆に相手の体内に送り込む賭けに出た。

ミアによって送り込まれたアンチ・ネーブルエナジーによって、一時的にネーブルエナジーを消滅させられ体組織を維持できなくなり怯むリナ。

その隙にミアは反撃に転じ、辛くも逆転することが出来たのであった。

「だけど…この力は普通のネーブルエナジーと違って、身体能力の強化や回復能力みたいな力はない」
「ただ…"ネーブルエナジーと対消滅する"…それだけの力」

「対消滅…?」

ミアの言っている意味がいまいち飲み込めない麻美。

一方、ローザは彼女が一体何をしようとしているのかすぐに察した。

「!、まさかアナタ…」

「あぁ、"すべての元凶"であるアイツを…リナをアタシごと消す!」

それを聞いた瞬間、麻美が声を上げる。

「なんで!?なんでリナちゃんを消さないといけないの!?」

「アタシだってやりたくはなかった…出来るだけアイツを"保護"したかった…」
「だけど…もうこれしか方法がないんだ…!そうじゃないと"未来"が…!」

これ以上ない真剣な眼差しを麻美に向けるミア。

それに対し一瞬言葉が詰まる麻美だったが、しばし沈黙の後、意を決したように口を開く。

「………」
「一体あの17や24って人がリナちゃんをどうしようっていうのか私には分からない…」
「だけど…だけど"お母さん"を消しちゃおうなんて、そんなの駄目だよミアちゃん!」

「!!」

思わぬ言葉に一瞬驚愕の顔を浮かべるミア。

「アイツが…アタシの母親…?」
「…ハハッ、馬鹿言ってんじゃねぇよ。現役女子高生のアイツがどうやって同い年くらいのアタシを…」

「残念だけど…確たる証拠もあるのよね」

そう言いながら、ローザは引き出しから一つのシャーレを取り出し机の上に置いた。

シャーレの中にはわずかに黒い固まりが数粒収められている。

「それは…」

「あなたのヘソのゴマ」

「!!」

それは以前、麻美がミアのおヘソを掃除したときに採取されそのまま保管された紛れもない彼女のヘソのゴマであった。

薄々ミアの正体に勘づき始めていた麻美は、その臍ゴマと以前より収集していたリナの臍ゴマをローザの元に預けDNA鑑定を依頼していた。

「それで…調べてみたら見事に遺伝情報が半分一致していたのよね」
「正直アタシもこうして結果が出るまではとても信じられなかったわ…」

「だけど今までのミアちゃんの話を思い返すと、二人が親子というのがとてもしっくりきたんです」
「…ミアちゃん、リナちゃんに向かって"このままじゃ何も変えることが出来ない"って言ったよね?」

「………」

「それは…この先の未来を知ってるミアちゃんがそれを変えるためここにやってきた、ということじゃないの?」

「…そうね。それにさっきもアナタ、『そうじゃないと未来が…』って言ってたしね」

2人の視線がミアに注がれる。

それに対ししばらく沈黙したままのミアであったが、やがて観念したかのように口を開いた。

「ふぅ、さすがっすね先輩…」
「そう、先輩の言う通り、私はあの片瀬理奈の娘…『未亜』っす」

「!」

予想はしていたことではあったが、いざ本人の口から語られた事実に2人とも思わず固唾を飲む。

「ほ、ホントに…リナちゃんの…娘…なんだ?」

「先輩がさっき言ってたことじゃないすか…」
「それにしても…よくそんな突拍子もない想像が出来たもんすね」
「まさか未来からやってきた人間だなんて、普通思いつきもしないっすよ」

「だって…私、もう色々信じられないものばかり見てるし…」

そう言いながら、チラッとローザの方を見る麻美。

それに苦笑しながら、ローザが言う。

「まあ、私たちの世界の技術でも"時間跳躍"なんてのはまだ実現出来ていないけどね」
「…で、聞かせてもらえるのかしら?そのあなたのいた未来の話って奴を」

「…ここまで知られたんなら、別に今さら隠す理由なんてないっすよ」

ミアはベッドの方へ戻りそこに腰かけると、一呼吸を置いて静かに口を開いた。

「未来は…"地獄"だ。"アイツ"のせいで…!」



[後書き]
というわけで、ミアちゃんの正体が明らかとなりました。
どこかの星の元王子様の息子やどこかの月の王女の娘とか、息子娘が未来からやってくるのはよくある話です。

