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へそ出しヒロインや時々男の子がおヘソを弄られたり嬲られたりしながら頑張るイラストを載せています。基本ラフ画がメインです。感想やコメントいただけると嬉しいです!

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「ブ、ブルーッ!?」

海岸にそびえ立つ巨大エレメリアン。

全身に生えた夥しい数の触手、甲殻で覆われた一対の巨大な腕、一際長く伸びた頭部、そしてその体から滴り落ちるジェル状の物質。

その胴体中央部に埋め込まれるように彼女は捕らわれていた。

「そ、そう…じ…」

テイルレッド達の姿を認めて、衰弱しきった表情で呟くブルー。

「待ってろ今助けてやるからな!」
「行くぞイエロー!」

「はい!」

「フフフ…」

「「!?」」

レッド達が挑みかからんとしたその矢先、聞こえてくる笑い声。

「だ、誰だ!?」

「レッド、あそこに!」

「!?」

巨大エレメリアンの肩に全身に白いローブを纏った人影。

「よく来てくれたわね、赤と黄のツインテールの戦士」

「お前は…!?」

「私のことより…あなた達にこのエレメリアンのことを教えてあげましょう」

「なに!?」

「この子は人体の"ある一箇所"の部位に異様な執着を持つエレメリアンたちが融合して出来た、いわば"合成エレメリアン"…」

「合成エレメリアン!?」

明らかに面妖な人物…だがレッドもイエローも妖美なその声に聞き入っていた。

「もともと彼らは個別にテイルブルーに挑み、敗れ去っていったエレメリアンたち…」
「だけど私は、一人一人敗れる度に彼らの魂を回収し続けた」

「そ、そんなことが可能なのか…!?」

「もちろん、通常であればあなた達に敗れ去ったエレメリアンはそこで爆破四散して、はい、おしまい」
「だけど私は常に彼らをモニターしていたから、敗れ去った瞬間その魂を即座に回収出来たのよね」
「そしてある程度数がそろったところで、私は兼ねてから温めていた実験を始めた」

「実験?」

「そう、同じ属性を持つ者たちを一つにすれば強力なエレメリアンを創り出せるんじゃないかってね」

「ッ!?」

「エレメリアンを…創り出すだと!?」

「あら、エレメリアンは精神生命体…不可能な話ではないでしょう?」
「そして現に、ここにそのエレメリアンがいる…」

「!」

「そうね、可憐な少女が醜悪な化け物に創りかえられてしまった神話になぞらえて…『スキュラギルティ』とでも命名しようかしら?」

「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!」」」」

呼応するかのように雄たけびをあげる合成エレメリアン、スキュラギルティ。

「名前なんかどうでもいい!ブルーをそこから解放しろ!!」

「フフフ、彼女は彼らにとっての中枢部…」
「そう簡単に解放できるはずもないわ」

「うるさいッ!!」

咄嗟にブルーに向かって突進するレッド。

「ブルー、今助けて…、ッ!?」

一瞬目の前を黒い影が過ぎったと思った瞬間、腹部に走る衝撃。

「うっぶッ!!ごぉえぇええッッッ!!!!」

レッドの腹部にめり込む巨大な甲殻で覆われた腕。

それはスキュラギルティが放った神速の一撃だった。

「げハぁッ!!」

そのまま浜に打ち付けられるレッド。

「レッド!!」

咄嗟にレッドのもとへ駆け寄るイエロー。

彼女を抱きかかえると、すぐさま敵と距離を取る。

「レッド!大丈夫ですか!?」

「う…ぐ…、な、なんとか…」

テイルギアの防護があるとはいえ、凄まじい威力のパンチに自分のお腹を抑えながら呻くテイルレッド。

「フフフ、言ったでしょう?」

「!」

見上げるレッドとイエロー。

「"彼ら"は絶対に彼女を手放しはしないわ」

「い、一体…ブルーの"何"にそこまで…」

「知りたい?」

『!』

通信機ごしに反応するトゥアール。

思わずそれを遮ろうとするより先に彼女は口を開いた。

「"おヘソ"よ」

「………ヘソ?」

ポカンとする2人。

「そう、お腹の真ん中に付いたアレよ」
「この合成エレメリアンの素体となったものたちは、皆彼女のおヘソに執心していたのよ」

「う、うぅ…いやぁ…それ以上…言わないでぇ…」

ブルーの呻き声が上がる。

「ブルー!」

「フフ、おヘソ拡げられて皺一つ一つを念入りに探られたり、デベソにされて引っ張られちゃったり、無理矢理拡げられたり…散々な目に合ってきたのよ彼女」

「いやぁ…いやぁ!」

今まで必死に隠してきた恥事を一番聞かれたくない相手に赤裸々に明かされ、胸が張り裂けんばかりの愛香。

「そ、そんなことが…」

自分達の知らないところで、繰り広げられていた愛香の受難。

「おヘソ一つにここまで執着する彼らのことが面白いからマークしていたんだけど…実験は大成功ね」
「さぁて、思う存分彼女のオヘソを弄って暴れて頂戴」

「いやぁ…これ以上おヘソを…うヒィッ!??」

自分のヘソを走った悪寒に悲鳴を上げる愛香。

見ると、自分のヘソに無数の極細の触手が侵入している。

皺の一つ一つをなぞる様に中心に向かって張り巡らされ、そしてその割れ目を大きく拡げられた。



「い、いやああッ!!いやああああああああッッッッッッッ!!!!!!!」

ブンブンと首を振り回し泣き叫ぶ愛香。

皆に…総二に見られてる前でおヘソを弄られている…

それは愛香にとって羞恥の極みとも言える行為であった。

『愛香さん…』

愛香の人知れぬ苦闘を唯一知るトゥアールは一人沈痛な面持ちを浮かべていた。

「くそっ!イエロー、早くブルーを助け出すぞッ!!」

「は、はいッ!!」

『気を付けてください!あの合成エレメリアンは複数のエレメリアンの能力を全て持っていると考えられます!』
『神速のパンチを放つマンティスシュリンプギルティ、毒の触手を持ったシーアネモネギルティ、弾力と粘液で攻撃を無効化してしまうランプレイギルティ、そして驚異の再生能力を持つヒドロゾアギルティです!』

「後半に行けば行くほど厄介な能力だな…!」

『しかしそんな彼らを一つに繋ぎ止めている"コア"さえ除去してしまえば、間違いなく倒せるはずです!』

「そのコアが愛香ってわけだな!」

『はい、一刻も早く彼女を解放してあげてください!』

「分かった!」

まずは相手が放ってくる神速の攻撃を避けなければ懐に飛び込めない。

レッドは躊躇なくフォーラーチェインの使用を決めた。

「プログレスバレッターッ!!」

レッドの元に召喚される強化アイテム、そしてそれをすかさず装着する。

「テイルレッド、フォーラーチェインッ!!」

超高速を誇るフォーラーチェイン・フォームへと姿を変えたレッド。

「一気にアイツの攻撃をかいくぐってブルーの元まで辿りつくッ!」
「援護を頼む!」

「分かりましたわッ!」

この強化形態を維持できるのはわずか22秒。

レッドは一気にスキュラギルティに向かって突っ込んだ。

再び繰り出される神速のパンチ。

「!、見えるッ!!」

先ほどはモロに喰らってしまったが、今度は迫るパンチの動きを見切り必殺技を放つ。

「グランドッブレイザァアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

ドッゴォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!

見事甲殻腕を粉砕するも、今度は無数の触手が迫り来る。

「くっ!!」

だが目の前で次々と弾けていく触手。

「ハアアアアアアッッッッッッ!!!!!!」

地上に残ったイエローから放たれる弾幕が次々と触手網を粉砕していく。

「助かるッ!!」

残る触手も切り払い、ようやく愛香の元へと辿りつくレッド。

「ブルー、助けにきたぞ」

「あ、あぁ…」

涙でぐしゃぐしゃになった顔で見上げるブルー。

「早くここから出よう」

「あ、…う、うん…ヒゥッ!!」

その声に応じようとするも、その瞬間またも腹部の中央に悪寒が走る。

「あ、あひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッッッッッ!!!!!!!」

触手より注入された毒により、拡張されたヘソの中央で真っ赤にぷっくり膨れ上がった愛香の臍乳頭。

そこに円口状の口が付いた触手が覆いかぶさるように喰らい付いていた。

「ブルーッ!!」

「い、イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!見ないでぇええええええええええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」

愛香の絶叫が響き渡る。

それと同時に一掃された触手が一瞬にして再生しレッドの体を捉える。

「え、な、なにッ!?」

強化形態も解除されたレッドの体を縛り上げる触手群。

そんな彼女の前でさらにヘソを弄られるブルー。

「いやあぁぁ…見ないでぇぇ…お願いだからぁぁ…」

吸い付いた触手により奥から引きづり出され、完全に穴から飛び出してしまう臍乳頭。

さらには愛香のへその皺を弄っていた極細の触手群の一部がそこから離れ、レッドの目の前に何かを見せつけるように移動する。

「!?、こ、これは…?」

よく見るとその触手の先端には黒いゴマ粒のようなものが付着している。

「まさか…ヘソのゴマ…?」

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

響き渡る愛香の叫び。

その瞬間、拘束されたレッドに向けて巨大な甲殻腕が放たれた。

「そんな!?」

一度粉砕されたものの驚異的なスピードで復元した甲殻腕。

またも腹部に迫るその衝撃に思わず目を瞑る。

ボゴォッッ!!!

