へそ出しヒロインや時々男の子がおヘソを弄られたり嬲られたりしながら頑張るイラストを載せています。基本ラフ画がメインです。感想やコメントいただけると嬉しいです!
「まったく参っちゃうね…」
一人、ルカはぼやいた。
彼の前におかれた台には、前回リナによって機能停止に追いやられたレヴィが寝かされている。
彼女の体には、ネーブルソードを突き立てられた臍部を中心として、全身に夥しい損傷を受けていた。
そんなレヴィを取り囲むように配置された様々な形状のツールが彼女の修復作業にあたっている。
「まったく修理する方の身にもなってほしいよ」
そう呟きながらルカは右手を軽く振る。
すると一つの損傷部の修復を終えたツールたちが、別の損傷部の修復を開始した。
こうしてすべてのツールを操りながらルカはレヴィの修復をすすめていた。
「ま、ここまでされるだけ"彼女"も成長したってことかな…?」
「フフ…」
自分の創りだした人形を破壊されながらも、ルカは嬉しそうだった。
「さて、"もう一人"の修復も終わる頃だし、今の内にあの子に会って来ようかな」
そう言いながらおもむろに席を立つルカ。
その背後に立つ巨大なカプセルの液体の中で、一つの影が揺らめいていた。
「グぅ…ッ!!」
腹部に走った激痛に思わずその場に座り込むローザ。
「はァ…!はァ…!うぅ…!」
手で腹部を抑えながら、顔中に汗滲ませ苦しそうに荒く息をつく。
「わ、私も…そろそろ…限界って…ことなのかしら…、ぅ…ぐ!」
先のレヴィの戦闘から日を経るごとにローザの腹部の痛みは増していっていた。
それもすべてリナのためによるものだったが、正直堪えがたいところまでローザの体は限界に来ていた。
「ぅ、ぐ…、ま、まだよ…!」
「リナちゃんが一人でも…戦えるようになるまでは…」
「!」
その時ローザは保健室の扉の外に人影が現れたことに気付いた。
ドンドン!
「先生、いますか?」
扉をノックする音につづいて声がした。
(うちの生徒、ね…)
「…いるわよ、入ってもいいわよ」
ローザの返事に応じて扉が開くと、そこには一人の女生徒がたっていた。
(あら、この子…)
ローザはその顔に見覚えがあった。
「…?」
「大丈夫ですか先生?なんだか顔色が悪いように見えますけど…?」
「大丈夫よ、何か用かしら?」
先まで激痛に悶えていたローザであったが、持ち前の精神力で人前ではおくびにも出さないように努めていた。
「あの…、これ先生のじゃないですか?」
そういうとその女生徒は小さな装飾品をローザの前に差し出した。
「これは…」
それはローザが普段から身につけているイヤリングであった。
「さっきそこの洗面台に落ちてたんです」
「確か先生がつけていたような気がして…」
確かに先ほど、ローザはその洗面台を使っていた。
痛みに気を取られ、イヤリングが落ちたことにも気づいていなかったのであろう。
「あ、ありがとうね…」
イヤリングを受け取りながら、ローザはその生徒の観察眼に少し感嘆していた。
そして思わず問いかけた。
「あなた…確かリナちゃんのお友達よね?」
「え?えぇ…そうですけど?」
「ごめんね。まだここに来たばっかりで分からないんだけど…名前は?」
「し、白石麻美です」
「麻美ちゃん、ね…」
ローザからいきなり立て続けに質問され、麻美は少しオドオドしているようだった。
そんな麻美にローザは呟くように言った。
「…リナちゃんのこと、これからもよろしくね」
「え?」
いきなりの言葉に麻美の目が丸くなる。
「…あの子って、ちょっと抜けてるところがあるでしょ?」
「そういうところをちゃんと指摘してフォローしてあげていって欲しいかな、って…」
「あ…、は、はい…」
「ごめんなさいね、いきなりこんなこと…」
「これ、ありがとうね」
イヤリングを掲げながら、ローザは麻美に向かってほほ笑んだ。
「い、いえ…!」
「そ、それじゃ失礼します…!」
少し恥ずかしくなったのか、麻美はますますオドオドしながらその場から逃げるように立ち去って行った。
突然の来訪者が立ち去り、保健室は再び静寂に包まれた。
「ああいうしっかりした子が変身してたらね…」
「うぅ…!」
抑えていた痛みが再びぶり返し、ローザの口からうめき声が漏れた。
(だけど…今更そんなこと言ってられないわ)
(リナちゃんのためにも私が…!)
保健室を出た麻美は廊下を歩きながらローザの事を考えていた。
(先生…理奈ちゃんのことをよく知っているみたいだけど、知り合いだったのかな?)
そんなことを考えながら廊下を曲がった時だった。
「やあ」
ふいに背後から声をかけられ、麻美は反射的に振り替えった。
そこには一人の少年らしき人物がいた。
(だ、誰…?)
その姿に麻美はまったく見覚えがなかった。
だがその人物は何のてらいもなく麻美に話しかける。
「リナって子を探しているんだけど何処にいるのかな?」
「り、理奈ちゃんですか?た、多分…部活の更衣室に…」
「そう、ありがとう」
「じゃ、君も一緒に行こうか?」
「え…、あ…ッ!?」
ボコッ!
一瞬自分の身に何が起きたのか理解できなかった。
腹部に何か痛みのようなものを感じたが、それを確かめる間もなく彼女の意識はそこでぷっつりと途絶えた。
「………」
「う、ぅ…」
徐々に意識がはっきりしてくる。
「こ、ここは…確か私、学校で…」
「うっ…」
腹部に痛みを覚え思わずうめく麻美。
どうやら鳩尾を激しく突かれたことで気絶していたようだった。
即座に麻美は自分のおかれた状況を確認しようと辺りを見回した。
「…!」
「り、理奈ちゃん!?」
麻美は自分の目の前に親友の理奈がいることに気づいた。
「理奈ちゃん!」
咄嗟に理奈のもとに駆け寄ろうとする麻美。
だが…
「あ、痛…!」
ガンと何かにぶつかる。
「え、な、何これ…?」
まるで見えない壁がそこにあるようだった。
麻美はその見えない壁に触れたり叩いたりしたがビクともしなかった。
「な、何なのコレ…?何でこんなところに私が…」
「理奈ちゃんッ!理奈ちゃんッ!」
大声で理奈に呼びかけるが彼女はまったくこちらのことに気づいていない。
こちらからは見えるが、相手からは何も見えないマジックミラーのようなものが二人を隔てているようだった。
「さあ、もう逃げられないよリナ?」
理奈とは別の声がし、そちらの方へと目を向ける麻美。
「あ、あの子…!」
それは先、学校で遭遇した少年であった。
ノースリーブのシャツに短パンといたくラフな格好で、さらに裾の隙間から見事なデベソをさらけだした奇妙な少年…。
何故理奈とこの少年がそこにいるのか麻美には理解できなかった。
「僕の大切なラミアとレヴィを滅茶苦茶にしてくれちゃって…少しお仕置きしようと思ってね」
「そ、それはこっちのセリフよ!何で私が一方的に狙われなきゃいけないのよ!?」
「フフ、それは自分の胸…いや、おヘソにでも聞いてみるんだね」
(おヘソ…?)
「さて、その姿のまま僕とやりあうつもりかい?」
「う…」
「心配しなくても隙をねらうような真似はしないよ」
「そういうのはお約束なんだろ?」
少年は何かを待っているようだった。
「何ならその間は見ないようにしててもいいけど?」
「でも実は誰かに"見られている"方が好きだったしてね?」
「わ、分かったわよ!」
顔を赤くさせながら理奈が言い放つ。
(理奈ちゃん…?)