そもそもミアちゃんをデザインしていた頃は、特に彼女の立ち位置とか考えてなく、話に登場させるにあたってリナちゃんのクローンとか考えていたのですが、ふと「あ、親子にしてしまおう」と…

最近ストーリーメインでへそ責め成分が少ないですが、これも第二部クライマックスへの布石ですのでもう少しお付き合いください。

拍手[13回]


「ぅえ…?だ、誰ぇ…?」

突然現れた二人組に理奈は自分のヘソを隠すことも忘れて呆けた声で尋ねる。

「片瀬理奈、私たちと共に来て…、ッ!?」

その時、二者の間を割って入る一つの影。

「やっぱり…現れると思ったぜ」

24を睨み付けながら、着地態勢からゆっくりと立ち上がるネーブル・ミア。

だが突然のミアの乱入にも、24は平然とした様子で言い放つ。

「えぇ、それはこちらも同じです、ネーブル・ミア」
「17、あなたのお目当てが来ましたよ」

「へっへ!待ってたぜぇ、このときをよぉッ!!」

両手を打ち鳴らしながら、前に歩み出る17。

「この前会った時は、お前すっげえボロボロだったけどよ」
「今日は体調も万全だよなぁ!?」

「はっ、相手のこと心配する前にテメエのこれからのこと心配しろよ」

睨み合う二人。

そんな剣呑とした雰囲気の中、突如場違いのように抜けた声が上がる。

「ね、ねぇ、だ、誰でもいいからぁ…コレとってよ、ねぇ…」

まるで麻薬中毒者のごとく、フラフラとした歩みでミアの横から歩み出ようとする理奈。

ボゴッ!!

「ぶげぇえッッ!!??」

体の向きはそのまま、ミアが繰り出したひじ打ちが理奈の鳩尾に突き刺さる。

「お、おぅエ"エ"エ"エ"エ"エ"ッッッッッッ!!!!!!!」

その場で蹲り、吐瀉物をコートにブチまげる理奈。

「邪魔だ…引っ込んでろ」

一瞥もくれることなく、冷たい声で言い放つミア。

「随分酷いことをするものですね。彼女は貴方にとって"とても大切な人"のはずですが…?」

「ハッ、テメエらが心配することじゃ…、ッ!?」

いきなりミアの視界に17の顔がアップで映し出される。

「ハハッ!!」

17の強烈なストレートがミアの側頭部を掠める。

「そうだよなぁ!今、心配するのはテメエの身…だよなあッ!」

「チ…ッ!」

咄嗟に回避行動をとったミアだったが、右のこめかみのあたりがジンジンと痛む。

そんな彼女にすかさず17の容赦ない追撃が迫る。

「この…調子にのんなッ!!」

ただちに応戦するミア。

やがて2人の間で凄まじい打撃の応酬が繰り広げられる。

「彼女のことは頼みました、17」
「せいぜい楽しんでいてください」

壮絶なラッシュを交わす2人を他所に24はコートに蹲る理奈の元に歩み寄る。

「!、行かせる…ぅげぇッ!!」

一瞬理奈の方に気を取られた隙に、17の拳を顔面に喰らい吹き飛ばされるミア。

「よそ見してる暇なんてあんのかぁ!ミアちゃんよぉ!」

咄嗟に受け身を取り、体勢を立て直したミアは口からペッと血液交じりの唾を吐いた。

「へ、うっせえ…!」

(だけど…いつまでもコイツの相手をしてる場合じゃない…)