「ぐふぅぇッ!!」

「!?」

目を開けたレッドが見たのは自分の前に立ちはだかり、代わりに腹部に一撃を受けていたイエローの姿であった。

「イエローッ!!」

叫ぶレッド。

「だ、大丈夫…ですわ」

応えるイエロー。

だが凄まじい打撃をモロに喰らったその腹部は無惨に潰れ拉げている。

「ぐ、ぅぅ…うぐっ!!」

不意にイエローの腹から腕を引き抜くと、再び彼女に向けてパンチを放つスキュラギルティ。

ドボォッ!!

「おぐぉッ!!」

その口から鮮血を吐き出される。

さらに連続で次々とパンチがイエローの柔な腹部に叩き込まれる。

「うぶッ!!ぐほッ!!おぅえ”ッ!!」

腹部にスキュラギルティの甲殻腕が喰い込むたびに発せられる悲痛な叫び。

だがイエローは身動きが取れないレッドを庇うため、決してその場から退こうとはしなかった。

「も、もういいッ!それ以上喰らったら…ッ!!」

「レ、レッドのためなら…構いませんわ…」

苦痛に顔を歪ませながら耐え続けるイエロー。

「く、くそぉ、このままじゃ…どうすれば…!?」

『…レッド』

トゥアールからの通信。

『あなたが愛香さんの元に辿り着いた瞬間、奴は驚異的な再生スピードを見せました』
『このエレメリアンは…愛香さんのおヘソを弄り、彼女が辱めを感じていることに快感を感じ力を得ているんだと思います』

「えっ!?」

『しかも…その霰もない姿をよりによって思い人のアナタに見られている…』
『奴らにとってはこの上ない最高のシチュエーションです』

「そ、そんな…俺はヘソくらいで…」

「ち、違いますわ…レッド…」

「!、イエロー!?」

自分の腹部にめり込む甲殻腕を両手で必死に抑え込みながら話しかけるイエロー。

「ぐぅぅ…、お、女の子にとっておヘソは、乳房やオマ…秘部と同じくらい見られて恥ずかしい箇所なんですの」

「え?だ、だって水着とか普通に出して…」

そこに割り込むトゥアールの通信。

『周りから『綺麗な顔だね』と言われているような人でも、目とか鼻とかその一つ一つのパーツをじっくりと凝視されたら…どう思います?』

「そ、それは…ちょっと…」

「そういうことですわ…特におヘソは…女性にとって大切なお腹の中心にあるシンボル…」
「だから普段服で見えなくても、その手入れは欠かさない…」
「それを中身までじっくりと見せてもいいのは…心決めた殿方以外ありえませんですわ!」

『何いきなりアピール始めてんですか!』
『私だって総司さんになら、ヘソの皺一つ一つじっくり見せてあげてもいいんですよ!』

「いいよ!見せなくてもッ!!」

思わず突っ込むレッド。

「それで…俺はどうすればいいんだ?」

『度重なる災難のせいで、彼女は今、総司さんにおヘソを見られることを極端に恐れています』
『だから…愛香さんの心に訴えかけてください』

「!」

『それが…彼女を救う唯一の手段です』

「………」

理屈は分かった。

だがどんな声をかければいいのか分からない。

ブルーの方をふと見る。

「う、うぁぁぁぁぁぁぁ…」

もはや叫び声も出なくなったのか、掠れた声で呻き声を上げ続けるテイルブルー。

そのむき出しのヘソを強制的に割り開かれ、皺の一つ一つを弄られ、膨らみ切った臍乳頭を容赦なく引き出されては戻され、またも引き出され…



自分のヘソまでも痛くなってくるような光景だったが、それを見つめている内にある感情がテイルレッド、観束総二の心に芽生えつつあった。

(イエロー…慧理那は、ヘソは女の子にとってとても大切な箇所だといった…)
(それをあんな風にまでして乱暴に扱って…それはツインテールを蔑ろにすることと同じじゃないのか…!?)

徐々に怒りが沸き起こる。

そして叫んだ

「ブルー!聞こえるか!」

「………」

「俺は今までお前の…そ、その…おヘソを…お前がツインテールと同じようにどれだけ気をかけて手入れしているか…俺は今の今まで気づいていなかった!」

「………」

「だから俺はそんなお前のへそを無茶苦茶にする奴らが許せないッ!!」

「!!」

「俺は…今、お前とそのおへそを救い出したいんだッ!!」

「………」
「馬鹿……」

それまで苦悶の表情を浮かべていた顔が緩み、その目から涙が一筋零れ落ちる。

その時、レッドは触手の締め付けが一瞬緩んだのを感じた。

「!、今だッ!!」

全身に力を込めるレッド。

ブチブチと触手が引き裂けていく音。

「う、うおおおおおおあああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!」

触手を力任せに引きちぎり拘束から脱すると、再びブルーの元へと迫るレッド。

「助けに来たぜ!」

「うん…」

彼女のヘソに吸い付いた触手を掴むと、それを力任せに引き剥がす。

「ひゃあうンッッ!!!!!」

ビクンと痙攣するブルー。

真っ赤に腫れあがった臍乳頭がプルンと艶めかしく震える。

「お、女の子のおへそなんだから、もっと丁寧に扱ってよ…」

「ご、ごめん…でももうちょっと辛抱してくれ」

ブルーの体を抱くと、彼女の体をその肉壁から一気に引き剥がそうとする。

だがそれを妨害しようと彼女達に迫る触手群。

バシュバシュバシュッッッ!!!!!!

「!?」

「邪魔は…させませんわ」

腹部のダメージに苛まれながらも、手にしたヴォルテックスブラスターで触手を次々と打ち払っていくイエロー。

「すまないイエロー!」
「そぉりゃあああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

一気にブルーの四肢を肉壁から引き抜くレッド。

「うぅんッ!!」

そして彼女の体を抱きかかえながら、すぐさまその場から離れ砂浜へと着地した。

同時にイエローもその場から離脱し、彼女たちの元に降り立つ。

「ぐは…ッ」

重いパンチを何十発も喰らった腹部を両手で抑えながら、ついにその場に蹲ってしまうイエロー。

今まで耐え続けてきた反動がここで出てきてしまったようだった。

「イエローッ!!」

「だ、大丈夫…ですわ…そ、それよりも…ブルーを…」

苦痛に体を震わせながらも気丈に見せるイエロー。

「う…」

その目をゆっくりと開くブルー。

「だ、大丈夫か…?」

「………」
「ねぇ、私のへそ…こんなに無茶苦茶にされちゃった…」

目を逸らしながらつぶやくブルー。

「でも…私…」

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

突如、苦悶の叫びを上げるスキュラギルティ。

コアたる愛香を失い一時的に動きを止めていたが、最後の悪あがきか彼女を取り戻さんとゆっくりと歩んでくる。

「く、アイツまだ…?」

「ねぇ、総二…」
「あたしのおヘソ…触って」

「え?」

いきなりこの状況で何を言い出すのか?

だが彼女の眼は本気でそうして欲しいと訴えてきている。

「いいから触って…優しくね?」

「わ、分かった…けど…」

おそるおそるブルーのヘソに手を伸ばすレッド。

スキュラギルティに捕らわれている間、散々弄られたその箇所はいつも彼女がさらけ出しているソレとまったく様相が変わっていた。

普段は縦に閉じている穴は無惨にも割り開かれ、その中身の肉片や皺が見事に露となってしまっている。

とりわけ毒素を注入された中央の臍乳頭は真っ赤に腫れあがり、さらに長時間吸引され続けたことでみっともなく穴から飛び出してしまっていた。

レッドは見るからに痛々しいその臍乳頭にそっと触れた。

「んッ!」

「ご、ごめん痛かったか!?」

「ううん、いいから続けて…」

愛香が何を思って臍を触らせているのか分からないが、レッドはいう通りにした。

丁寧に一つ一つの皺をなぞり、そのへそ穴の外周に沿って指を這わせる。

「ねぇ、私のおヘソ…どう思う?こんなに醜くされて…」

「どう…って、さっきも言っただろ?」
「俺は愛香の臍をこんな風にした奴らが許せなくて…」

「…ありがと」

レッドの手を抑え、ゆっくりとその場に立ち上がるブルー。

そして迫る巨大な影に向かって仁王立ちになり、両手を腰に当て自分のヘソを見せつけるように叫んだ。



「残念だったわねあんた達!私のおヘソを改造して!好き放題弄んで!それで恥ずかしがる姿を見て楽しんでいるようだったけどもッ!!」
「もうぜんっぜん恥ずかしくないんだからッ!!」