2人が話している内容がさっぱり理解できない麻美。
だがその次の瞬間、彼女は驚くべき光景をみた。
「はァんッ!!」
突如理奈は自分の制服の裾を捲りあげると、そこから顔を出した巨大なヘソに自分の指を突っ込んだ。
「え…っ!?」
思わず声をあげる麻美。
理奈のヘソがあんなにも巨大で醜悪なヘソだということも衝撃だったが、さらにそこに自身の指を突っ込ませたのである。
「はァ…、フぅぅぅぅ、はあァああぁあああああ!!!!!!!」
顔を紅潮させ、目も虚ろに、口からだらしなく涎を垂らし耽る姿。
それはまさしく自慰行為であった。
「………」
麻美自身も自慰行為に耽ることはあるが、まさかヘソでここまで耽っているのは彼女にとって驚くべきことであった。
「ハアぁああンンンッッッッ!!!!!」
一際大きな声が辺りに響き、同時に理奈のヘソから光が噴き出す。
「っ!?」
その眩さに思わず目をそらす麻美。
そしてゆっくりとまた理奈の方を見なおした時、彼女はそこに信じられない光景を見た。
極端に布地の少ない白地のタンクトップとスカート、後に結わえられたライトグリーンの髪
そして見事にさらけだされた腹部、その中央に輝く六芒星…
「り、理奈ちゃん…?!」
見た目こそ先の制服姿とまったく変わっているが、それが理奈であることを麻美はすぐに理解した。
まさしく彼女は"変身"したのである。
「な、なんなの…一体…」
目の前で起きたことに茫然とするしかない麻美。
「ネーブル・ソードォ!!」
そんな友人がすぐ傍で見ていることも知らず、リナは空に手をかざし現れた自身の武器を手にすると、
少年に向かって切りかかっていった。
だが少年はよけることもなく悠然とその場に立ったままである。
そしてそのまま少年に向けてソードが振りおろされようとした瞬間、
「えっ!?」
突然ソードが宙に固定されたかのようにその場に"止まった"。
手からソードがすっぽ抜け、その勢いでヘソからエネルギーチューブも抜けてリナは地面に倒れ込んだ。
「な、なんで…!?」
「あははは、前ので分からなかったかなぁ?」
「僕は無機物であれば、自分の意のまま自在に操ることができるのさ」
「ま、俗に言う"サイコキネシス"ってやつ?」
「サ、サイコキネシス…!?」
「そ、だからこうやってね」
ルカは指で宙に固定されている剣を指すと、次にその先をリナのヘソに向けた。
「君のおへそに返してあげるよ」
「!」
リナの脳裏に前回の光景が蘇った。
自分の意思に反し、自分のヘソ奥へとめり込んでいくネーブル・ソード。
あれはこのルカという少年の仕業だったのだ。
「い、いやっ!」
リナは咄嗟にその場から逃れた。
するとその直後、リナのいた場所にソードが突き刺さる。
「惜しかったね」
「そういえば前の時、大分おへそ傷ついたんじゃない?」
「今は治ったみたいだけど、どうやって治したのかな?」
「そ、それは…」
気がついたときリナのヘソの傷は元に戻っていた。
リナもあれほどのダメージからどうやって回復したのか不思議だった。
「フフ…、まあいいや」
「また君のおヘソを無茶苦茶にしてあげるだけだからね」
「それじゃ今度はこういうのはどうだい?」
ルカがさっと手を上げる。
するとあたりにちらばっていた鉄クズが一斉に宙に浮いた。
「!?」
「これを避けきれるかな?」
ルカが手を振りおろすと共に一斉に鉄クズがリナに向かって襲いかかった。
「う、く…!きゃあっ!!」
四方八方からの襲撃に避けることもできずリナは悲鳴を上げた。
必死に両腕でガードするも完全に防ぎきることは不可能である。
「あ、うぅ…っ、痛っ!」
肩、腕、足、そしてお腹と体中の至るとこに鉄クズがぶつかり、傷つけていく。
「あぁッ!?」
いきなり頭部にぶつかってきた鉄クズに思わず態勢を崩すリナ。
その瞬間、まるで狙い済ましたかのように鉄パイプがリナの四肢に巻きつき、壁へと突き刺さると彼女の体を完全に拘束した。
「う、うぅ…!」
「はは、これでおヘソも狙い放題だね」
喜々としながらルカが言う。
そして地面に突き刺さったソードを再び宙に浮かせるとその切っ先をリナのへそに向けた。
「さ、またご自慢の武器で苦しんでもらおうかな?」
もはや逃れることも出来ないリナにとれる手段は一つしかなかった。
ヘソに力を込め、唯一自分のヘソを防護している結界の力を強める。
ルカはニヤッと笑うとソードをリナのヘソに向けて突っ込ませた。
ガキンッッ!!!!
金属同士が激しくぶつかったような衝撃音が響きわたる。
「がァうッッ!!!!」
かろうじてヘソ内部への侵入は防いだが、その衝撃は容赦なくリナのヘソへと響いた。
そしてさらに強い力でリナのへそへと押し迫る。
「うぐぐぐぐぐぐぐッッッッッッッ!!!!!!!」
リナは歯を食いしばりながら必死にヘソに力を込めた。
もしこの結界が破られれば、前回と同じ悲惨な目に合うことになる。
「へぇ、なかなか頑張るね」
「どこまで耐えられるのかな?」
さらに強い力をソードに込めるルカ。
「うぐぅっ!!!」
結界ごとヘソにめり込まんとする切っ先。
リナはとにかく一心不乱にヘソに念を込め続けた。
「うあああああああああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
渾身の力でヘソからエネルギーを解き放つリナ。
バキーン!!!!!!
その瞬間、自身のへその結界とソードが同時に砕け散った。
「…ホント凄いね、君は」
その様を見て感嘆の声をあげるルカ。
(彼女のあのおヘソから生じる爆発力"だけ"は本当に凄いんだけどね…)
一方のリナはハアハアと苦しそうに息をついていた。
手足は拘束されたままで依然ピンチであることには変わりはない。
さらに結界も消え、今度は弱点のヘソも完全にさらされてしまっている。
「それじゃちょっと君にご褒美をあげようかな?」
「ダーツってやったことがあるかい?」
ふいにルカはそういうと、どこからか針を出し手にとった。
「こうやって的をよく狙って…それ!」
ダーツを投げるような仕草でルカは針をリナに放った。
「はう…っ!」
ルカの手から放たれた針は一直線、リナの巨べそを構成する一つの肉片へと突き刺さった。
「あ~、ちょっと外れたかな?」
「君のおへそって皺が放射線状になっててまるで的みたいだね、ハハ!」
喜々として次の針をリナに向けて放つルカ。
「んあッ!」
またも別の肉片に突き刺さる針。
そのままルカは次々と針をリナのへそに放ち続けた。
「んっ!あッ!くぅぅッ!!ふあああああんッッッ!!!!!」
針が突き刺さるたびにリナの体が震え、そして理性を奪っていく。
「………」
その様子をただ固唾をのんで見つめるしかない麻美。
やがて10本近い針がリナのへそに突き立てられた。
「はァーっ!、はァーっ!、はァーっ!」
肩で大きく息をしながら、紅潮しきった顔で喘ぐリナ。
そしてもどかしそうに身体をくねらせた。
「うーん、なかなか中心に刺さらないなぁ」
「そろそろやめようかな?」
「や、らめえッ!!」
「やめないでぇッッ!!!」
思わず叫ぶリナ。
「り、理奈ちゃん…!?」
その言葉に麻美は驚いた。
自分を傷つける攻撃を"止めるな"などと言い出すとはどういうことなのであろうか。
だがルカはニヤつきながら、まるでその言葉を待っていたかのように答えた。
「何?もっとおヘソを傷つけて欲しいって?」
「まったくとんでもないドMべソだね」
「お、お願いィィ…こ、これじゃ…い、イケないのォ…、イケそうだけどイケないのォ!!」
(な、何を言ってるの理奈ちゃん…!?)
麻美には理奈が何を言ってるのか理解できなかった。
ヘソにもっと針を突き刺して欲しいと懇願する理奈。
それは麻美の知っている内気な友人の姿とはかけ離れたものだった。
「しょうがないなぁ」
「それじゃ君が僕の言う言葉を叫んでくれたらまたコレを刺してあげるよ」
「いう、言うからぁぁ…!」
「"私はこんなに大きくて汚いおへそをした変態です"」
「"三度の飯よりおへそオナニーが大好きなド変態です"」
「"もっと私のおへそを虐めてください"ってね」
「私はこんなに大きくて汚いおへそをした変態ですぅ!!」
「三度の飯よりおへそオナニーが大好きなド変態ですぅ!!!」
「もっと…もっともっともっと私のおへそを虐めてええええええええええ!!!!!!!!!!」
間髪いれずリナは大声を張り上げ叫んだ。
「………」
もはや言葉もない麻美。
「フフ、えらいねリナちゃん」
「それじゃご褒美をあげようか」
そういうとルカはパチンと指を鳴らした。
ガシャーン!!!
突然ルカの背後の空間が割れる。
「きゃあッ!!」
「え…っ!?」
その空間から放り出されるように飛び出す一つの人影。
それはなんと理奈の友人の麻美であった。
「う、うぅ…」
「ま、麻美…?」
先ほどまでの昂ぶりが一気に冷める。
自分のこんな姿を初めて、しかも一番仲のいい友人に見られてしまった…。
「感動のご対面、かな?」
もう一度指を鳴らすと、リナの体を拘束していた鉄パイプと、ヘソに突き刺さっていた針が引き抜かれる。
「う、ン…ッッ!!」
思わずヘソを手で抑えるリナ。
それでも麻美のことが気になり、すぐに彼女の方へと顔を見やった。
麻美も自分の方を見つめている。
だがその目はいつも理奈を見る目とは違っていた。
「………」
「ま、麻美ちゃん…、あの…これはね…」
そう言いながら麻美の方へと歩み寄ろうとするリナ。
「来ないでッ!!」
「ッ!?」
リナの身体が硬直する。
その言葉はどんな武器よりも鋭く深くリナへと突き刺さった。
「………」
麻美はリナから顔を背けると、そのままその場から逃げるように立ち去って行った。
「………、ぁ…………」
「あ~あ、まさか彼女に見られていたなんてね」
「あんなとこ見られてどうしようか、リナちゃん?」
ワザとらしく声をかけるルカ。
だがその言葉すらリナの頭には届いてなかった。
茫然自失のままリナはその場に立ち尽くしかなかった…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんなわけで、ついに友人に性癖ばれちゃいました
精神的にもこれから追い詰めていきますので…w
さて、次回ではついにあの2人が一緒に…
>一番やばかった(当然良いほうの意味)です!!