対峙する17の後ろで、24は理奈をそっと地面に仰向けに寝かしていた。

「片瀬理奈…私は敵ではありません」
「なぜなら、これから私が貴女のこのおヘソの装置を解除するからです」

「フぇ…?ほ、ホントぉ…?」

トロンとした目で24の顔を見る理奈。

「ええ、本当です。そうすればまたあなたは…このおヘソを弄りたい放題です」

「おい、テメエ!そいつに妙な真似したら、その装置を爆破させて…!」

大声を上げ24をけん制するミア。

だがそんな彼女に対し24は静かに言い放った。

「…出来ますか?あなたに"そんなこと"が…?」

「!」

一瞬ミアの顔に動揺が走る。

「出来るわけありませんよね、そんなこと」
「もしこの片瀬理奈が今ここで死ぬようなことがあれば、"あなたもこの世から消えてしまう"」
「そうですよね?」

「…ぐっ!」

歯噛みするミア。

「いつまで無駄口叩いてんだあッ!!」

「ごふゥあ"あ"あ"ッッッ!!!?」

気を取られた隙に17の剛腕を腹部にまともに受け、勢いそのままに吹き飛ばされるミア。

体を地面に何度か打ち付けてようやくその体が制止する。

「ぅ…く…ッ!」

お腹を片手で押さえ、フラフラとなんとか立ち上がるミア。

「お前…久々にお互い本気でやれるってのに余所見ばかりしやがって…!」
「ふざけてんのかあッ!?」

怒りを露わに向かってくる17。

(く、なんとかアイツを…)

ミアも応じるように彼女に向かって駆け出す。

「ハハッ、いいぜぇ!!そうこなくっちゃなあッ!!」

一転嬉々とした表情でその鋼鉄の左手で渾身のパンチを繰り出そうとする17。

ミアもその攻撃に合わせるようにその拳を放つ。

「テメエの腕砕いてやるぜええッッ!!!」
「…ッ!?」

拳がぶつかり合う瞬間、わずかにミアの拳が下に逸る。

そのまま彼女の衣装を削り取りながら大きく空ぶる17の一撃。

ミアはすかさず17の脇を潜り抜けると、24に向かって猛然と駆け寄っていく。

「ソイツから離れろおッッ!!!」

「!?」

怯む24に向かって渾身の拳を繰り出すミア。

だが…

「しゃらくせえことしやがって…いかせるかってんだよおオオオオ!!!!!!」

17の左腕が突然射出され、一直線にミアのもとへと迫る。

「ッ!?あぐぅッッ!!!!」

24に拳が届く寸前、右足首を掴まれそのまま前のめりに転倒するミア。

「うらあっ!!!」

17は射出された自分の左腕の根本から伸びる鋼鉄製のワイヤーを思い切り引っ張り、ミアの体を自分の元へと引き摺り寄せた。

「ぐあああああああああッッッッッ!!!!!!うがあッッ!!!!!」

17のもとへと手繰り寄せられ、そして仰向けとなったところを思い切り踏みつけられる。

「だからアタシのこと無視してんじゃ…ねぇよ!!」

グリュッ!!

「がああああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!」

内臓がつぶされんほどの圧力に苦悶の叫び声を上げるミア。

「しかし、お前に潰された代わりに付けたこの腕…結構役に立つもんだな」

「そ、そりゃ良かった、な…、げハア"ア"ッッッ!!!」

腹に深々とめり込んだ17の足によって、標本の虫のごとく地面に張り付けられ身動きできないミアの鳩尾を再び射出された左腕が打ち据える。

「ゲフ…っッ!!うげえぇッ!!!」

口から鮮血を噴き出すミア。

「ハハッ、これじゃテメエの回復能力も役に立たねぇな!!」

一方的に17がミアをいたぶっているのを他所に、仰向けになった理奈に覆いかぶさり『介抱』を始める24。



「片瀬理奈…いえ、ネーブル・リナ、あなたは今まで自分のおヘソのことばかり考えていたのでしょう?」

「う、うん…」

「だったら、今の貴女のこのおヘソの中を想像してみてください」
「こんなに汗だくになるまでテニスの練習を続けて脂質は穴に溜まり放題…内部の洗浄も不可能…一体この中はどうなっているんでしょうね?」

「あうぅ…」

理奈の耳元で甘く囁くように言葉を続ける24。

「そう、この密封されたおヘソの中では細菌・雑菌が異常繁殖し、相当"香ばしい"惨状となっていることには違いないですね…」

「ふぅえええ…」

「おヘソの皺には無数のゴマが隙間なく詰まり、そしてそれが腐食しあなたのおヘソを穢していく…」
「もうあなたのおヘソは穢れに穢れて、周囲に即座に気付かれるほどの臭気を発する"汚ヘソ"と化す…」