「は…?」

ポカンとするレッド。

その時トゥアールが合点がいったように叫んだ。

『そういうことですか!奴らは愛香さんが臍を弄られ恥ずかしがる姿を見て興奮し力を得ていた…しかしもうそれが意味がないと分かれば…』

「そう!私が見られて一番恥ずかしいと思っていた人が、全然気にしないって言っているんだから、もうおヘソを辱められてもなんともないってことよッ!!」

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

雄々しさすら感じさせるあまりもの堂々っぷりに、苦悶に満ちた叫びを上げながら全身をくねらせるスキュラギルティ。

「さぁて、仕上げといこうかしら…」

彼らを逆に精神的に追い詰めたところで、トドメをささんと砂浜に突き刺さったウェイブランスを引き抜こうとするブルー。

だが体から力が抜け、思わずその場に膝をついてしまう。

「ぐ…!」

既にヒドロゾアギルティの戦いで決死の自爆戦法によりスーツ機能のほとんどが破損し、さらにスキュラギルティのコアにされている間、強烈なへそ責めを長時間受け続けている…

もはや立っていることが不思議なくらい愛香の体力は消耗しきっていた。

「無茶はするな!あとは俺が…」

「アイツは…アイツらはアタシがとどめを刺さないと…」
「女の子にとって"大事なところ"を、好き放題弄ってくれたアイツらは…絶対に…」

レッドは知る由が無かったが、これまでへそに受けてきた苦難の数々…

それに対する『怒り』が、満身創痍の彼女を突き動かしていた。

「分かりましたわ…」

痛むお腹を抑えながらも、なんとか起き上がったイエローが答える。

「そういうことでしたら私のユナイトウェポン、使ってください」

全身から解除されたイエローの装甲群が、一つの巨大な砲に再構成される。

「私の必殺のヴォルティック・ジャッジメント…」
「今日はブルーにお譲りしますわ」

「イエロー…」

それを見てレッドも心決める。

「分かったブルー、俺も協力する」

3人はお互いの顔を見合わせコクンと頷きあう。

「オオオオオオオオオ…………」

ブルーからの"絶縁"宣言を喰らいながらも、まだも執念で迫るスキュラギルティ。

そんな往生の悪い巨大な敵に向かってフォーメーションを取るツインテイルズ。

「いくぞ!ブルー!イエロー!」
「グランドッ!!ブレイザーァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」

剣に炎を纏わせると、それを大きく円を描くように振るうレッド。

すると目の前に巨大な炎の輪が展開した。

「今だッ!!」

「行きますわよブルーッ!!」

ユナイトウェポンから巨大なビームの噴流が放たれる。

それと同時に駆け出したブルーは、背後にビームの照射を受けその勢いに乗って一気に加速していく。

さらにはレッドの放った炎の輪をくぐり、その灼熱の力をも纏って一直線にスキュラギルティへと迫る。

「エグゼキュートッ!!ブレイズジャッジメントォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ブルー渾身の蹴りがスキュラギルティの巨体を真正面から貫いた。

「ギュアアアアアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

断末魔の叫び声を上げるスキュラギルティ。

愛香を捕らえていたその胴体に巨大な風穴を開けられ、やがてその体が崩れ落ちていくように消滅していく。

一方巨体を蹴り貫いたのち、勢いそのままに砂浜に激突したブルーは、砂と衝撃で破損したスーツの破片を巻き上げながら転げ回り、ようやく波打ち際で仰向けになって停止した。

「はぁ…はぁ…」
「ようやく…終わったのよね」

頭上の真夏の太陽に砂まみれになったヘソを照らされながら、静かに呟くテイルブルー。

そんな彼女の耳にレッドとイエローが呼びかける声が聞こえてくる。

それをどこか遠くに感じながら、彼女の意識はブラックアウトした。




「スキュラギルティ君は消滅…ま、結果オーライってとこかしら?」

倒れたテイルブルーの元に駆け寄るレッドとイエローの姿を遠くから見つめるローブの人物。

「収集できたデータ、せいぜい有効活用させてもらうわ」
「自分のおへそ、しっかりケアしておいてねテイルブルーさん、フフフ…」

不気味な笑い声と共に"彼女"はその場から消え去った。




「まさか…愛香がそんな目にあっていたとはな」

観束家地下深くのツインテイルズ基地。

帰還後、事の顛末をトゥアールから聞いた総二と慧理那。

自分たちが知らないところで愛香がへそを狙われ、散々責められていたことを初めて知った。

「本当に…女の子のおヘソをそんな乱暴に扱うなんて許せませんわ!…ぐ」

ふとビクッと体を震わせ、苦しそうにお腹を押さえる慧理那。

「だ、大丈夫か?大分お腹を痛めつけられていたけど…」

「大丈夫ですわ…まだ完全に傷は治ってませんけども、観束君の子供は問題なく作れますわ!今でも!」

「今でもって…」

目を輝かせる慧理那だったが、よく見るとお腹に添えた手で殴られた箇所を自らきつく揉んでいる。

もともとMっ気の強い女の子であったが、今回の一件でさらに何か変な性癖に目覚めたのではないか?

総二がそんな一抹の不安を覚えたとき、

「私のいないところで何勝手に盛りあってるんですか!」

ふいに開いた自動ドアから勢いよく現れるトゥアール。

そしてその後から愛香がうつむき気味に続く。

「………」

「そ、その…ヘソは…おヘソは大丈夫なのか?愛香?」

「モ~チのロンですよ!この天才トゥアールちゃんが再生医療を駆使して、元のおヘソに戻してあげましたよ」
「ほら、恥ずかしがらずに見せてあげなさい!その皺の一つ一つまで!」

「いいよ!見せなくても!!」

さっきも同じセリフを言ったような気がしながら叫ぶ総二。

「………」

だがふいにガバッとブラウスをめくりあげて、己のお腹をさらす愛香。

「!」

「ありがと、総司…」
「その…私のおヘソ…もう大丈夫だから…」

恥じらいながらも、どこか見せつけるようにおヘソを突き出してくる愛香。

「あ、うん…も、もう分かったって…ッ!」

女の子はおヘソを凝視されるのを嫌うのではなかったのか!?

「総二よく見て。これが総二が大切だと言ってくれたおヘソだよ」

「あ、う…うん…」

へそを眼前で見せつけてくる愛香に対し、ただ戸惑う総二。

「いつまでおヘソ見せつけてるんですか愛香さんッ!!まったく…今回の一件で完全に味を占めてしまったようですね」
「いくら他にセックスアピールポイントがないからって、これならいっそあのままデベソゴリラでいてくれた方が…」

その瞬間、素早くトゥアールの背後に回った愛香がその服の裾をめくりあげ、その脇腹をガッシと掴む。

そして左右から彼女のおへそを力任せに引っ張った。

「いッ、いだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだァッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

苦悶の叫びを上げるトゥアール。

「ほら、アンタも見せてあげなさいよ」
「好きな人だったら、その皺の一つ一つ見せていいって言ってたでしょ?」

「そ、その前におヘソ裂けりゅううううううううッッッッ!!!!」
「このままじゃお腹にも挿入できる穴が…いっだあああああああああああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

お互いおヘソを出しながらじゃれ合う(?)二人。

そして恍惚とした表情を浮かべながら、自分のお腹を殴り始める慧理那。

一人総司はいつもの日常が訪れたことに微笑ましさを感じると同時に深く頭を抱えるのだった。

(完)

[後書き]
というわけで、テイルブルー完結編です。なんかGガン最終回みたいな展開ですねw
完結編といってもまたテイルブルーは描きたいところなんですが、デザイン的に描くのがめんどくさいんですよね彼女w

ちなみにローブの人物は原作に登場しているマーメイドギルティです。
原作でも色々マッドサイエンティストっぷりを発揮しているので、是非ともリョナ的展開を期待したいですね。

拍手コメ返しです。

>久しぶりの莉緒ちゃんですが、とうとうデベソが白日の下に晒されちゃいましたか。 こういうヘソに器具を取り付けられての羞恥プレイというのは大好きですね。個人的に定番のセーラー服やチアガールのへそチラが好きなんで、機会があったらそういう格好での羞恥プレイなんかもお願いしたいところです。

正直これ以上のでべそ羞恥プレイがなかなか思いつかなくて悩んでいるところではありますが…色んな格好で辱めを受けるというのはありですね。

>この絵見てたら凹みヘソを器具を使って強制デベソにして変身するヒロインみたいな設定思い浮かびましたわ

いいですね!皆を守るために嫌々ながらデベソになって戦わなければならないシチュエーション、最高です!誰か書いてくれませんか?(他力本願)

>ネーブルマミちゃんにはキャラ設定は無いんでしょうか。 とても気に入ったキャラなんで今の話が完結したら外伝も期待したいです。

キャラ設定…すいません、素で忘れてました。近いうちアップさせていただきます。しかしマミちゃん意外と人気があって嬉しいですねw 彼女が主役の外伝ストーリーはやってみたいところです。

拍手[7回]