ありがとうございます。
前も書きましたが希望のあったシチュは出来るだけ応えていくつもりですので…
リナちゃんにはこれからも頑張って耐えたり耐えきれなかったりしてもらいますw
人目のつかない廃工場跡…、そこにネーブル・リナはいた。
目の前には以前、自分が完敗を喫したあのアンドロイドの少女が立っている。
「ネーブル・リナ、今度こそあなたを"破壊"し、ジュエルを奪還します」
「………」
相変わらずの無表情で、だが自分を威嚇するように真っ直ぐ見据えてくるレヴィの威圧に、
リナは気圧されそうになりながらもその場から逃れないよう必死に自分を奮い立たせていた。
(だ、大丈夫…、ローザとあれだけの特訓をやってきたんだから…、大丈夫…!)
ドガッ!!
「きゃあぅっ!!」
腹部を突かれ、その勢いのまま背中から壁に叩きつけられる理奈。
そしてそのままズルズルと壁を伝って崩れ落ちた。
「ハァ…、ハァ…、ハァ…、ぅ、ぐ…っ!」
汗を滲ませながら苦しそうに息を荒げる理奈。
その手には竹刀が握られていた。
「ほら、立って理奈ちゃん!そんなところでヘソ出して喘いでる場合じゃないわよ」
同じく竹刀を持ったローザが理奈に向けて言い放つ。
「あ、あなたが…こ、これを…着せたんでしょ…」
今、理奈はローザと共に学校の剣道場にいた。
どういう手段を使ったのかローザが貸し切ったらしく、
先からずっと2人でここに篭もったまま立ち合いをつづけている。
ローザ曰く前回リナを完膚なきまで叩きのめしたレヴィへ対抗するための特訓らしいのだが…
「だっていつものリナちゃんみたいにおヘソ丸出しじゃないと実戦さながらにならないでしょ?」
「そのためにその特注体操服、用意したんだから」
理奈が着ているのは学校の体操服だったが、
通常のものと違い自分のお腹を大きくさらけ出すよう改造されていた。
裾が大幅に切り詰められて、あの巨べそが見事に堂々とさらけ出されている。
この剣道場に連れてこられて、いきなりローザから無理矢理着させられたのだった。
「フフフ、なかなか似合ってるわぁ、その体操服」
「これから体育の時は全部それで出てもらおうかしら?」
「!、そ、そんなのいや…、はぁんっ!」
ローザの言葉に咄嗟に反応した理奈だったがその瞬間、
ヘソに生じた快感に思わずあられもない喘ぎ声を上げてしまう。
見るとむき出しになったリナのヘソの中心に、
なにやら小さな円筒形状の物体が埋め込まれている。
ヘソ出し体操服を着させられた後、
さらにローザによってヘソに埋め込まれた代物であった。
この状態のまま剣道で立ち合うというのがローザの特訓なのだが、
先からこのヘソに埋め込まれた物体の異物感が半端ない。
とてもまともに戦えるはずもなく、事あるごとにヘソに快感が走り、
その度にローザに竹刀で無防備な腹を打たれ突かれ、
今や理奈のむき出しの腹は傷だらけになっていた。
「まったく…でも今のアナタにはこの方法しかないのよ」
「ほら、立って!」
「………、いや…」
「え?」
理奈が呟いた言葉に思わず聞き返すローザ。
「もう、イヤって言ってるのッ!!」
今度ははっきりと言い放つ理奈。
「こんな特訓何の役に立つって言うのよッ!?」
「私にこんな格好させて、おへそにこんなものまで入れて…ただ私を虐めたいだけじゃないの!?」
理奈には珍しく怒りの声だった。
「それは…私なりにあなたを守るための…」
「だったらローザが直接戦えばいいじゃない!!」
「だって私より強いんでしょ!?私とこのおヘソが大好きなんでしょ!?」
「あなたがあのロボットの子を倒せばいいじゃないッ!!」
まるで堰を切ったように次々と溢れ出してくる言葉。
そんな激した理奈を見るのはローザにとって初めてのことだった。
「だって私…もう私…あんな怖い目に…会いたく…ないのに…ッ!」
「う、うぅ…ぐす…っ!!」
俯いて泣き出してしまう理奈。
前回の戦いでリナのどんな攻撃も意に介することなく、
ただ淡々と追い詰めてくるレヴィに理奈は恐怖感を覚えてしまっていた。
理奈の心に巣食った恐怖心、これが今後の彼女の戦いに大きな障害となっていた。
だがこの恐怖心を克服するためにもリナはこの特訓を乗り越えなければならない。
涙をボロボロ流し泣きじゃくる理奈を、ローザはしばらく無言で見ていた。
「………」
ふと竹刀を置くと、ローザは自分の着ているブラウスのボタンをおもむろに外し始めた。
そしてすべてのボタンを外し終えると、理奈に声をかけた。
「見て、リナちゃん…」
ローザの声にゆっくりと顔を上げる理奈。
「え…!?」
そこに彼女は信じられないものを見た。
「ネーブル・リナ、仕掛けてこないのですか?」
レヴィに声をかけられハッとするリナ。
(い、いけない、私ったら…戦いの時に…)
「べ、別に…!そっちから仕掛けてくればいいじゃない…!」
気圧されながらも言い返すリナ。
レヴィはわざと相手から仕掛けてくるように促し、
相手の挙動を見てから最適な反撃方法をとってくると、ローザに言われた。
確かに前回は自分からがむしゃらに攻撃を仕掛けたことが敗因の一つであった。
「そうですか、ならば仕掛けさせてもらいます」
そういうとレヴィは一気にリナに向けて駆け寄ってくる。
思わず後ずさりそうになるリナだったが踏みとどまる。
パワーと精密攻撃なら右に出るものはいないレヴィだが、
スピードは落ち着いてみればリナでも見切れる。
これもローザから言われたことだった。
自分の腹めがけて、拳を打ち込んでくるレヴィ。
「!」
喰らえば間違いなく戦闘能力を奪われてしまう威力であろうが、
リナは体を回しながら寸でそれを避ける。
その挙動にレヴィは少なからず意をつかれたようだった。
(今だッ!!)
リナはヘソに力を入れながら、自分の右手に念を込めた。
その瞬間、リナのヘソと右手が同時に発光する。
「ネーブルソードッッ!!」
振り向きざまにレヴィに向けて一閃が放たれる。
「!?」
咄嗟に身をかわすレヴィ。
だがまったく計算外の攻撃を完全にかわすことは敵わなかった。
「………、ぐ…」
ガクッと初めて片膝をつくレヴィ。
手で押さえられた腹部にはリナの放った斬撃による傷がつけられていた。
「や、やった…!」
思わず歓喜の声を上げるリナ。
その手にはリナの新たなる武器『ネーブル・ソード』が握られていた。
リナの衣装と同様に白のベースに金色の装飾、
切っ先には鋭利なクリスタルが装着された50cmほどの剣。
それはこのレヴィ戦における切り札として、ローザが考案したものだった。
さらにネーブルソードの柄尻からはチューブが伸びており、
その先はリナのヘソへと繋がっていた。
まるでヘソの緒の如くリナのヘソとソードを繋げるこのチューブによって、
リナのネーブルエナジーが直接ソードに送り込まれその威力は大幅に向上する。
リナのネーブルエナジーが高まれば高まるほどソードの威力も高まり、
まさにリナのために作られた武器であった。
「あの武器はデータにない。だが…」
喜びも束の間、スクッと立ち上がったレヴィを見てリナは身構えた。
「分析完了」
再びレヴィはリナに向かっくる。
リナは先と同様、繰り出される攻撃に合わせてカウンターを仕掛けようとしていた。
そしてレヴィの一撃がリナに放たれようとした時だった。
「!、………え?」
自分の目の前で突然レヴィの動きがピタッと止まる。
当然攻撃を仕掛けてくるものと思い込んでいたリナは、
このレヴィの挙動に一瞬呆気をとられた。
だがその瞬間をレヴィは逃さなかった。
「かかりましたね」
気を取られたリナの隙をつき、
レヴィは素早くネーブルソードを持ったリナの手首を掴みそのまま背後に回りこんだ。
「い、痛っ!?」
手首を極められたことで、思わずソードを落としてしまうリナ。
さらにレヴィはもう一方の手でリナのヘソから伸びるチューブを掴むとそれを一気に引きちぎった。
「あっ!?」
「私の外装に傷をつけるほどの威力、確かに脅威すべきものですが、
こうしてエネルギー供給を断ってしまえば何の問題もありません」
「そして…」
すかさずレヴィはリナの無防備となったヘソに自分の中指を突きたて、
さらに他の指でガシッとリナのへそ周りの肉を掴み込んだ。
「あぐぅっ!!ぐ…ぐあああああああああッッッッッッッッッ!!!!!」
ヘソ奥に指を突きこまれる痛みと
ストマッククローの如く腹肉を握りつぶされる痛みが同時にリナを襲う。
そしてさらに…
「はがあッ!!な、なに…、あ、熱ッ!?」
リナのヘソと腹を嬲るレヴィの手が突然熱を持ち、一気に耐え切れないほどの灼熱の熱さとなった。
「加熱開始」
前回リナのヘソを凍結させたのとは逆に、今度は手から超高熱をリナのヘソに浴びせるレヴィ。
ジュウウウウウウウ!!!!!!!!
「アギャアアアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!」
リナのへそから肉が焦げる匂いと煙が上がる。
ヘソを嬲られながら灼かれる痛みはこれまで受けてきたへそ責めの中でも相当なものであった。
必死にこの地獄の責めから逃れようとするも、
背後から手首、そして腹肉ごとがっしりと掴まれ、脱出は完全に不可能だった。
「お、おへぞ焼げぢゃう"う"う"う"う"う"う"ぅぅぅぅッッッッッ!!!!!!