「あぅあああああ………」

やがて小刻みに震えはじめる理奈の体。

顔も真っ赤に紅潮し、吐息も荒くなる。

それに合わせて24もよりその体を密着させる。

「そんなになるまでおヘソを放っておくなんて…馬鹿ですね、貴女」

自分の臍に埋め込まれた半球体を理奈の臍の装置にねちっこくこすり付けるように腰をくねらせながら、侮蔑の言葉を耳元で囁く17。

「あ、あたし…汚ヘソじゃないいぃ…」

「汚ヘソじゃないですか。元からしてこんな醜悪なおヘソにゴマを限界まで詰め込むとか…貴女かわいい顔してとんでもない変態思考してますね」

「いやぁ、いやああああああああ、違う…違うのおぉぉぉぉ」

「違わないですよ」
「今もこうして私におヘソのこと侮蔑されているのにあなたの心は昂り、こんなにも顔を真っ赤にさせて高揚している…」
「何故なんですか?」

「そ、それはぁ…それはぁああああ………」

「それは?」

「それは…アタシがおヘソのことしか考えられない変態だからぁああああアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」

大音響で響き渡る理奈の叫び声。

同時に装置とヘソの縁の隙間から光が漏れ出す。

24が咄嗟に理奈の体から離れた瞬間、理奈のヘソから光柱が立つがごとく眩い閃光が噴き立った。

一瞬にて数十メートル以上も押し上げられ、そしてやがて天高いところで爆破四散するオナ禁装置。

「あ…ぁ…」

その様を唖然としながら見つめるミア。

やがて光が理奈の体を包み込み、そして彼女を純白の布地の異常に少ない"いつもの姿"へと変化させる。

「………」

虚ろな目のまま、むき出しのお腹を荒い呼吸とともに大きく上下させながら大の字に横たわるネーブル・リナ。

「残念でしたね、ネーブル・ミア」
「私たちとの決着をつけるまで、彼女のヘソを封印するつもりだったんでしょうが…」
「彼女の"ヘソに対する執着心"を侮っていたようですね」

「………、ば、か…やろう……、ホントに…お前って奴は……、お前って奴はぁあああああああああああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

17の足元で狂ったように絶叫するミア。

咄嗟に17の足を掴むと自分の腹から無理矢理引き抜き、そのまま怒りに任せ彼女の体ごと放り投げる。

「うおおおおおおッッッッッッ!!!!!!って、二度も同じ手は喰うかよッ!!」

宙に舞ったまま17は咄嗟に左腕を射出すると、その先を地面から起き上がろうとしているミアの腹部に直撃させた。

「うぐえッッ!!!!」

さらに5指を腹筋に食い込ませ、彼女の胃を締め上げる。

「ぐぶォへえええええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

強烈なストマッククローに苦悶の叫び声をまたも上げさせられるミア。

「へへ、逃さねぇっていったろ…」

「あなたにしてはいい仕事です、17」
「それでは私も"最後の仕事"に取り掛かるとしましょう」

仰向けに倒れたリナに再び覆いかぶさる24。

そして、その右手の指を怪しく蠢かせる。

「やめろぉおおおおおおお!!!!!!!!目を覚ませリナぁああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

背後から17に組み付かれ、身動きが取れないミアが叫ぶ。

だが次の瞬間、彼女は無慈悲にもリナの巨べそへとその手を突き込む。

「んぅはァアアアアアアアアアアッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

辺りに響き渡るリナの嬌声。

目を剥きだし、その口から涎をとめどなく溢れさせ、体をビクッビクッと痙攣させる。

グチュッ…グチュッ…

ヘソの奥から生々しい卑猥な音が響かせながら、文字通りリナの腹の中をまさぐる24。

「…これですね」

しばらくして彼女はリナの体内に目的の代物を見つけた。

そして"それ"を掴むと、内臓を傷つけないようにゆっくりと彼女の臍から引き抜く。

キュポ…ッ

まるで臍から引き抜かれた内臓の如く、リナの体液に染まったテニスボール大の球体。

それは…ネーブル・リナの力の源たるメタモル・ジュエルであった。

臍からジュエルが引き抜かれたことで変身が解け、再び汗まみれのテニスウェア姿に戻る理奈。

ジュエルを掴んだまま24はミアの方へと振り向いた。

「…さて、ネーブル・ミア。これを今破壊すると何が起きるか分かりますか?」

「ぐ…や、やめろ…」

「当然分かっていますよね。だからあなたは"コレ"を取り出させないためにあんな装置を彼女のヘソに取り付けた…」

「やめろ…、やめろぉ…」

「つまりこれはあなたにとっても大切なモノ…これが失われれば即ち…」

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

バキャッ!!