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放課後のテニスコート。

そこで練習に勤しむテニス部員たち。

その中に一人、莉緒の姿があった。

「…っぅ!」


体に張り付くようにフィットしたテニスウェア姿で、むき出しになった素肌から艶めかしい汗を垂らしながら練習試合に臨んでいた莉緒。

だがどこかその動きは主将たる彼女にしてはどこか精彩を欠いていた。

「ぅぐ…ッ!!」

ぎこちない動きで相手のショットを返す莉緒。

彼女の脳裏にほんの一時間前の出来事が思い返される。



「こ、この姿で練習しろだと!?」

人気のない外れの体育倉庫で怒号を上げる莉緒。

「こ、こんなふざけた格好…ヒィんッ!!」

言葉の途中で喘ぎ声を上げる。

莉緒の体の"それ"を軽く引っ張っていた男子学生。

「この程度ですぐ感じちゃうなんて…さすがだね莉緒ちゃん」

「う、うるさい…!とにかく私は"こんなもの"着て…ひゃゥンッ!!」

またも身悶える莉緒。

今、彼女は男子生徒に言われるまま、彼特製の拘束具を装着させられていた。

肩、首、ふとももの付け根、股に通された革のベルト…

それらがすべてお腹の中央、莉緒の出べそを中心にして張り巡らされている。

莉緒の出べそには金属製のリングがはめ込まれ、すべてそこに繋がっている。

これによって四肢や首を少しでも動かすと、全て張力となって性感帯たる出べそに伝わってしまう。

こんなものを装着させられて立っているだけでも精一杯だというのに、彼はそれでテニスの部活に参加して来いという。

「もちろんただ突っ立っているだけなんてだめだよ」
「部員と5回は練習試合をやってもらわないと…」

「ふ、ふざけるなッ!!」
「こんな格好で試合なんて…」

「あ、そう」
「それじゃ君の出べそオナニー動画を…」

「くぅッ!!」

莉緒は悔しさに顔を歪ませながら、相手が差し出したテニスウェアをひったくった。

そしてなるべくヘソに刺激を与えないように装着していく。

「服の上からは見えないと思うけど、そのウェア大分スカートが短いから気を付けてね。ヘソチラなんかしたら一貫のおしまいだから」
「あ、あとボタンは全部閉じないと、首のも見えてしまうよ」

「ぐうぅ…」



こうして今、莉緒はテニスウェアの下に変態拘束具を装着したままコートに立っている。

チラチラと腕やスカートの裾から黒いベルトが見えてしまっているような気がするが、それよりも彼女はお腹を見られることを警戒していた。



出べそのリングを中心に広がる6本のベルト…

こんなものを見られてしまっては、明日から皆に合わせる顔もない。

(は、早くこんなこと終わらせて…)

「行きます!」

相対する部員がボールを天に放り投げ打ち込む。

レギュラーメンバーの一人たる彼女が放つサーブは莉緒にとっても強烈な一撃であった。

「ぅぐぅンッ!!」

なんとかサーブを打ち返そうとする莉緒。

だが手足を大きく動かせば動かすほど、それがベルトを伝わり莉緒の出べそを激しく引っ張り刺激を与えてしまう。

「んぐィッ!!」

脳髄を走る快感。

だがそれでも彼女はなんとかボールを相手コートへと打ち返す。

「ん、はぁ、はぁ、はぁ…」

まだ練習試合は始まったばかりなのに、既に莉緒の息は上がっていた。

体を動かすたびにヘソに走る快感、それを耐えようとするだけで異常なほどに体力を消耗してしまう。

(こ、これを5試合も…しかも全勝しろだと…!?)

とてもまともに試合など出来る状態でないというのに、奴はすべて勝たなければ"例の動画"を流出させるという。

そしてさらに"指令"はもう一つあった。



「デュース!」

審判がコールする。

再び相手のサーブが放たれる。

それを出べその刺激にも耐えながら、なんとか打ち返す莉緒。

だがそれは天高く打ち上げられるように跳ね、相手はこれ好機とスマッシュの態勢に入る。

「はっ!!」

パッカアアアアアアアアアアアンンンンンンンッッッッッッッッッッ!!!!!!!

痛快な打音が鳴り響く。

ボゴォッ!!



「はオ"オ”ッ!!???」

次の瞬間、聞こえてきたのは莉緒の呻き声であった。

彼女のウェアの腹部に深々とめり込んだテニスボール。

莉緒はその場でしばらくプルプルと震えた後、その場にしゃがみ込んだ。

「!?、え、主将ッ!?」

驚く相手のテニス部員。

彼女には自分が打ったスマッシュに、主将がまるで自ら飛び込んできたかのように見えた。

コートでお腹を抑えながらうずくまる彼女の元に駆け寄る。

「だ、大丈夫ですか主将…?」

肩を震わせる彼女に対し心配そうに声をかける。

相当痛むのだろうか…?だが莉緒が震えている理由は違っていた。

相手が放った凄まじいスマッシュは"莉緒の狙い通り"彼女の腹部、6本のベルトが伸びる出べそに
直撃していた。

ウェア越しとはいえ、その威力は彼女の脆弱な出べそを大きく抉り、一瞬気が飛びそうになるほどの凄まじい衝撃と快感をもたらしていた。

「フぅー、フぅー、フぅー、」

荒く息をつきながら、なんとか呼吸を整えようとする莉緒。

これで"ノルマ"の一つは達成した。

一試合に一回、出べそにボールを喰らう。

これが男子生徒の出したもう一つの"指令"であった。

「だから莉緒ちゃんのウェアのへそに当たる部分に目標をつけてあげたよ」
「これで相手も狙いやすくだろ、ハハハ!」

先ほど手渡されたウェアにも彼の仕掛けがあった。

ちょうど莉緒のデベソに当たる部分に、ボタンと刺繡で花びらのような模様がつけられている。

周りからは不自然に思われているかもしれない…

チラチラッとその"印"に目線が向けられるたびに、莉緒は身をこわばらせていた。

「主将…?」

荒く息をつく主将に再度声をかける相手部員。

ようやく体の疼きをなんとか沈めた莉緒が立ち上がった。

「だ、大丈夫だ…そ、それにしても凄まじい威力だったな…」
「お、お腹が抉れるかと思ったぞ…」

「主将…」

「ま、また私のお腹の奥に…ずっしり来るくらいの奴を頼むぞ」

「え…?は、はい…」

訝し気な表情を浮かべながら、自分のコートに戻っていく部員。

その後ろ姿を見ながら、顔から火が噴き出す思いでいた莉緒。

(な、何を言ってるんだ私は…!)

まるで自分のお腹に思い切り打ち込んでくれと懇願しているようなセリフ。

それが自然と口から出てしまった。

先ほどの気が飛びそうなほどの衝撃…無意識にアレを欲してしまっているというのか…

(ば、馬鹿か私は…!)

莉緒は払拭するように首を振り、試合に意識を切り替えた。



やがて5戦目…

莉緒はなんとかここまで4試合を全て勝ち抜いてきていた。

たとえ出べそ拘束具を装着した状態だろうと、主将たる面目だけはなんとしてでも保たんとする一心だけでなんとかここまで来た。

だが体はもはやボロボロ…

ボールの直撃を受け続け傷ついた出べそもジンジンと痛みを発している。

そしてそれがさらなる快感となって莉緒を苛ませる。

「つ、次で…最後か…、ぅぐ!」

息も絶え絶えの莉緒。

ウェアも汗でびっしょりと濡れ、彼女の肌にピッタリと張り付いてしまっている。

(も、もう…限界だ…)
(だ、だが…ここで…勝たないと…)

「よろしくお願いします!」

最後の相手が一礼すると、ボールを手にしサーブの態勢に入る。

その光景をぼんやりとした視界で見ていた莉緒。

その時、彼女は先のフェンスの向こうにあの男子生徒がいることに気づいた。

彼は何か自分のお腹を指で指すようなジェスチャーをしている。

「…?」

ふと自分のお腹の方へと目を向ける莉緒。

「ッ!?」

そこに彼女が見たのは、ウェアにまるで浮かび上がるように盛り上がっていた自分の出べそであった。

周りの拘束具もうっすりと見えてしまっている。

莉緒から噴き出すように流れ出た汗により、ウェアをピッタリと体に張り付き、その凹凸をハッキリと浮き上がらせてしまっていた。

(こ、このままじゃバレるッ!!)

咄嗟にウェアを掴み、肌から引きはがそうとする莉緒。

だがその時、完全に意識外から飛び込んでくるボール。

「え?っ、おッごぉぉぉッッッ!!!!!!!!」



莉緒の腹部の"印"に見事に直撃するテニスボール。

それはまたも莉緒の出べそを大きく潰れ拉げさせていた。


「オ"…オ"ォ……オ"エ"ッ!」

完全に気を取られていたところに不意打ちのごとく腹部に突き刺さったテニスボール。

それは莉緒にわずかに残っていた体力と精神力を根こそぎ奪いつくしていた。

溜まりに溜まった疲労と出べそのダメージで遂にそのまま仰向けに倒れ、気を失ってしまう莉緒。

バタッ!

地面に大の字に仰向けになる莉緒。

「だ、大丈夫ですか主将!?」

「主将!!」

倒れた彼女の元に駆け寄ってくる部員たち。

「ぁ…ぅ…ぅ…」

仰向けのまま小刻みに体を震わせる莉緒。

もはや意識も朦朧とした彼女には、ウェアが完全にめくれ自分のお腹が無防備にさらけ出されていることなど知る由もなかった…




[後書き]
リクもあって久々過ぎる莉緒ちゃんです。
リナちゃんばかりやっていたので、少し息抜きに描いてみました。

テニスウェア姿でお腹にボールを喰らうというシチュってホントエロいですよね。
キューティーハニーFの16話とか大好きです。

拍手[14回]


「………」

薄暗いその部屋には自分以外にも同じ年頃の少女が大勢いた。

皆、不安そうな顔で怯えている中、私は一人、壁を背に蹲るように座っている。

これから自分達はどうなってしまうのか…誰しもそれを考え不安に震えていたが私だけは違った。

私は…この後どうなろうが知ったことではない。

バタン!