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッ!!!!!!!」
容赦なく無慈悲に灼かれていくリナのヘソ。
だがリナは泣き叫ぶしかなかった。
せっかくローザとの特訓を経て敵に対抗できる新たな力を得たのに、
前回と同様ヘソを嬲られながら敗れていく…。
(やっぱり…私じゃ駄目だったんだ…)
灼熱の激痛に苦しみながら、リナの心の中にはそんな諦めの心境が生まれてきていた。
(今まで色んな人におへそ責められて…でもここまで頑張った方かな…)
(もう…いいよね…、ローザ…)
リナの意識が遠くなっていこうとした瞬間…
「リナちゃんッッ!!」
自分の名を呼ぶ声にハッとしたと同時に、
いきなり何かの液体が自分の腹とレヴィの手に浴びせかけられた。
「!?」
「こ、これは…液体窒素!?」
「グッ!?」
リナの腹肉を掴んでいた手に液体を浴びせられたレヴィが苦悶の声を上げた。
反射的に掴んでいたリナの腹肉を放す。
ベリッ!
「あぎゃぁッッッッ!!!!!!!」
焦げ付いたリナの腹肉やへその中身の皮膚が一気に引き剥がされたことで、
リナの腹部に凄まじい激痛が走る。
「あ、が…、グぅ…ッ」
その痛みに腹を押さえ込みその場に倒れてしまうリナ。
「左手機能…75%低下…機能回復まで5分13秒…」
一方のレヴィも手首を片方の手で押さえたままその場で蹲ってしまった。
高熱まで熱していた手に突然、低温の液体窒素を浴びせられたことが原因だった。
その隙を狙って飛び出してきたローザは、リナの下へと駆け寄った。
「リナちゃん、大丈夫!?」
「あ、あ"…、お、おへそが、い、痛いィ…!」
見ると、リナのヘソは周りの腹肉ごと皮膚下の繊維組織まで焼き爛れ、
見るに耐えないほど痛々しいものとなっていた。
「!、こんなにされちゃって…、こっちよ」
リナを担ぎ上げるとローザは一旦その場から退却した。
廃工場の別のスペース…
ローザは台にリナをゆっくりと仰向けに寝かせた。
「おへそがぁ、おへそが痛いよぉ…」
目に涙を浮かべ弱々しい声でリナが訴えかける。
「分かってる。分かってるわリナちゃん」
やさしくなだめる様にローザは言った。
(だけどあの子が機能回復してここにやってくるまでそう時間もない…)
「仕方…ないわね」
ローザは意を決したように呟くと、自分の上着の裾をめくり上げた。
「リナちゃん、ちょっと荒療治だけど…我慢してね」
「ネーブル・リナ、捕捉」
腕の機能も取りもどし再びリナを追い始めたレヴィは
即座に対象を見つけ出し彼女のいるスペースへと踏み込んだ。
「………」
そのスペースの真ん中にはリナは立っていた。
先ほどあれだけ蹂躙されたお腹は、完全ではないが傷口が塞がり原形も取りもどしていた。
物陰に隠れたローザがリナに声をかける。
「も、もう…相手に余計な反撃をさせるわけには…いかないわ」
「勝負は…一瞬で決めるのよリナちゃん…!」
こくんと頷くとリナは手にもったネーブルソードを強く握り締めた。
「いきます、ネーブル・リナ」
一気に自分との距離をつめようと駆け寄ってくるレヴィ。
それに応じてリナも駆け出した。
「自分の力を信じて…ッ!リナちゃんッ!!」
「はあああああああああ!!!!!!!!!!」
リナは渾身の力を込めてレヴィに向けてソードの切っ先を突きこんだ。
「回避する」
真正面から放たれた突きを避けるのはレヴィにとって造作もないはずのこと…だった。
ドガッ!!
「!???????」
初めてレヴィの顔に驚愕の表情が浮かぶ。
避けたはずのネーブルソードの切っ先が、
なんと自分の腹部、ヘソのリフレクターに突き刺さったのである。
「今よ!リナちゃんッ!!」
その声と同時に、リナは自分のヘソを自らソードの柄尻へと押し込んだ。
「ああんッッッ!!」
柄尻がリナの敏感なヘソ皺に押し付けられたことで、
リナのオーガズムは瞬く間に頂点に向けて駆け上がっていく。
「ふあああああああああああッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
そして頂点に達すると同時にリナのヘソ奥からエネルギーの奔流が沸き起こり、
ネーブルソードの柄尻から剣を伝って切っ先の宝石に集束され、レヴィのヘソへと直に注ぎ込まれた。
「Gaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!」
ソードを介してネーブルバーストの威力そのまますべて、
ヘソという一点に喰らったことで、さしものレヴィも絶叫を上げる。
前回いとも簡単に吸収したネーブルバーストのエネルギーも、
これだけ一点に集束されると吸収は不可能だったのである。
「が、ア…」
ひとしきりのエネルギーをヘソに流し込まれたレヴィはそのまま後ろへドサッと倒れた。
体の至る部分が機能不全を起こし、スパークと共に煙が上がっていた。
「ダ、だめージ…キョよウはンい…トッぱ…き、キのウかいフく、ふ、フか…の…う…」
己の受けたダメージを分析するレヴィだったが、
誰がどうみても再起することは不可能と思われる惨状だった。
「ハァ…、ハァ…、ハァ…、や、やった…の?」
己の力全てを出し切ったリナ。
あれだけ自分を苦しめた相手をようやく打ち倒せたことに、
リナはようやく安堵感とそして達成感を覚えた。
「リ、リナちゃん、まだ喜ぶのは早いわ…その子に止めを…!」
相手はロボットである。
中枢回路が無事である以上、損傷した部分を修復すればまたリナの前に立ちはだかる。
「そ、その子の中枢回路は…おヘソの奥に…埋め込まれているわ」
「ネーブルソードで、ちゅ、中枢回路を…完全に破壊するのよ」
「分かったわ…」
ローザに言われたとおり、リナは地面に倒れたまま動かないレヴィのもとに歩み寄る。
そしてソードを逆手に持ち替えると、それをグッと振り上げた。
「………」
仰向けになったまま微動だにしないレヴィを見つめるリナ。
相手は自分の命ともいえるジュエルを狙う敵だが、
こうして無残な姿を曝して倒れているのを見ると、
リナの心に憐憫の感情が少なからず沸き起こる。
「リナちゃん…!」
「…分かってるわ」
既に必殺の一撃によってズタズタになったレヴィのヘソ目掛けて、
リナは思い切りソードを振り下ろした。
ズボォッッッッッ!!!!!!!
「がはァッッッッッッ!!!!!!!!」
周囲に響き渡る吐き出すような苦悶の声。
その声を発したのはレヴィではなく、なんと剣を振り下ろしたリナ自身であった。
「ちょ、ちょっと…あんた何してんのっ!?」
思わず声を荒げるローザ。
しかしリナ自身、何が起きたか理解することが出来なかった。
確かなのはネーブルソードの先端がレヴィではなく自分のヘソに突き刺さっていることだった。
「が、あ…ッ!ぐあ、ァ…」
自分は確かにソードをレヴィのヘソ目掛けて振り下ろしたつもりだった。
だがその切っ先は突然リナの意志に反し、自分のヘソ目掛けて突き刺さったのである。
そしてさらにソード自身が意志をもったかのように、
それはリナのヘソ奥に向かって突き進もうとしていた。
「うごォ…、お、ォゥ…」
腹の奥から搾り出したような呻き声がリナの口から漏れる。
「ば、馬鹿じゃないのアンタッ!?こんな時に自分のおヘソ虐めて…ッ!?」
傍目から見ていたローザにはリナが自慰行為に耽っているようにしか見えなかった。
「ち、ちが…ッ!か、勝手に…おヘソに…ッ!!ごぼォ!!」
見えない力がさらにソードの先を自分のヘソ奥深くに押し込む。
リナは両手で必死にヘソからソードを抜き取ろうとするも、
それ以上に凄まじい力がかかっているのか、1ミリもソードを引き抜くことが出来なかった。
その惨状を見てローザもようやく何か異常事態が起きている事に気づいた。
(リ、リナちゃんとは違う、何か別の力が…リナちゃんのおヘソに…?)