「ぁ…」

24の右手の上で砕け散るメタモルジュエル。

その破片がパラパラと彼女の指の間から零れ落ちる。

その瞬間、ミアは全身から力が抜けていく感覚を覚えた。

「ぅ…ぁ…、ぁ…、ち、力がぁ…、アタシの体から…力が、ぁ……」

それまで17の拘束に抵抗せんと必死に込めていた力が抜けていく。

そして彼女の衣装からまばゆい光が発せられた次の瞬間、それは光の粒子となって飛散した。

「へ、変身が…解けち…まった…」

17が抑えていた拘束を外すと、変身を解かれたミアは力なくその場にペタンと座り込んだ。



「ハッ、ハハハ…どうすんだよ…、もう…アタシ、変身出来ねぇよ…」
「どうすんだよコレ…、ハハッ、どうすんだよ…」

虚ろな目で半笑いになりながら、ぼそぼそと呟くミア。

そこにいるのは、傍若無人の如く力を思うまま振るっていた以前の彼女ではなかった。

力を失い、ただ己の今の惨状に呆然とするしかないただの一人のか弱き少女であった。

そんな彼女を見下ろす17と24。

やがて24は17に向かって言った。

「もはや彼女に戦う力は残されていません…とどめは任せます、17」

「…聞けねぇな」

17の返答に24のこめかみがピクッと反応する。

「今、何と言いました?」

「聞けねえっつてんだよ!もうコイツは前の時みたいにアタシと張り合えるほどの力は持っていねえ」
「今、そんな状態のコイツに止めを刺すなんて…目覚めが悪過ぎるぜ」

相方の返答に、24はハァと一つ溜め息を吐いた。

「…そうですか、ならば私が」

右手を抜き手状に構え、その先をミアの腹部に向ける24。

「さらばです、ネーブル・ミア」

その鋭い突きが今まさに繰り出されそうとした時…!

パシッ!

17が24の腕を掴む。

「!、これは…どういうことですか?」

「………」

「返答次第ではあなたに対しても何かしら制裁を加えなければなりませんが…」

「すまねぇ、だが今は…今はコイツを見逃してやってくれねぇか?」

「は…?」

いきなり何を言い出すのか、いつも17に振り回されている24ですらこの時は彼女の正気を疑った。

「今まで、私たちの仲間を大勢殺してきた彼女ですよ?そんなことが許されるとでも?」

「分かってる…!だから必ず私がコイツとは決着をつける…!でも今は…」

「………」

「………」

しばらく睨み合う2人。

だが、やがて24が根負けしたように言った。

「…分かりました。まあ、あなたは以前から彼女との勝敗にこだわっていましたからね」
「片瀬理奈の確保とネーブル・ミアの無力化、共に目的は達成出来たのでここで引き上げるとしましょう」
「ただし…次、彼女と会った時は…」

「あぁ、分かっている。その時は私がトドメをさす…必ずな!」

そう言いながら、倒れた理奈を担ぎ上げる17。

そして2人はコートにミアを一人残したままその場から立ち去っていった…





「ミアちゃんッ!!」

およそ3分後、テニスコートに駆けつける2人の人影…

テニスコートで何か異変があったことを察知し駆けつけたローザと麻美が見たのは、至る箇所が損傷したテニスコートと、そこに一人座り込むミアの姿であった。

「これは…」

辺りを見回すローザ。

つい先程までここで戦闘が繰り広げられていたことを示す惨状…

麻美はその中心で座り込んだままのミアのもとへと駆け寄った。

「ミアちゃん、一体何があったの!?」

「………」

呆然とした表情のまま、ミアはゆっくりと焦点の定まらない瞳を真美の方へと向けた。

「ぁ、…せ、センパイ…」

「ミアちゃん大丈夫!?一体ここで何が…?リナちゃんは?」

ミアの肩に両手を添えながら尋ねる麻美。

その瞬間、ミアの両目尻から涙が溢れ出した。

「!」

「ぅ…、ぁ…あ…あああああアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

そのまま麻美の胸元に顔を押し付けながら号泣し始めるミア。

「あ、アタシ…失敗して、…失敗しちゃって…ぅわあああああァァァァアアアアアアアアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」

涙を止めど無く溢れさせながらひたすら泣き叫ぶ…それまでの彼女からすればおよそ信じれない様相であった。

「………、ミアちゃん…」

なぜ彼女がここまで泣くのか…理由は分からない。

ただ麻美は彼女の体を優しく抱きしめることしか出来なかった



[後書き]
ついにミアちゃん敗れる!
リナちゃんも連れ去られて、完全に積み状態という奴ですね。
とにかくミアちゃん頑張れ!