「!」

突如鋼鉄の扉が開かれ、数人の男達が部屋の中に踏み込んできた。

「早く入れッ!」

士官らしき男が一人の少女の髪を掴みながら、無理矢理中に引き釣りこむ。

「ってえッ!!離しやがれテメエッ!!」

「黙れッ!」

ズカッ!!

「ぐあっ!!」

暴れる少女を床に叩き付けるように放り出す男。

「て、てめえ…」

どごッ!!

「うごぉッ!!」

男を睨み返す少女だったが、その腹にブーツの先端がめり込む。

「ぐほっ!!うごぇえええええええッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

その場で吐瀉物を撒き散らし、お腹を抑えながら悶絶する少女。

「フン、クソガキが…」

「やめろ」

別の士官が制止する。

「コイツらは貴重な"試験体"だ」

「ハッ、どうせこいつは"不適合"だ」
「せいぜいデータ取りで終わるのが関の山だろうよ」

床で悶える少女を一瞥した後、男たちは部屋を後にする。

再び閉じられる扉。

その一部始終を見て、さらに怯えたように震える少女たち。

だが、私は床に蹲る少女の様子をじっと観察していた。

「畜生…アイツら…殺してやる…!」

口から血反吐を吐きながらも、怨嗟に満ちた声で呟く少女。

その時、ふと彼女と視線が合った。

「あ"…?なんだテメエ…?」

「………別に」

私は彼女から目線を外した。




「いいか、今日からお前たちは適合試験を乗り越えた選ばれしソルジャー…『ナベルロイド』だ」
「我らシックスピースは貴様らの働きに期待する!」

高揚気味に演説する士官の前に私を含めた同じ隊員服を着た少女たちが一列に並んでいる。

上半身はお腹丸出しの隊員服に下半身は太ももまでさらけ出されたホットパンツ…

さらにそのお腹にはX字状にベルトがかけられ、ちょうどヘソにあたるその交差点の中心には半球状の金属製の物体が埋め込まれている。

補足するように士官の隣に立つ研究担当の男が口を出す。

「その腹部の受信機…そこから装置よりネーブルエナジーが送られ、お前たちは常人を遥かに上回る力を発揮するが出来る」
「これこそ我々の研究成果…たとえ手足が千切れようともその装置だけは死守するようにな」

まるで自分たちなどオマケだと言わんばかり…

だが私はその言葉より、この場に"あの少女"がいないことが気になっていた。

いないならいないで別にどうでもいいが、何故か妙に印象に残っているあの瞳…

(やはり…"破棄"されましたか…)

「どうしたNo24?」

自分たちの生体データは全てモニターされている。

わずかな機微すらも逃がさないそれは彼女のふとした考えも読み取られていた。

「いえ…何でもありま…」

その瞬間、ヘソに走る激痛。

「ぐはゥッ!!」

まるで超高圧の電撃をヘソに流し込まれたかのような衝撃が襲い、その場に崩れ落ちてしまう。

「がは、あ、ぁ…」

悶絶する私を士官が見下す。

「余計なことを考えるな!ただお前たちは我々のために尽くす…それだけを考えればいいッ!!」

「は、は…い…」

私はヘソに渦巻く激痛に堪えながら立ち上がった。





とある戦場、相対する兵士たちがぐったりと倒れた私の腕を掴み引き摺り起こす。

「『ナベルロイド』とかいう改造人間も数でかかりゃなんとかなるってもんだな」

「あぁ、どうやらこの…」

目の前の男が銃床で私のヘソの受信機を小突く。

「う…ッ」

「腹の装置を集中的に攻撃するのが効果的みたいだ」

ほとんど半壊した受信機…

もはや私は満足にネーブルエナジーを受けられない状況となっていた。

「コイツをどうする?」

「決まっている。科学班の連中に引き渡して徹底的に分析させる」
「奴らに対して決定的な有効打が得られるかもしれん」

「………」

私としたことがトンだヘマをしてしまった…

もはや敵に捕らわれてしまった以上、取れる手段はただ一つだけ。

"自爆"…ヘソに埋め込まれた装置を暴発させ、組織の技術の流出を防ぐと同時に命を絶つ。

それが組織によって定められた掟であった。

最初からこんなクソじみた世界に未練など無い。

私は躊躇なく奥歯に埋め込まれたスイッチを入れようとした。

ドガッ!!

「な、何だお前はッ!?ぐああッッ!!!」

「!?」

突如周囲が騒々しくなる。

「貴様!ナベルロイド!?」

私を拘束していた兵士たちはその体を地面に投げ捨て、突如現れた"襲撃者"に向けて発砲を開始する。

ドガガガガガガッッッッッ!!!!!!!!

「…やったか?」

「と、思ったか?」

「!?」

新たに現れた白髪のナベルロイド。

その顔面にかざしていた拳が開かれ、握りつぶされた銃弾が地面に落ちる。

「な、なんだと…!?」

「おらッ!ぼさっとすんなぁッ!!」

ドゴォッ!!

次の瞬間、彼らは数メートル離れたコンクリートの残骸の赤いシミと化していた。

一瞬で敵を排除し、地面に倒れた私の元に歩み寄るナベルロイド。

「おい、大丈夫か?」

なんとか顔を上げるとそこには見覚えのある顔があった。

「あなたは…」

「助けに来てやったぜ」

「…破棄されたはずでは?」

「おい、それが命の恩人にいうセリフかよ!?」

グッと私の肩を抱き上げるナベルロイド。

「全然、姿を見かけなかったので…」

「あ~、まあ、ずっと隔離されてたからな…」
「自分で言うのも何だが…相当厄介モンだったからな。おかげで何度もヤキ入れられちまったぜ」

確かに自分と同じ制服を着ているものの、どこもかしこもボロボロで上着に至っては袖口から完全に引きちぎられている。

「それでよく処分にならなかったですね」

「ま、強ぇからな!」

ニカっと八重歯を見せながら笑うナベルロイド。

その何の邪気もない笑顔に、私は何か心が揺さぶられたような気がした。

「とにかくお前を基地に連れ帰らないとな」

「え、えぇ…、!」

ふと、倒された兵士が銃を握りこちらに向けられているのに気づく。

その時何故か私の体が勝手に動いてた。

「え、おい!?」

彼女を庇うように大きく手を広げて立ちはだかる。

ズキュンッッ!!

響き渡る発砲音。

次の瞬間、私のお腹の中心を熱い衝撃が貫いていた。



「あぅンンッッ!!」

そのまま倒れる私。

だが私の心には初めて味わう、言いようのない高揚感で溢れていた。





「ぐぅああああああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

粉砕された左腕を抑えながら絶叫する17。

「………」

そんな彼女を無感情に見下ろすレジスタンス最強の戦士、ネーブル・ミア。

装置に組み込まれた"ある女性"の娘たるその戦士の実力はナベルロイドを遥かに上回っていた。

「1、17…ゴフッ!」

既に私も腹部に深いダメージを負わされ、瀕死の状態で倒れている。

「お前、随分アタシに絡んできたけどよぉ…」
「もうここらで縁切ってもいいよなぁ?」

拳を鳴らしながら、17に最後の一撃を加えんと迫るミア。

「ミ、ミアァ…」

「オラぁッ!!」

ガシッ!

「ッ!?」

何処にそんな力が残っていたのか、ミアの体を咄嗟に羽交い絞めに抑え込む私。

「テメエッ!?」

「1、17…早く…ここから…ッ!うぐッ!?」

だがあっさりと振りほどかれ、ミアの怒りに満ちた目が私を捉える。

「だったらテメエから先に死ねえええッッッ!!!!!!!」

ボゴォッッ!!!!

「おげェあ"あ"ッッッッ!!!!」

既に散々痛めつけられた腹部に容赦ないミアの殺人パンチが突き刺さる。

「ぶべぇッ!!…じゅ、17…」

ボグォッ!!!!

「オブオオォォッッッ!!!!!!」

口から夥しい量の血が吐き出される。

だがミアは容赦なく私の腹部に連打を叩き込む。

ボゴォッ!!ドブゥッ!!グボォッッ!!!