「まさか…!」
その時であった。
「ハハハ、やっぱり面白いね、君って!」
背後から突然聞こえた声にローザは間髪入れず振り返った。
そこにはいつの間にか一人の少年が立っていた。
ノースリーブのシャツに短パンというラフな格好に青い髪…
一見すればまるで女の子とも見間違えそうな様相だったが、
唯一異様なのがシャツの裾から覗く腹部である。
そこに本来窪みがあるはず部分に、異様な大きさの肉片が顔を出している。
それはさながら巨大なでべそであった。
このでべそを恥ずるどころか堂々とさらけだした少年のことをローザはよく知っていた。
「ル、ルカ…なんであんたがここに…?」
ルカと呼ばれた少年はその問いに軽く笑いながら言い放った。
「僕が送り出したレヴィがやられちゃったから、回収しに来ただけじゃん?」
「ついでに僕のレヴィをこんなにしてくれたから、その子にも仕返ししようってね」
そういうとルカは自分のデベソを指で突っついた。
するとリナのヘソに突き刺さったソードがさらにヘソ奥に向けて突き込まれる。
「おごォォォォッッッ!!!!????」
呻き声と共に、腹を強く圧迫されたことで胃の内容物まで溢れ出しその口から垂れ落ちる。
このままではリナの命が危ういことは明白だった。
「や、やめなさいルカッ!このままじゃリナちゃんのおヘソが…!」
「アハハハ、やめるもなにも昔"姉さん"がよくやってたじゃん」
「その子のヘソをヒールで楽しそうに踏んづけてたりさ?」
「そ、それは…!」
言葉に詰まるローザ。
確かに以前は自分もリナのヘソを徹底的に狙い苛め続けてきた。
ローザがリナの元に来た時、彼女から相当警戒されていたのも当然であるほどに…。
「で、でも私は…リナちゃんがこんなに苦しむ様を見るのは嫌なのよ!」
「これ以上、あんたがリナちゃんを虐めるというのなら…!」
「…そんな怖い目で見ないでよ、姉さん」
「ま、今日はレヴィも連れて帰らないといけないしね、このくらいにしとくよ」
「………」
無言で睨みつけるローザなど意に介することもなくルカは倒れたレヴィのもとへ歩み寄った。
「あ~ぁ、こんなにされちゃって…」
「…モ、申しワケ…ァ、アリませ…ン…、マ、マすター…」
言語中枢も障害を受けたのか、息も絶え絶えのように呟くレヴィ。
「いいよ、すぐに直してあげるし」
そしてルカはローザたちの方へ振り向いた。
「今日はこれで引き上げるけど、また今度その子のおヘソを"壊し"に行くからさ」
「じゃあね、姉さん、そしておヘソに夢中なリナちゃん」
そういうとルカは撤退用のゲートを呼び出し、満身創痍のレヴィをその奥へと送り込む。
そして自分自身もそこに入り込もうとする矢先、ふいにローザの方へと振り向いた。
「あ、姉さんはもうあんまり無理しないほうがいいんじゃないの?」
「もう立っているだけもつらそうだしさ」
「!」
その言葉に動揺の意を隠せないローザ。
「ま、"残りの命"でせいぜい僕を楽しませてよね、姉さん?」
そう言い残すとルカもゲートの奥へと姿を消していった。
ルカとレヴィが消え去った跡を見つめながらローザは呟いた。
「ルカ…」
バタッ!
その時、ふいにローザの後ろで人が倒れる音がした。
「!」
「リナちゃん!?」
振り向くと、そこには白目をむき、口から泡を吹きながら、倒れ伏したリナの姿があった。
ルカが撤退すると同時にヘソ奥に進攻するソードも止まったが、
既に半分以上がリナのヘソ奥にめり込んでおり体が耐え切れなくなったのである。
強敵は倒せたものの、
これから戦いがますます苛烈になっていくのをローザは感じられずにいられなかった。
「え?理奈ちゃん?ここには来てないけど…」
「そ、そうですか…」
保健室、ローザは理奈を見舞いに来たという同級生の対応をしていた。
しかし何か話がかみ合っていない。
彼女は理奈が保健室に運ばれたというのだが、
ローザがいた保健室に理奈は来ていないのだ。
「理奈ちゃん…どこにいっちゃったんだろう?」
何かただことならぬ雰囲気を感じ取ったローザ。
「…?」
「一体何があったの?」
今は使われていない旧校舎…
その廊下に鳴り響く一つの足音。
「………」
ほんの先ほど理奈とテニスで対峙していたレミと名乗る少女…
その腕にはテニスウェア姿の理奈が抱きかかえられていた。
「う…ぅ…」
お腹の痛みがまだ引いてるのか苦しそうに呻いている。
「熱センサー、周囲に生命体の反応なし」
すると抱きかかえていた理奈を不意にその場にドサッと落とすレミ。
「あぁ…ッ!ぐうぅ…」
床に打ち付けられた痛みから、立ち上がることも出来ずそのまま倒れたままの理奈。
その様子を無感情に、しかし見下すように見つめるレミ。
そして彼女は口を開いた。
「本名『片瀬理奈』」
「しかし臍帯部への自慰行為によりオーガズムに達した時、変身し『ネーブル・リナ』となる」
「!?」
「な、なんでそれを…!」
いきなり自分の正体を明かされ驚愕する理奈。
「偽装解除」
そう呟くと同時にいきなり彼女の体を覆っていたテニスウェアが四散した。
そしてその全身に光のラインが走り、やがて新たな姿が現れる。
胸からお腹まで大きく切り開かれた黒いレオタードのようなスーツ、
体の各部に取り付けられた機械的なパーツ、
そして背後に弛む銀色の髪。
「これが私の本当の姿です」
「あ、あなたは…!?」
「Robot-Electric-Variable-Individual、マスターからは『レヴィ』と呼ばれています」
「ローザやラミアと同じ、あなたと敵対する者です」
「そ、そんな…!?」
いきなりの事実を突きつけられ驚愕する理奈。
さっき初めて出会ったとはいえ、共にテニスをしていた相手がまさか自分の敵だったのである。
「な、なんで…私のところへ…」
「あなたの腹部に内蔵されたメタモル・ジュエルを奪還しにきました」
「!」
理奈は痛みをこらえ咄嗟に立ち上がると、レヴィと距離をとった。
「あ、あなたもこの前の子みたいに普通の人間じゃないの…?」
「そうです。私はアンドロイド、マスターによって造り出されました」
「ア、アンドロイド!?」
先の触手娘に続いて、今度はロボットが自分を襲いに来た。
もはや何が起こっても驚かないつもりだったが、また理奈は驚愕せざるをえなかった。
それに先から気にかかる言葉がある。
(マスターって一体…?そのマスターというのが、彼女たちのボスなの?)
「リナ、早く変身してください。今のあなたに勝ち目は百に一つもありません」
「え…?」
突然の言葉に理奈は驚いた。
「マスターからはあなたが変身した状態で倒すように仰せつかっています」
「あなたがその状態である間は私から手は出しません」
(ど、どういうことなの…?)
「片瀬理奈、変身するのです。あなたはどんな状況でも自慰行為に浸れるはずです」
「な…!」
思わぬ発言に顔を真っ赤にさせる理奈。
「だ、誰からそんなこと聞いたのよ!?」
「私のメモリーにそうインプットされていただけです」
「あなたは、臍帯部を己の指や突起物で刺激することで過剰なアドレナリンを放出」
「通常の自慰行為は性器を刺激することが定例とされていますが、あなたの場合…」
「それ以上、言わないでぇッ!!」
淡々とした口調で自分の性癖を語るレヴィの言を、顔を真っ赤にさせた理奈が遮った。
「分かったわよ!ここでオナニーして変身すればいいんでしょう!?」
理奈は自分のテニスウェアの裾を捲り上げ、
そこから顔を出したいつもの巨べそに自分の指を突きたてた。
「はあゥんッッ!!!!」
ビクンっと理奈の体が仰け反る。
(はァッ、な、なにこれ…、いつもと感じが…違っ…)
いつものヘソオナニーの感触と何かが違うことに理奈は一瞬戸惑った。
(い、いつものお臍の皺に、つ、爪を差し込んだだけで…ッ、こ、こんな…ッッ!!)
いつもであれば臍の中でも
一番感じる皺を激しくしごく事でオーガズムを感じていく理奈だったが、
それ以前に皺に触れただけで、すぐにでも達しそうだった。
(だ、だめぇ…ッ!!こんなに早くイっちゃあ、だめえええええええええッッッッッッッッッ!!!!!!!)
理奈のヘソから光が噴出し、彼女の体を包み込む。
その一部始終をレヴィは無表情に見つめていた。
(臍帯部に指を挿入して変身まで4秒コンマ98…対象者の臍帯部内部の分析完了)
「はあ、はあ、はあ…」
変身を果たし大きく肩で息を吐くネーブル・リナ。
(ロ、ローザのあの変な薬のせいだ…)
(あれで私のおヘソがおかしくなっちゃったんだ…)
昨日、ローザがリナのへそに注入した注射器の薬。
リナがいつもより早く達してしまったのは、その薬のせいであることは明らかだった。
(こ、こんなすぐにイッちゃったら私…、オナニーする度に変身しちゃう…!)
変身する時以外のヘソオナニーは変身するギリギリ手前でやめていたリナだったが、
これでは日常的にヘソオナニーすることも出来なくなってしまう。
「変身を果たしましたねネーブル・リナ」
「!」
レヴィの言葉にハッとするリナ。
「これより戦闘モードに移行します」
(そ、そうだ。今は彼女をなんとかしないと…!)
リナは本来の使命を思い出すと、レヴィに向かって駆け出した。
「やああああああッッッ!!!!」
レヴィの腹部めがけてパンチを放つリナ。
バスッ!!