>流れからしてリナorミアが捕まって手術台に仰向け四肢拘束されて徹底的にヘソ責め実験されちゃうんでしょーか

似たようなシチュは今後考えております。
ただ手術シチュは別の機会にじっくりやってみたいですね。

拍手[11回]


放課後のテニスコート…

テニス部員たちが練習に勤しんでいる中、一際練習に打ち込んでいる少女の姿があった。

「はぁッ!!」

渾身のサーブを叩き込む理奈。

「フッ!」

だが先輩部員によってそれ以上の剛球でコートに返される。

「ぅあッ!!」

リナの死角をつくショット。

だがそれでもなんとかリザーブせんと彼女は駆け出し、そして思い切り体を地面に滑り込ませる。

かろうじてラケットが届きボールをはじき返すも、その軌道は大きく外れていった。

「お、おい…大丈夫か片瀬」

地面に倒れた理奈のもとに、思わず駆け寄ってくる先輩。

「お前、練習熱心なのはいいけど、そんな無理をしてまで…」

「…大丈夫です!」

その場からウェアについた汚れをはたき落としながら立ち上がる理奈。

「まだまだ…やれます!もう一セット、お願いします!」

「あ、あぁ…」

それまで感じたことのない後輩のオーラに押されるように先輩部員は自分のコートに戻っていく。

それまでどこか抜けているような感じの彼女が、ここ最近妙に練習に力を入れるようになった。

それはそれで良いことではあったが、彼女はこの後輩にどこか病的なモノを感じ取っていた。

「い、いくぞ片瀬」

「はい!」

パァンッ!!

先輩から新たに放たれたボールを追って駆け出す理奈。

(もっと…もっと集中しなきゃ!)



「………」

そんな彼女の様子をフェンスの向こうから見つめる一人の少女…

(理奈ちゃん…)

一球一球渾身の力を込めて打ち返す理奈。

麻美はそんな彼女を少しだけ見つめた後、どこか悲しげな表情でその場から立ち去った。




ガラガラ

「………」

扉を開け保健室に入室する麻美。

「…あ、麻美ちゃん」

カーテンの向こうからローザが顔を出す。

「いいわよ、今は私しかいないから入って」

「お邪魔します」

麻美はパソコンの前に座するローザの後ろの椅子に腰かけた。

「う~ん、この前スキャンしたあの装置の中身、色々調べてみたけれど…駄目ね」
「そうそう、簡単に取り外せそうもないわコレ」

「そう、ですか…」

「大きさも深さもリナちゃんのおヘソに見事にベストフィットしてるし…だけど、微妙におヘソの底には直接触れないようになっているのよね」

パソコンに映し出されたリナの臍に取り付けられた装置のスキャン図を繁々と見つめながら喋るローザ。

「これだとまったくおヘソに刺激を与えることも出来ない…完全にリナちゃんのオナ禁用にあつらえた代物ね」
「ホントによくもこんなもの作れたもんだわ…あの馬鹿弟ならともかく」

「………」

「それで…リナちゃんの様子は?」

「クラブ活動に熱心に打ち込んでます、けど…」

「いつ壊れてもおかしくないくらいに張りつめている…ってとこかしら?」

「はい…」

ローザは椅子から立ち上がると、軽く伸びをしながら窓の外を見た。

「あの子…本当におへそ弄るのが大好きなのよね、病的なまでに」

「………」

「そんなリナちゃんもリナちゃんだけど、それを分かってて、ミアちゃんもあんなもの取り付けてくれちゃって…」
「今度会ったら承知しないんだから」

「…先生」

「ん?」

「あの…ミアちゃんって、リナちゃんのこと今まで散々虐めてましたけど、だけど本当は…彼女のことを守ろうとしていたんじゃないかって思うんです」

「…どういうこと?」

「以前リナちゃんが凄い化け物になっちゃったとき、彼女は約束通り元の姿に戻してくれました」
「そしてその後、知らない女の人が襲ってきたときも…自分も相当ボロボロだったのにも関わらず、身を犠牲にして私たちを逃がそうとしてくれました…」
「今回の件だってもしかしたら…理奈ちゃんの変身を封じて戦わせないようにしているのかもって…」