腹を抉られるたびに口から鮮血と人工体液を撒き散らし悶絶する私。

内臓を吐き出してしまいそうな衝撃。

地獄のような苦しみがお腹の中を渦巻く。

だが私の心は何故か…快感で満ち足りていた。

(あぁ、17…あ、あなたを…庇って…今、私は傷ついている…)
(このままだとお腹が…私のお腹が潰れ拉げ死んでしまう…しかし、それがアナタを守るためなら…私は…)





「…これが…これがアイツの『世界』…」

"自分"が24の腹部を殴り続ける光景を目の当たりにしていたミア。

リナたちによって、24の体内に送り込まれたミアが見たのは、17を庇い傷つく24の姿であった。

「これが…アイツにとって一番望んでいることなのか…?」
「これがアイツにとっての…」

『なんでアナタがここにいるんですかあァッ!!??』

突如、空間全体に響き渡る声。

「!?」

いきなりミアに襲い来る影。

「チッ!」

ミアはその襲撃者の攻撃を避けるとその腕を取った。

「うおりゃああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

力任せに一本背負いの要領で放り投げる。

「ぐうッ!!」

「やっぱり…来ると思ったぜ24ッ!」

地面に叩き付けられるもすぐさま立ち上がる24。

その眼差しは彼女にしては珍しく怒りに満ち溢れていた。

「よくも…よくも人の秘部に土足でッ!」

「ハッ、勝手にプライベート覗いたことは謝るけどよ…けどお前の力の源は分かったぜ」
「お前は…17を庇って自分が傷つくことで快感を得ている…そうことか!」

それを聞いて不意に口端を歪ませる24。

「ええ、そうです…そうですよぉッ!!」
「私は17の代わりにこの身が、お腹が、おヘソが傷つくことにこの上ない極上の快感を得ているのです!!」
「つまり私の体内に彼女がいる限りィ!私はずっと彼女を庇っていることになるッ!!」
「そう!彼女がいる限りッ!!永遠にィッ!!」

次の瞬間、彼女の背後に巨大な水晶柱が突き出す。

「!?」

ミアはその内部に人が収められているのを見た。

「17…!」

まるで琥珀の中に閉じ込められた虫のように、水晶の内部で静かに眠る17。

「もうお分かりでしょうネーブル・ミア」
「あなた達の攻撃をどれだけ受けても…私は絶対に倒れることはないのですッ!!」

17を自分自身に吸収した24…すなわちそれは"常に"17を庇っていることになる。

"17を庇い傷つくこと"が彼女のネーブルエナジー発生の根源であれば、いくら攻撃したところで決して彼女は倒れることはない。

「なるほど、な…」

ギリッと奥歯を噛みしめるミア。

「フフ、私の秘密を知ったところで…あなた達にはどうすることも出来ませんね」

突如24のヘソが大きく裂け内部から出現する巨大な水晶体。

さらには体中の至る箇所から水晶体が突き出し、やがて現実世界でミア達が戦っていた融合体へと変貌していく。

「24…!」

「死んでくださいネーブル・ミア」

全身から一気に放たれる結晶体の弾丸。

「ぐッ!」

咄嗟にそれを避けるミアだったが、あまりにも広範囲の攻撃に完全に避けきれず被弾してしまう。

「ぐあぁッ!!」

ミアの体にめり込んだ水晶体が彼女の体を侵食し、容赦なくネーブルエナジーを奪っていく。

悶え呻くミアに向けてゆっくりと歩み寄る24。

「ネーブル・ミア…結局あなたには何も出来ない」
「そもそもあなたがこの世界にやってきたのは、あの我々のいた未来を救うため」
「しかし…それも徒労に終わるのです」

「こ、ここで…アタシを殺すからか…?」

「それ以前の話です。たとえもしあなたが我々を倒して片瀬理奈を完全に守ったとしても…」
「あの未来が変わる保証はありません」

「!?」

「分岐ですよネーブル・ミア」
「あなたがここに来た時点で、この世界はあの未来とは別の未来を歩み始めている…」

「…つ、つまり…ここで何をしても…あの未来はあのまま…片瀬理奈はずっと装置に捕らわれたまま…そういうことか?」

「察しが良くて助かりますよ」
「もっとも実際にそうなるのかは誰も分からない。時間跳躍など前人未踏…誰も試したことなどない」
「もしかしたら新たに未来が分岐することで、元の未来に何か影響を与えるかもしれない…」
「だから我々が派遣された訳なのですが…」

やがてミアの目の前に仁王立ちになる24。

「いずれにしろあなたのやってきたことは全て無駄だったわけです」

「………」
「…無駄なんかじゃねぇよ」

ふいに呟かれる言葉。

そしてその顔を24に向ける。

「片瀬理奈が…ママが…アタシをちゃんと"想って"くれていたということが分かっただけでもな…!」

「!」

「それが分かっただけでも…この世界に来た甲斐があったってもんだ!」

苦し気に震えながらも、確かな瞳が24を見据える。

「…く、だったらぁッ!せっかく会えた母親の目の前でブチ殺してあげますよォッ!!!!」

突然激高すると、手に形成した鋭利な水晶の刃を振り下ろす24。

「このまま…死ねるかぁああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」

迫る刃。

それをなんと真剣白刃取りで捉えるミア。

「なっ!??」

「アタシは…片瀬理奈の娘…ミアだあッ!!」

雄叫びと共に水晶の刃をへし折る。

そして次の瞬間、ミアの臍にめり込んでいた水晶体がはじけ飛ぶ。

「こ、これは…!?」

後ずさる24。

「へへ、ここは現実世界じゃない…」
「だったらアタシの想い次第でお前とも十分戦えるってことだろ!?」

24にビシッと指差すミア。

「う…た、たとえあなたにどれだけの想いがあろうと、ここは私の世界…!」
「私が負けるなど…ッ!!」

そう言いきる前に、突然眼前に映るミアの顔。

「ッ!?」

「っらあッ!!」

顔面を一気に距離を詰めたミアの拳が捉える。

「えあ"ッ!!??」

勢いそのまま吹き飛んでいく24。

その先をすかさず追うミア。

ネーブルエナジーの粒子の痕跡を残して、吹き飛んできた24の腹を蹴り上げる。

「あげぇあああああッッッッッ!!!!!!!!!!!」

今度は垂直にその躰が突き上げられる。

そしてまたも瞬間移動の如く、その先で待ち受けていたミアが握り合わせた拳を振り下ろす。

「うらあッッ!!」

ゴッ!!

「ゲハアッ!!」

水晶体を砕け散らせながら、落下していく24。

そして勢いよく地面に激突、その凄まじい衝撃によって一帯がクレーターの如く陥没する。

「がはぁあぁぁぁぁ…な、なぜぇ…」

クレーターの中心で呻きながら元の姿へと戻っていた24。

そんな彼女を仁王立ちで見下ろすミア。

「小細工抜きにすれば単純にアタシの方が戦闘能力が高い」
「そして…」

24の胸ぐらを掴み引き釣りおこす。

「お前とアタシでもっと決定的に違うものがある…」

「!?、そ、それは…?」

「それは…この拳にこもってる"想い"だぁああああああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」

思い切り腕を振りかざし、殺人的な勢いで24の腹部に向けて放たれるパンチ。

「ッ!!!」

迫りくる衝撃に思わず目を閉じる24。

だが、来るはずの衝撃が来ない。

「…?」

訝し気に目を開ける24。

そこには…

「!!!!」

ミアの拳を寸前で止めている一人の人物がいた。

「1、17ッ!!!!」

思わず叫ぶ24。

「な、なんで…?」

「…来たか、17ッ!!」

ニヤッと笑うミア。

「ああ、ミア…決着を付けようぜッ!!」

突如現れた17。

彼女はいつもの調子でミアと掛け合うと、そのまま打撃の応酬に入った。

ドゴッ!バキィッ!ガゴォッ!!

お互いの拳が、蹴りが、頭突きが交差しぶつかり合う。

それは…24が何度も見てきた光景であった。

「………」

(そう、あなたは…いつもあのネーブル・ミアに執心してばかり…私のことなど…)

「24ッ!!」

突如名を呼ばれハッとする24。

見ると17がミアを羽交い絞めに捉えていた。

「くぅッ!!」

必死に振り払おうとするミアだったが、17も懸命にその体を抑えつけながら再度24に向けて叫んだ。

「こいつにとどめをさせッ!!弱点のヘソ穴を…お前の手刀でぶち抜いてやれッ!!」

「!!」

その言葉に促されるように彼女たちの方へ歩み…そして走っていく24。

「これでコイツとの腐れ縁も終わりだッ!!」

「ええ、そうです17ッ!!私たち2人で…倒すのですッ!!」

ミアの無防備にさらけ出された臍…

おヘソ戦士にとって最大の弱点であるその穴に向けて手刀が繰り出される。

ズブゥッ!!