「う、く…ッ!」
うめき声を上げたのはリナだった。
レヴィは直立のまま平然とリナのパンチを腹で受け止めている。
「無駄ですネーブル・リナ、あなたの身体能力は先のテニスゲームで分析しました」
「あなたの膂力では私の外装にダメージを与えることは出来ません」
「く…、だったら何度でも打ってやるわ…ッ!!」
続けさまに左右交互にレヴィの腹部にパンチを打ち込んでいくリナ。
だがレヴィの腹部は僅かに凹むだけで、まったくダメージを与えられている様子はなかった。
「ハア、ハア、ハア…」
徐々に息が上がってくるリナ。
そして何十発目かのパンチを打ち込もうとした時、そのパンチがふいにレヴィによって受け止められた。
「!?」
「こちらから仕掛けさせていただきます」
レヴィはすばやくリナのもう片方の腕も掴むと、グイッと万歳させるように高く引き伸ばした。
そしてリナの腕をパッと離すと、流れるような動きでリナの胴に両腕で抱きついた。
「あ…ッ、ちょ、ちょっと…ッ!!」
レヴィにベアハッグをかけられる体勢となったリナ。
咄嗟に引き剥がそうとするが、レヴィの両腕はがっちりとリナの胴に巻きついておりビクともしない。
直後、凄まじい圧力がリナの背骨と肋骨を襲った。
「く、ぐうぅ…ッッ!!があああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
まるで万力に胴体を締め付けられているような凄まじい圧力に、リナは悲痛な叫び声を上げた。
ギリギリと軋む音をたて、リナの体までもが悲鳴を上げる。
(ぐ、ぁ…ッ!!こ、このままじゃ…体がもたな…、がはあァッ!!!)
さらに強い圧力が加えられ、リナの口からうめき声が漏れる。
このまま体をへし折られてしまうのではないか、そんな思いが過ぎるも今のリナにはどうしようもなかった。
「ぁ、が…ッ、ぐ…ぅ…」
意識も朦朧としてきたときだった。
「ぇ…?」
ふいに自分の胴体に巻きついてたレヴィの両腕が外れる。
そのまま崩れ落ちながらも自分の体へかけられていた圧力から解放され、一瞬安堵するリナ。
だがその刹那、さらなる衝撃が彼女を襲った。
ドゴォッッ!!!
「ぐブぉおおおおッッッッ!!!!???」
リナの腹部、ヘソめがけ高速で突き込まれたレヴィの突き。
まさに一閃と呼ぶに相応しい一撃は、
ベアハッグにて抵抗力を失ったリナの腹部に腕の根元までめり込み、
彼女にこの上ない痛烈なダメージを与えた。
「うごアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その衝撃はリナの体を後ろへ吹き飛ばし、
さらには教室の壁を何枚も突き破ってようやく止まるほどの威力だった。
「う、ぐ…、ごホぉっ!!」
口から血の塊を吐き出すリナ。
ヘソ内部は結界のおかげで致命的なダメージは避けられたものの、
その衝撃は既に彼女をほとんど戦闘不能状態へと追い込むほどのものであった。
全身から疼く激痛、そして手刀が突きこまれたお腹の中では
今でもこみ上げるような熱い衝撃が渦巻いている。
「ぅぐ、ぐああああああああああああッッッッッッ!!!!!!!」
苦痛にお腹を両手で押さえながら床を転げまわるリナ。
お腹の中で渦巻く痛みは到底耐え切れるものではなく、今なお彼女の体にダメージを与え続けていた。
しかし彼女は自分に苦痛を癒す間もないことを思い知らされる。
止め処もなく溢れる涙で滲む視界に、レヴィがゆっくりとこちらに近づいてきている姿が入ったのだ。
「………」
あの無表情な顔で、しかしリナの方をじっと見つめながらゆっくりと歩み寄るレヴィ。
「い、いや…、いやああああああああッッッッッッッ!!!!!!!」
その姿に思わず叫び声を上げるリナ。
リナは変身するようになってから、この時初めて『死の恐怖』を感じた。
今まで戦ってきた相手からは感じたことのない感情…
ローザは自分を痛めつけることを好んでいたが、殺すという感情は微塵も無かった。
ラミアの時は触手でヘソを責められ、その間ただ激痛に苦しんでいただけである。
しかしこのレヴィは違う。
ただ任務を遂行するだけ、前の2人と違ってまったく感情が感じられない分、
その恐怖感がそのまま伝わってくるのである。
リナにとって今やこのアンドロイドの少女は死神のように見えていた。
「いやァッ!!こっちに来ないでぇぇぇッッッ!!!」
恐怖に怯えきった目で震えるリナ。
ガクガクと体を震わせ、さらにはスカートの裾からにじみ出る液体…。
もはやその様は見るに耐えないほど、清楚なヒロインからかけ離れた有様だった。
「ネーブル・リナ」
「ひ…っ!」
レヴィに自分の名前を呼ばれるだけでビクッと体を震わせるリナ。
「あなたにはまだあるはずです。最後の切り札が…」
「え…?」
「あ!」
ハッとするリナ。
(そ、そうだ…!私にはまだアレがある!アレだったら…!)
わずかに差し込んだ希望の光、リナはその最後の希望にかけてヨロヨロっと立ち上がった。
もはや立っていることさえままならない状態だったが、それでも倒れまいと必死に足を踏みしめるリナ。
「そ、そう、私には…コレがある…コレでッ!!」
リナは思い切り自分のヘソ目掛けて指を突きたてた。
「フぅアアアッッッ!!!!!」
ビクンっと体を仰け反らせるリナ。
そしてがむしゃらに指で自分のヘソをしごき始めた。
「フゥうううううううう、はあああああアアアアアアぁアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!」
必死に一心不乱に自分のヘソの中をかき回すリナ。
その乱暴な指使いは中の肉片を傷つけ血を滲み出させていたが、
構わずリナはただひたすらに指を激しく動かした。
(もっと…!もっと…!これじゃあの子を倒すことは出来ないッ!!)
もはやリナのオーガズムは頂点に達していたが、
それでも彼女はイきそうになる感覚を抑え続けながらヘソを弄り続けていた。
(おへそ…ッ!おへそ…ッ!おへそ…ッ!
おへそォォッッッッッッッ!!!!!!!!)
「ふあああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
絶叫と共にリナのヘソ穴から凄まじい勢いで光が噴き出す。
それはこれまで見たことのないほど巨大な閃光であった。
そしてその巨大な閃光はレヴィ目掛けて降り注がれる。
「ネーブル・バースト…インプットされたデータよりも凄まじい計測値が算出されている」
「だが対処可能だ」
レヴィは両手を自分のむき出しのヘソの両脇に添えると、グッとへそ穴を広げるように引き延ばした。
「リフレクター展開」
するとレヴィのヘソ穴の奥から、クリスタル状の物体が現れた。
「吸引開始」
今まさにレヴィの全身に降り注がんする光の奔流。
ドカアアアアアアアアンンンンンンッッッッッッ!!!!
凄まじい埃と破片を巻き上げ、レヴィのいた一帯が爆発した。
「………」
「や、やった…」
その様を見て、安堵からガクッと床に膝をつくリナ。
だがそれは一抹の感傷に過ぎなかった。
「え…?」
煙の中からゆっくりと現れる一つの人影。
それはなんとネーブル・バーストの直撃を喰らった筈のレヴィであった。
「そ、そんな…」
目の前の信じられない光景に驚愕するリナ。
「ネーブル・バースト、確かに凄まじい威力ですがこの私であれば十分対処可能です」
「その威力はすべてこのリフレクターに取り込みました」
レヴィはそう言いながら自分のヘソ穴に埋め込まれたクリスタルに目をやった。
「う、うそ…」
もはや渾身の必殺技まで封じられ、茫然自失状態のリナ。
「ネーブル・リナ、己の必殺技をその身で受けてもらいます」
「エネルギー集束開始」
リフレクターに溜め込まれたエネルギーが充填されていく。
「ファイア」
彼女の言葉と共に、へそのリフレクターから放たれる閃光。
その閃光は凄まじいエネルギーの奔流となってリナの体を包み込んだ。
「う、あぁ…」
「ああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
光の奔流の中にリナの体は消えていった。
旧校舎の教室だったその場所は当たり一面瓦礫の山と化していた。
一部では火すら上がっている状態である。
「………」
無言で自分の足元を見下ろすレヴィ。
その視点の先には、まるで物言わぬ人形のように倒れたリナの姿があった。
衣装のほとんどを吹き飛ばされ、全裸に近い状態で放り出された彼女の体。
その全身には痛々しいほどの傷と痣が無数に刻み込まれていた。
もはや息をしているのかどうかすら怪しい状態である。
「ネーブル・リナ、戦闘不能状態確認」
「これよりジュエル摘出作業に移る」
レヴィは倒れたリナの下に膝をつくと、もはやかばうものも無いそのヘソへと自分の右手の指を差し込んだ。
「冷却開始」
レヴィの指の先に仕込まれた噴出機から、冷凍ガスがリナのヘソに吹き込まれる。
瞬く間にリナのヘソは凍りついていき、さらにヘソ周囲の筋組織まで凍りつかせていった。
しかしそれでもリナはまったく何も反応を示さなかった。
「………」
リナのお腹のほとんどが凍りついたのを確認し、もう片方の腕を差し出すレヴィ。
するとその腕の根元が高速回転を始めた。
ギュルルルルルルルッッッッッッッ!!!!!!
呻りを上げながら高速回転するレヴィの左腕はさながらドリルのようであった。
「ネーブル・リナ、これであなたの機能をすべて停止させます」
リナのへそから差し込んでいた指を引き抜くと、
レヴィは高速回転した腕をリナの凍りついたヘソにゆっくりと近づけていく。
何が起こっているのかすらも分からず、ただなされるがままのリナ。
もはやリナの敗北が決定的であったその時、
バシュッ!!