「まあ、随分好意的な受け止め方だけど…でも今回はちょっと度が過ぎるわ」

「それは…先生の言う通りです。逆に言えば彼女はリナちゃんの命さえ無事なら、どんな手段も厭わない、どれだけ傷つけようが構わない…」
「つまり彼女にとって、リナちゃんは"守るべき対象"であるとともに、"憎むべき対象"でもある…そんな気がするんです」

麻美はミアが時折リナに向ける激情の源が何なのかずっと考えていた。

まるで誰かの仇と言わんばかりの憎悪…だが、当のリナ本人はまったく心当たりがないと言っていた。

そもそも以前までまったく面識が無かった相手である。

「守るべき対象でもあり、憎むべき対象でもある…か」
「一体何者なの?彼女…」

思わずローザが呟く。

だが…麻美はこれまでのミアとのやり取り、そして先日リナに言い残していった言葉から彼女の正体について"ある推測"を立てていた。

『"アイツら"もここに現れて、もう、時間ないんスよ…』

『センパイがこのままじゃ…"何も変わらない"…"変えることも出来ない"…』

それは突拍子もない発想…だがそれこそが彼女にとって妙にしっくり来る"答え"であった。

そしてその答えに確証を得るために彼女は"あるモノ"をここに持ってきた。

"それ"をおもむろに鞄から取り出す麻美。

「…それは?」

ローザが尋ねる。

「先生…お願いがあります」




「ハァ…ッ!ハァ…ッ!ハァ…ッ!」

既に誰もいなくなったテニスコートで一人、狂ったように壁打ちを続ける少女。

テニスウェアは既に汗でドロドロになり完全に疲労困憊状態であったが、部活が終わった後も延々と理奈は繰り返していた。

これ以上続けると体が壊れてしまうかもしれない…しかしそれ以上に、何もしないでいると逆に心が壊れてしまいかねない。

何かに意識を集中していないと精神が持ちそうもない、もはや理奈の心は崩壊寸前であった。

「あ…ッ!!」

ついに体が追いつかなくなり、足がもつれその場に転倒してしまうリナ。

「う…ぅ…ッ」

痛みに呻く理奈。

その時、ふと捲れたテニスウェアの下からあの装置が目に入る。

「ぅ、う…ぅぁ…あ、あああああああああああああああッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」

その瞬間ついに限界を超え、それまで抑え込んでいた感情を爆発させるかのごとく装置を両手でひっかき回し始める理奈。

「おヘソォォッッ!!!!おヘソぉぉおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッ!!!!!!!うああああああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

周囲の皮膚が傷つくことにもおかまいなく、狂ったようにお腹の中心を掻きむしる。

既に理奈のひっかき傷でボロボロの臍周囲の皮膚。

へそオナニーを封じられ1週間…もはや彼女の精神は崩壊していた。



「誰かぁああああああああッッッッッッッ!!!!!!!誰かぁこれとってよぉぉおおおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!!お願いだからぁああああアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

テニスコートに響く理奈の悲痛な叫び。

涙をボロボロ流し、テニスコートを転げまわりながらひたすらお腹を掻きむしる彼女に一片の理性など残っていなかった。

「オナ禁も無理してやると体に毒だそうですよ」

「ッ!?」

突然コートの先から聞こえてきた女の声。

理奈が顔を上げた先に、いつの間にか2人の人影が立っていた。

「何だコイツ?なに自分の腹引っ掻いてんだ?」

白い髪にオレンジのメッシュの入った女が、理奈の意味不明の行為に訝し気に声を上げる。

「自分の最も好きな行為が出来なくなってしまったことで、ストレスが爆発してしまったんですよ」
「あなたも暴れられないとき、よくそこらのものに八つ当たりしてるでしょう?」

もう一人の眼鏡をかけたクセ毛の女性が応える。

「あ、あなたたちは…?」

「ネーブル・リナ、あなたのその鬱屈した欲望…私たちがかなえてあげましょう」



[後書き]
オナ禁生活に苦しむリナちゃんを描いてみたかったのです。
もっと気が狂った感じにしたかったんですがね…w

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戦え!へそ出し戦乙女
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