「がはアッッ!!」

呻き声と共に血を吐き出すミア。

その臍穴を抉るように、肉片を掻き分けながらめり込んでいく24の腕。

「ぐぅああああああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

弱点を抉られ苦悶の叫びを上げるミア。

(そう、彼女たちネーブルファイターの弱点…それはヘソ最深部に存在するジュエル…)
(それさえ摘出…もしくは破壊してしまえば…)

やがて彼女の手が"ソレ"に届く。

「があああッッ!!!?」

確かな手ごたえを感じた24はそれを掴み握り潰そうとした…

「!」

突如、動きを止める24。

そして次の瞬間、ミアを抑えつけていた17の姿が消えた。

「ぐはッ…!」

ヘソから腕を引き抜かれ、その場に崩れ落ちるミア。

傷つけられたおヘソを苦しそうに抑えながら悶える。

「そうでしたか…そういうことだったんですね…」

まるで独り言のように呟く24。

今まさにミアに止めを刺そうとした時、彼女は見た。もう一人の17を…

結晶の中で永遠に眠る彼女こそ、本当の17。

既に事切れ言葉を発することはおろか、24と一緒に戦うことなどもはや決してあり得ない…

「あれは…私が呼び出したもの…私の願いが…具現化したものだったんですね…」

そして、その場に力無く膝をついた。

「あぁ…そういうことだ…だって、ここは"お前の世界"だからな…」

額から脂汗を滴らせながら、24に語り掛けるミア。

どこかその言葉には柔らかさがあった。

「お前が本当に望んでいたのは…17を庇って自らが傷つくことじゃない…」
「17と一緒に…"相棒"として居続けることだったんじゃないのか?」

「………」

「ホントはお前、アイツに生きてて欲しかったんだろ?」

「………」
「う、うぅ…」

涙がその目から一滴…また一滴と零れ落ちる。

「そ、そうです…ネーブル・ミア…」
「彼女は…私にとって…かけがえのないパートナーでした…」
「単細胞で…脳筋で…猪突猛進の途方もない馬鹿で…だけど、とても…私を楽しませてくれました…」

「………」

「しかし戦いではいつも無茶してばかり…特に、アナタ、ネーブル・ミアと出会ってからは…アナタを打倒することばかり考えてました…」
「…私は…正直…あなたが憎かった…!17の気を一身に受けているアナタが…!」

「ホントは知りたかったんだろ?17の奴がお前をどう思っていたのかを?」

「………」
「う、うぅ…ゥあぁアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

ついに堪えきれなくなったように、その場で蹲りながら号泣する24。

「お前…"絆"とか、そういう話に触れるといきなり激高してやがったからな」
「もしかして…ってな」

「妙なところで察しがいいですね、あなたは…」

そう言いながら結晶体の中の17の方を見やる24。

わずかにその口が笑みを浮かべているように見えた。

「ネーブル・ミア」
「これから私は"最後の攻撃"をあなた達に仕掛けます」

「なに?」

「この世界すべてが…ネーブルエナジーの結晶に変えられたくなければ…」
「私にとどめをさしてください」

「!、お前…」

「ここまで来てしまったのです…今更後戻りなどできません」

「…ああ、分かった。お前は…私とママで倒す、必ずなッ!」

その瞬間、彼女の視界はホワイトアウトした。





「ぐ、ぅぅ…、あがぁ…!」

既にミアが侵入してから数十分…

リナは24の結晶体をヘソにめり込ませながら耐え続けていた。

容赦なくリナのエナジーを結晶体に変化させてくる24。

それに対しアンチネーブルエナジーを駆使し浸食を喰い留めるリナ。

だが一人でネーブルエナジーと同時の併用はリナに多大な体力の消耗を強いていた。

「がはぁ…!」

リナの頬から大粒の汗が滴り落ちる。

ミアと一体化することでなんとか制御出来ていた力を今は一人で耐え切らなければならない。

力を抜くと今すぐにでも暴発していしまいそうなほどのエナジー。

(苦しい…もう体が…もたない…)

体を震わせながら苦し気に息を吐くリナ。

(だ、だけど…ミアちゃんが戻ってくるまで…絶対に…離さないッ!)

今まで彼女の思いを裏切り続けてきた…その分、自分が今ここで体を張らなければならない。

その一心で限界を超えてもなお耐え忍ぶ。

「リナちゃん…」

友人の苦しげな姿を不安そうに見つめる麻美。

その時!

「!!、んはぁうッ!!」

ふいにリナの体が大きくビクンと震える。

まるでおヘソの中に熱いエナジーの塊が流れ込んできたような衝撃。

その感覚に軽くイきかけながら、リナは体内にミアが戻ってきたことに気づいた。

「ミ、ミアちゃん…!」

『すまねぇ先輩!長いこと苦しませちまったみたいだな』

「だ、大丈夫…ん、んあああッッッ!!!!!」

呻き声を上げながら、自分のヘソを水晶体から強制的に引き剥がすリナ。

「んぅ、ぐぅぅ…」

長時間水晶体がめり込んでいたヘソを抑えながら苦し気に片膝をつく。

「リナちゃんッ!!」

叫ぶ麻美。

「だ、大丈夫…マミちゃん…」

『先輩、疲れてる所すまねぇが…あれを見ろ!』

「え?」

ミアに促されてリナが見上げた先には、全身の結晶体を発光させながら自分を見据える24がいた。

「ネーブル・リナ…これより私は全身全霊を込めた一撃を放ちます」
「果たしてアナタ達にこれが受けきれるでしょうか?」

そう言いながら両手を広げ、お腹の水晶体を突き出す。

『リナ、ネーブルバーストだ』

「え?で、でも…」

『大丈夫だ…アイツはこの一撃で"全てを終わらす"つもりだ』

「う、うん…分かった!」

ふらつきながらも立ち上がるリナ。

そして彼女も大きく両手を広げ、その臍穴を24に向けてさらけ出す。

「あ…!」

麻美の周りに落ちていた6本のネーブルエッジが浮き上がり、彼女の元に集結する。

そしてリナのお腹の前で一つに組み合わさると、勢い良くリナのヘソ穴へと突き刺さった。

「ぐぅんッ!!!ンアあああああああああッッッッッッ!!!!!!!!!」

冷たく鋭利なエッジの先端がリナの6つのヘソ肉の間の皺に食い込んでいく。

「ふ、ふぁぁァ…ッ!!」

口からだらしなく涎を垂らしながらも、最も敏感な箇所に刺激を与え続けることで体内のエナジーを増幅させていくリナ。

「フフ、この期に及んで自虐へそオナニーとは…さすがですよネーブル・リナ」

思わず苦笑する24。

彼女も体内のエナジー発生装置を限界まで稼働させ、エナジーを高めていく。

さらに発光が強まっていく結晶体。

「ネーブル・リナ…そしてネーブル・ミア…」
「私が17に懸ける想いとあなた達の絆…どちらが強いか決着をつけましょう!」

『ああ、これで終わりだ24』
『先輩ッ!!』

「ん、んぅあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

嬌声を上げながら大きくおヘソを突き出すリナ。

その瞬間へそ穴に突き刺さっていたエッジが花開くように展開し、その中央から凄まじい光の噴流が噴き出した。



同時に24の腹の結晶体からも漆黒の噴流が噴き出す。

ドゥシュバッッッ!!!!!!!

激突する2つの光。

その余剰エネルギーが周囲に撒き散らされる。

「!」

その一つが麻美に向かってくる。

咄嗟にルカが大きく手を拡げ自らの体で庇った。

「ぐぅあッ!!」

「ルカ君!?」

「だ、大丈夫だ…リナッ!!こっちは気にせずにそいつをッ!!」

『アイツ、柄にもないことを…』
『先輩ッ!遠慮することはねぇッ!!アイツの基地を吹っ飛ばすくらいやっちまえッ!!』

「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

さらに臍穴から光が迸らせるリナ。

だが負けじと24も装置の限界以上にエナジーを引き出す。

(17、力を貸してください!)

「はぁうううううううアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

拮抗する二つの光…だが徐々にリナの方が押されていく。

その光景を見て顔を顰めるルカ。

「だ、駄目か…!やっぱり装置そのものであるアイツの方が…」

「リナちゃんッ!ミアちゃんッ!!」

叫ぶ麻美。

『ママ!一瞬、一瞬だけでいいッ!』
『あいつの攻撃を押し返してくれぇッ!!』

「んうっ!!」

リナは体中のエナジーを全て出し切らんばかりにさらに力を込める。

「フあ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッ!!!!!!」

さらなる光の噴流が臍穴から噴き出し、徐々に押し返していく。

やがて24に迫っていく光の激突点。

「ぬぅッ!!??」

目の前まで迫る噴流に怯む24。

だがリナのエナジーはそこで尽きようとしていた。

「も、もう駄目…力が…」

『十分だッ!!あとは…アタシの出番だァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

目の前の光の穴に向けて駆け出すミア。

そして勢いをつけてそこに飛び込んでいく。

「んぐうッっ!!ンはアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

リナのヘソに迸る熱い衝撃。

これまで感じたことのない最高の快感に、絶頂の雄叫びと共に体に残ったすべてのエナジーが一気に噴き出す。

同時にその臍穴から飛び出すように実体化する一人の少女。



「ちぇいやっさああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

リナの臍から吹き出る光の粒子の勢いに乗りながら、ミアは渾身の蹴りを24の腹部に向けて叩き込んだ。

「ぐぅっはアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ミアの蹴りを腹に受けながら吹き飛んでいく24。

そのあまりもの威力に全身の結晶体が砕かれ、触手も引きちぎられていく。

徐々に崩れていく体…だが24はこの結末を受け入れていた。

「やはり…"私だけ"では勝てませんでしたね…」

(まったく…らしくねぇな24)

「そうですね…申し訳ありませんでした、アナタをこんなことに巻き込んでしまって…」

(まあ相方だからな、しょうがねぇ)
(でも…もう悔いはねぇんだろ?)

「はい…」

その言葉を最期に彼女は閃光の中に砕け散っていった。


[後書き]
ようやく決着がつきました。
あと2話くらいエピローグを書いて終わる予定です。

コメ返しです。

>このシリーズもっと見たいです!