「!?」
突如、レヴィに飛び掛る一つの人影。
レヴィは寸でそれをかわした。
「! お前は…!?」
レヴィとリナの間に割って入った一つの影。
それはローザであった。
「まったく私の可愛いリナちゃんをこんなにいたぶってくれちゃって…!」
「ローザ…、私には理解できません」
「何故あなたはマスターを裏切ったのですか?」
「…機械人形のアンタには理解できないことよ」
「ならばあなたも排除します」
一気にローザの下まで詰め寄ったレヴィは彼女に向けてパンチを放った。
それを両腕で受け止めるローザ。
「く、相変わらずの馬鹿力ね、あんたは!」
「………」
だがその時レヴィはあることに気づいた。
(………計器の故障なのか?)
(彼女の体からは…)
「お、おい、なんだこれは!?」
「火も出てるぞ!誰か消火器持って来いッ!!」
突然、外から聞こえてきた声に動きを止めるレヴィ。
「どうやら騒ぎをかけつけて、ここの先生たちがやってきたようね」
「どうする?まだやるのかしら?」
「………撤退する」
レヴィはさっと身を翻すと、瞬く間にその場から引き上げていった。
「ふぅ…、さて私たちも早くズラからないとね」
ローザはボロボロになったリナの体を抱きかかえると、誰にも気づかれぬようそこから立ち去った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大変お待たせいたしました。ようやく本番?をお見せすることが出来ました。
待機期間が長かった分、レヴィには完膚なきまでリナちゃんをいたぶってもらいましたが、
ラミアちゃんのときといい新キャラが出るたびに彼女死にかけてますねw
ベアハッグとかへそ責めには関係ないけど、リョナラーとしては一度やってみたかった責めですw
それにしてもローザ先生もホント便利キャラに落ち着きましたねぇw
まあそのために裏切らせたようなもんですけどw
さて必殺技も封じられ、一体どうするのかリナちゃん?
まあ必殺技封じとなれば、次に来る話は当然"アレ"ですよね?
「はあ…」
テニスコートの端で理奈は大きなため息をついた。
今は部活の時間であり、彼女はユニフォームのテニスウェア姿であった。
「どうしたの理奈ちゃん?」
隣にいた同級生から声をかけられる。
「あ…!な、なんでもないよ」
「そう、でもなんか元気ないよ?顔色も良くないみたいだし…」
ほんの昨日、保健室であんな出来事があったことを同級生は当然知らない。
今でもヘソに注射機の針が刺さった瞬間の感覚が残っているような感じだった。
「保健室に行った方がいいんじゃ…?」
「だ、大丈夫だって、はは…」
(その保健室が問題なんだけど…)
「おい、片瀬!」
「は、はい!」
突然先輩から声をかけられ、慌てて返事をする理奈。
するとその先輩の隣に見慣れない顔の少女がいた。
「………」
(まるで…人形みたい…)
感情がまったく読み取れない無表情なその少女に対し、理奈は思わずそんな風に感じた。
「こいつ、ウチに入部したいってらしいんだ。テニスの経験はあるらしいから、お前一回試合してみろ」
「えっ!?わ、私がですか…?」
いきなり初対面の人間と試合をしろ、といわれて気がひける理奈。
「お前、いつもそうやって怖気づいてるから、試合に勝てないんだよ」
「そこそこ腕はあるのにな」
「う…」
「だからこういうときにお前も慣れといた方がいいだろ?な?」
「わ、分かりました…」
理奈は渋々ながらも了解した。
そして間もなく一つのコートに2人の少女が対峙していた。
「あ、あの…よろしくお願いします…」
「え、と…」
「…レミといいます」
「よ、よろしくお願いしますレミさん」
ペコリと頭を下げる理奈。
「………」
レミもそれに合わせて軽く頭を下げる。
「よろしく頼みます、『片瀬理奈』」
(え…?)
相手が自分の名前を呼んだことに少し驚く理奈。
先に先輩から名前を教えられていたのかも知れないが、何か違和感のようなものを感じた。
それを確認する間もなく、レミと名乗った少女は踵を返し自分の位置へと向かっていく。
理奈もハッとあわてて自分の位置へと向かった。
そしてお互い位置につく。
「ラブオール!」
審判役の先輩が試合開始の声をあげる。
(まずは私から…)
サーバーの理奈は手に取ったボールを強く握った。
(そうよ、今まで変身して命がけで戦ってきたことに比べたら、こんな試合なんて…)
理奈は腹を括ると、ボールを空高く放り上げた。
「んぅ…!」
パァンッ!!
トスされたボールはしかと理奈のラケットで叩きつけられ、レミのサービスコートに放たれた。
その一部始終の動きを、レミはずっと目で追いかけていた。
(対角68.7度、入射角35.5度、速度116.7km/h、ジュエル位置確認、対応する)
理奈が放ったボールに対し、レミはまるで計算尽くされたかのような挙動でそれを自分のラケットで跳ね返した。
パコオォッッ!!
一段と乾いた音がコートに響き渡る。
「え…?」
一瞬、何が起きたか理奈は理解できなかった。
相手が放ってきたボールを跳ね返そうとしていたつもりだったのだが、そのボールがまったく見えなかった。
そしてすぐさま自分の腹部に痛みを感じ、そこに目を下ろした時それはあった。
レミが打ち返したボールは一直線、理奈の腹へとめり込んでいたのだ。
「あ、ァ…」
そのままぺたんとコートに尻餅をつく理奈。
「り、理奈ちゃんッ!?」
「おい、大丈夫か片瀬ッ!?」
試合を見ていた同級生と先輩から、同時に声が上がる。
「…、あ、だ、大丈夫です…」
理奈はしばらく呆然と自分の腹にめり込んだボールを見つめていたが、その声にハッとし返事をした。
「大丈夫ですか、片瀬理奈?」
いつのまにか理奈の元に駆け寄ってきたレミが、理奈に対し詫びの言葉と共にゆっくりと手を差し出した。
「あ、ありがとう…」
応じて理奈も手を差し出すが、その手がレミの手に触れた瞬間だった。
(!、冷たい…?)
常人の体温とは思えないような感触に驚く理奈。
「申し訳ありません。つい力が入ってしまいました」
「怪我はないですか?特に腹部など衝撃が凄かったと思いますが」
「あ、だ、大丈夫…、こ、こうみえてもお腹鍛えてるから…はは…」
ウェアの上からお腹をポンポンと叩いて、なんとも無いという風に装う理奈。
痣や傷が出来てないか服を捲り上げられて確認されようなものなら、それこそ理奈にとって一大事である。
「そうですか、ならば問題ありませんが」
レミはそういうとまたツカツカと自分のコートに戻っていった。
(本当に…変わった子ね)
理奈はレミに対しまた違和感を感じたが、それ以上の疑念を持つことは無かった。
「理奈、本当に大丈夫だな?試合を続けられるんだな?」
「はい、大丈夫です…!」
理奈は再びボールを手に握り締めるとそれを空高く放り投げた。
「はぁッ!」
「ゲーム、ウォンバイ片瀬理奈、カウントワントゥラヴ!」
1ゲーム目は理奈の勝利で終了した。
最初にお腹にボールがあたるというハプニングがあったものの、その後なんとか勝つことが出来たのだ。
「や、やった…!」
汗だくになりながらも、勝利した喜びをかみ締める理奈。
「へぇ、なかなかやるじゃないか片瀬」
先輩も感心したような声を上げる。
「だがあのレミって奴も動きは多少ぎこちないが、時々凄い玉打ってきてたしな…。なかなか有望な新人かもな」
そのレミはというと、負けたものの汗一つかかず相変わらず無表情な顔でいた。
(ネーブル・リナこと片瀬理奈。運動能力解析完了…)
コートチェンジを終え、次にサーバーとなったレミはボールを手にとった。
理奈はラケットを構えて真剣な表情で待ち構えている。
(ネーブル・リナ、あなたにこの玉は反応しきれません)
空に高く舞い上げられるボール。
バコオォォッッンン!!!!!
その場にいた誰もが聞いたことのないような音がコートに響き渡った。
直後に衝突音と理奈のくぐもった声があがる。
ガシャアアアアアアアアンンンンン!!!!!!!!!
「ガふぅッッッ!!!!」
すべては一瞬の出来事だった。
レミの放ったボールは凄まじい勢いで理奈のお腹に直撃し、さらに信じられないことにそのまま理奈の体を後ろのフェンスに叩きつけたのだ。
「あ、ァ…、ぐうぅ…」
理奈の口から苦しそうなうめき声が漏れる。
地面に落ちることなく、理奈の腹に深くめり込んだままのテニスボールがその衝撃を何よりも物語っていた。
「「………」」
先輩も同級生もたった今起こったことが理解できず、ただ呆然としたまま立ち尽くしている。
ただ一人、レミのみがその様相を何事も無かったかのように見つめていた。
(ファーストフェーズ完了。セカンドフェーズに移行する…)
アンドロイド子登場編その1です。まずは軽くお腹を嬲ってもらいましたw
テニスウェアでボールがお腹にあたるというシチュを前々からやりたかったもので…w
>拍手コメ
ヤワでない責めは「セカンドフェーズ」で発揮されますw
まずはお腹を柔らかくしてからということで…
>ナベラペ さん
ヘソ責めといえば注射、注射といえばヘソ責めという定番アイテムですからね(今私が考えた)
中身がなんだったのかということについては、正直あまり深く考えていませんが、あとあと明らかにしたいと思っとります。
ローザは保健室にてペンを回しながら退屈と遊んでいた。
「あ~あ、保健の先生ってのも意外と退屈ねぇ~」
「ここの生徒のおヘソ観察も飽きたし…」
保健医という立場を濫用して(?)、ローザは保健室を訪れる女学生達のおヘソを観察し、これは…という形やゴマだらけのヘソをチェックしていた。
「私もすっかりあの子のせいでヘソフェチになっちゃったわねぇ」
「ま、でもやっぱりあの子のヘソに敵う子なんていないけど」
「でもそのリナちゃんが全然ここに来てくれないのよねぇ~」
ローザが深いため息をついたその時であった。
突如、ドアをノックする音がなった。
「はぁい、どうぞ~」
気の抜けた返事をするローザだったが、扉を開けて入ってきた人物を見るや否や彼女のテンションは一気に上がった。
「リナちゃぁんっ!!」
飛び上がらんとする勢いで出迎えるローザ。
「どうして今まで来てくれなかったの~!私も一応あなたの事考えて積極的に出なかったから、あなたがここに来てくれるのずっと待ってたのよ~!」
「そ、それは…私、部活やってるし…、今日は雨で休みだったからそれで…」
神妙な顔つきのまま答える理奈。
そして後ろで扉をゆっくりと閉めると、ローザの顔を真正面から見すえて言った。
「ローザ…あなた、何でここに来たの?」
正直に一番知りたいことだった。
「ん~、リナちゃんとリナちゃんのおヘソが大好きだから!」
「ふざけないでっ!」
理奈には珍しく怒ったような口調だった。
「あなたのことだから、きっと保健医の先生として私の学校に潜り込んで、隙を見ておヘソの水晶奪おうとしているんでしょ!」
「あなたのことだから…って酷い言い草ねぇ。先のラミアちゃんの時、あなたを助けたのは誰だったかしら?」
「そ、それは…、あなたが自分の手柄にしたかったから…」
「それじゃわざわざあの子から奪ったジュエルをあなたのおヘソに戻したりしないでしょう?あなたなんかほっといてジュエルと私の力であの子を倒しちゃえば良かったんだから」
「う…、で、でも…」
何か言おうとするもローザのもっともな意見に反論できない理奈。
「ま、安心して頂戴。もうあなたのおヘソからジュエルを奪ったりしないわ。もしそうだったらもっと早くやってるし」
「………」
理奈は目を伏せて完全に沈黙してしまった。
「ところでリナちゃん?最近風邪とかひいてない?」
いきなりのローザからの質問に理奈は「は?」という顔をした。
「な、何よ突然…」
「何よって、私ここの保健医なんですけど…。生徒の体の調子を聞いたって別におかしくないでしょう?」
「で、どうなの?熱っぽいとか、咳が止まらないとか、ついおヘソを弄りたくなっちゃうとか…」
「さ、最後のは関係ないでしょっ!?別に風邪なんかひいてないわよ!いたって健康よッ!」
またもローザのペースに、顔を真っ赤にして答える理奈。
「そう、それじゃあ予防接種しましょうか!」
「はあッ!?」
理奈の口からそっくりそのままの言葉が飛び出す。
「な、何で風邪もひいてないのに予防接種とかしなくちゃいけないのよ!?」
「気にしない、気にしない、すぐに終わるから…」
そういうと共にローザは音も無くスーッと理奈に近づいてきた。
(う…!)
ふと本能的に自分の身に危機が迫ってる事を察知した理奈。
彼女は咄嗟に扉へと駆け寄り、そこから一刻も早く外に出ようとドアノブに手を掛けた。
その瞬間…
バリッ!
「きゃぁうッ!!」
理奈の掌から全身に向かって凄まじい電流が走った。
頭の中が一瞬で真っ白となり、気を失った理奈はそのままバタリと扉の前で倒れてしまった。
その様子の一部始終を見ていたローザは、手に隠し持ったスイッチと倒れた理奈を見て、いかにも「計画通り」という顔でほくそ笑んでいた。
「フフ、こっそりドアノブにこのスイッチで電流が走るように細工しておいたのよねぇ」
「いつでもどこでも理奈ちゃんが来てもいいようにね、フフフフ…」
まったくもってとんでもない保健医である。
「………」
(う…)
深い意識の底からゆっくりと目を覚ます理奈。
一瞬のことで何があったかよく覚えていないが、自分は気を失っていたのだという自覚はあった。
そして次に自分の今、置かれた状況を確認しようとした時…
(…、えッ!?)
理奈は思わず声を上げたが、それは明確な音として発せられなかった。
理奈は自分の口に何かがつめられていることを知った。
どうやら形から判断するにギャグボールの類のようである。
さらに何か台のようなものに乗せられ、手足をX字型に拘束されている。
(ちょ、ちょっとどうなってんのよコレッ!?)
目を白黒させながら周囲を見回す理奈の視界にある人物の姿が入った。
「はぁい、おはようリナちゃん」
それは紛れも無くローザの姿であった。
台に拘束されたリナの姿を楽しそうに眺めている。
このような真似をしたのが誰なのか、理奈はすぐに理解した。
「ん~!ん~!」
必死にローザに何かを訴えかけようとする理奈だったが、ボールギャグのせいで不明瞭な声にしかならない。
「んふ、その格好なかなかソソるわねぇ~」
「手足は縛られ、声も出せない、しかもおヘソもさらけ出されて、リナちゃん絶体絶命の大ピンチって感じ?」
まるで楽しくてしょうがないといった体でローザが喋る。
理奈からは自分の胸が邪魔して見えないが、理奈のブラウスのお腹辺りのボタンはすべて外され、理奈最大の弱点であるヘソは見事に無防備にさらけ出されていた。
(ま、まさか…ローザ、私のおヘソを…!)
今更ながら理奈は激しく後悔した。一人でのうのうとローザが待ち受ける保健室に入り込んでしまったことに。
彼女のことだから、理奈をはめる罠の一つや二つ用意していてもおかしくなかったのだ。
(馬鹿!私の馬鹿…!)
後悔の念に苛まれ、今にも泣き出しそうな理奈を見て、ローザは気持ち悪いくらい優しい声で喋りかけた。
「あらぁ、勘違いしないでリナちゃん。さっきも言ったけど本当にあなたのジュエルを取る気なんてないのよぉ?」
「ただ私はリナちゃんに予防接種をうけて欲しくてこんなことをしているだけなのぉ。ほぉら、すぐに終わるから」
そういいながらローザはある器具を手にとった。
その器具を見た瞬間、リナの顔は蒼白となった。
(ちゅ、注射器!?)
理奈の脳裏に浮かぶイメージは一つしかなかった。
(あ、あの注射器を私のおヘソに…ッ!?い、いやぁッ!!)
「んーッ!んーッ!」
理奈は必死に体をくねらせたり、首を振り回したりしながら抵抗の意を示した。
「あらぁ、リナちゃんお注射嫌いだったかしらぁ?」
「でも大丈夫よぉ、リナちゃんの一番気持ちのいいところに刺してあげるからぁ…」
もはや疑う余地は無かった。
ローザは確実に自分のヘソに注射器を刺そうとしている…!
さらに注射器の中には何か液体が入っているようだが、それが本当にローザの言うとおり予防接種液なのかどうか甚だ疑わしい。
「さあ、それじゃ体の力を抜いて…」
そういいながら自分の体の横にやってくるローザ。
そしてその手に持った注射器の先端をリナのヘソに向ける。
「んーッ!んんーッ!!」
必死に抵抗する理奈であったが、拘束具は完全だった。
「ほらぁ、そんなにおヘソに力入れてると痛くなっちゃうわよ?」
優しい言葉をかけながらもその顔は完全に悪魔の笑みなローザ保健医。
注射器の先端をゆっくりと理奈のヘソへと近づけてくる。
「んんーッ!!ん、んんーッッ!!!!」
(やめてぇぇぇぇッッ!!!!!私のおヘソォ!おヘソォォォォ!!!!!!!)
もはや完全に理奈は泣き出してしまっていた。
目と口かせの隙間から、あられもなく液体を溢れさせている。
「んふ、か、可愛いわぁ…」
当の本人の心情など他所に、必死に悶える理奈を恍惚とした表情で見つめるローザ。
「それじゃ、刺すわね」
(いやぁッ!!!!!イヤぁぁぁぁぁッッッッ!!!!!!!)
…プス
「~~~~~~~~~ッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
理奈の意識はまたもフェードアウトした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
えー、前回、次はあのアンドロイド子の出番とか言っときながら、こんな話でスイマセンw
理奈とローザのお医者さんごっこを急にやりたくなったもので番外編ということで。
まあこういったお戯れがやりたくて、ローザ姉さんを寝返らせたというのもあるんですがねw
しかし次からはこんなヤワな責めでは済みませんので覚悟しておいてください(リナちゃん的な意味で)
>拍手コメント
感想ありがとうございます。
ローザさんの立ち位置としては、ヒーローものでよくある最初は敵だったけど途中で味方になる悪役の人ですw
あと変身ヒロインものでよく出てくる淫獣的なポジションも兼ねてますw
リナちゃんには戦闘をサポートしてくれる淫獣がいませんしね。
アンドロイド子の責め方についてはほぼ決まっていますので、
ご希望の責め方をうまく取り入れられるか正直微妙なところですが、
出来なかった際にはまた別の回でやるようにいたしますので…
リナちゃんはどうあっても責めから逃れられないということでw