私も理緒ちゃんの続編描きたいです!
近々(いつとは言ってない)お見せ出来れば…

拍手[5回]


「はあああああッッッッッ!!!!!」

24が放った機械触手群を両腕に装着したネーブルエッジで切り払うネーブル・リナ。

「ふっ!!」

さらに追撃で迫る触手を切り裂いた瞬間、眼前に現れた24が両腕に創り出した鋭利な結晶体で突きを繰り出してくる。

「ぐっ!!」

回避動作が間に合わず、まともにそれをヘソに受ける。

だが臍穴に入り込む前にアンチネーブルエナジーのバリアーが結晶体を削り取るように消滅させる。

リナはすかさずそれを根元から切り落とすと、24から距離を取り相手を睨み据えた。

一進一退の攻防…だが今のネーブル・リナには24最大の脅威である結晶化能力は効かない。

そしてその体内に湧き上がる膨大なネーブルエナジー…

誰もがリナの方が優位である…かのように思えた。

「ね、ねえ、ミアちゃん…」

ネーブルエッジを構えながら、己の内にいるミアに問いかけるリナ。

「た、確かに私…結晶化されずにちゃんと戦えてるけど…」
「24ちゃん…全然傷ついていないよね…?」

リナの言う通り、この形態になってから24と互角以上に戦えているものの、相手は損傷した箇所をすぐさま再生させ立ち向かってくる。

既に数え切れないほどの触手や結晶体を切り落としているが、まったくその再生能力には衰えが見られなかった。

「こ、このままじゃ…決着がつかないよぉ…」

徐々に苦しそうな素振りを見せているネーブル・リナ。

それは戦いの疲労というよりも、己の体内に渦巻く膨大なネーブルエナジーを長時間制御していることによるものであった。

『あぁ…』
(確かに…このままじゃ全然埒があかねぇ、そして先輩もいつまでこの状態を保てるか分からねぇ)

リナの内部で思案するミア。

(アイツの再生能力の源はアタシたちと同じネーブルエナジーだ…)
(そしてアイツのネーブルエナジーの根源は…)

「フ、フフ…そうですとも…ネーブル・リナ、そしてミア…」

『「!?」』

「たとえあなた達がどれだけの力を持ってしたとしてもぉ、決して私は倒せません…」
「なぜならぁッ!この私の中に17がいる限りッ!!私も無限の力を得ることが出来るのですからぁッ!!」

その叫びと共に全身から突き出す結晶体。

「な、なにッ!?」

「これから何が起きるかお分かりでしょう?」

部屋の隅の方にいるマミを一瞥する24。

「!?」

「!、マミちゃん!!」

リナによって体内に埋め込まれた結晶体を除去された彼女は、結晶化の餌食にならないよう彼女たちの戦いを遠巻きに見ていた。

だがこれから放たれようとしている攻撃は、彼女にすら被害が及んでしまう。

しかし駆けつけようにも位置が離れ過ぎている…

咄嗟にネーブルエッジを放ち、彼女の前で盾のように展開させるリナ。

「リナちゃん!?」

そして自身は両腕にアンチエナジーを集中させ防御の体勢を取る…はずであった。

ガシッ!

「!?」

ネーブルリナの両脇から、number3と32が彼女の体を拘束する。

既に何度も倒してきたものの、本体の24と同様、何度でも立ち上がり立ち塞がってくる操り人形たち…

もはやそのほとんどが結晶化し、元の面影も留めていない有様であった。

『こいつらまた…ッ!しつけぇんだよッ!!』

振り払おうとするリナ。

だがその一瞬、24の全身から結晶体の弾丸が全方位に放たれた。

「あっぐうううううううッッッッッッ!!!!!!!!!!」

ネーブルエッジの防護無しで全身に結晶体の弾丸をモロに浴びるリナ。

両脇から拘束していた2体の人形も巻き添えを喰らい、その結晶体群に全身を貫かれ吹き飛ばされる。

「か、は…ッ!」

思わず膝をつくリナ。

アンチエナジーによって浸食は喰い留められたものの、その鋭い無数の弾丸は全身に痛烈なダメージを与えていた。

傷はエナジーによって回復するものの、そのダメージ自体は彼女の体に残っている。

「くぅ、ぅぅ…」

呻き声を上げながらも、マミの方を見るリナ。

彼女はリナが放ったネーブルエッジが円陣を組むように作られた防護壁によって無事であった。

だが一時的に負荷がかかり過ぎたことで、防御壁が解除されその場に落ちるエッジ。

「よ、良かった…マミちゃん」

「フフフ、さすがですねネーブル・リナ」

24の言葉に顔を向けるリナ。

「あ、あなた…わざとマミちゃんを狙って…」

「是非あなたにも味わっていただきたいと思いましてね…」

間髪入れず24の腹部から巨大な水晶体が出現する。

「!?」

「自分にとって最も大切な人を奪われる気持ちを…ッ!」

リナの体勢が整うより先に放たれる水晶体。

「マミちゃんッ!!」

「!!」

今度こそ誰も守ってくれる者はいない…

ギュッと目を瞑るマミ。

ドシュッ!!

「ぐああッッ!!」

「え…?」

男の呻き声に驚きマミは思わず目を開けた。

そこには…一人の男子がマミを背にして立っていた。

「ル…ルカ君…!」

「ぐ、ぅぅ…」

その腹部…ヘソには24の放った巨大な水晶体の先端が深々とめり込んでいる。

「ルカ君…!まさか…私をかばって!?」

「!」
『アイツ…何で…!?』

突如現れ、己の身を挺して親友を庇ったルカにリナたちも驚く。

「ほう、まさかアナタが…実にらしくないですね」

「う、うるさい…」

ヘソにめり込んだ水晶体を力づくで引き抜く。

自分の体の前にサイコキネシスで操った瓦礫を盾にしていたことで、ある程度勢いは削がれたもののそれでも凄まじい衝撃をどてっ腹に受けていた。

だが彼は体を震わせながらも決して倒れようとはしなかった。

「ぼ、僕だって…やる時はやるんだッ!」
「お前をこのまま好き勝手にさせてたまるか!!」

「ハッ、へそオナ童貞野郎が言えたセリフですか…」

嘲笑で一蹴する24。

ルカにはネーブルエナジーが存在しないため結晶化させることは出来ない。

だがサイコキネシスくらいしか取り柄のない少年一人、今更彼女にとって障害でも何でもない。

「このボディの元となる装置を作っていただいた貴方には申し訳ないですが…もう目障りなのでとっとと消えてください」

無数の触手をルカに向けて放つ24。

「ぐっ!!」

臍のダメージに顔を顰めながらも、周囲の瓦礫をサイコキネシスで駆使しながら迎撃する。

「ネ、ネーブル・リナ…ッ!」

「!」

突如ルカから呼びかけられるリナ。

「い、今の、アイツを倒す方法は一つしかない…!!」
「アイツの力の根源…17への想いを断ち切らせるんだ!!」

「えぇッ!?」

「ア、アイツは一方的に17への偏った想いを抱き続けてきて、今それが暴走している状態だ」
「だから…!」

「17ちゃんを目覚めさせて、24ちゃんと対話させて彼女の考えをしっかりと伝える…」

「!」

ルカの意図を瞬時に察したかのように、麻美が続けた。

「そうすれば24ちゃんの暴走は止まる…」
「そういうことだよね、ルカ君?」

「あ、あぁ…」

「だ、だけど17ちゃんってもう死んじゃってるんじゃ…?」

当然の疑問を口にするリナ。

『いや…』

口を挟むミア。

『アタシたちが装置に囚われていた時に見させられていた世界…』
『あれと同じようなモンがアイツの中にもあったとしたら…』

「!」

『17の奴も…24が創り出したその世界の中にいるのかもしれねぇ…』

「それじゃあ…誰かがその世界に入り込まないといけないということ?」
「一体誰が…?」

当然の疑問に麻美が即座に応える。

「それは…ミアちゃんじゃない?」

『ハ、ハァァァ?????な、何でアタシが…!?』

「だって私たちの中で17ちゃんと一番つながりが強いのはミアちゃんでしょ?」

『そ、それは…』

「それに…ミアちゃんが装置に囚われているとき、17ちゃん、必死に戦っていたんだよ?」

『!』

「ミアちゃんに負けてボロボロになった体で…またおヘソを貫かれたりお腹をぐちゃぐちゃにされながらもずっと戦い続けていたんだよ…」

悲愴な面持ちを浮かべながら呟く麻美。

『う…』

「だから今度はミアちゃんが…」

『あ~ッ!!わぁった!わぁったよもうッ!!』
『アタシが…アイツの中に入り込んで17を叩き起こしてくりゃいんだろ!?』

「うん!」

一転、満面の笑みを浮かべる麻美。

『まったく…マミ先輩には逆らえねぇ…』「できるよミアちゃん!だって私の娘なんだからッ!」『だから全然励ましになってねぇんだよッ、それってよォ!!』

ようやく彼女たちの作戦が決まった。

「よ、よし…段取りは決まったようだな」
「ここは僕が引き受けるから、その間に君が…」

「作戦会議は終了しましたか?」

「!?」

皆の目が一斉に24へと注がれる。

そこには薄ら笑いを浮かべる24がいた。

「何やら算段を付けたようですが…その前に!あなたたちは終わりです!!」

一瞬で再び24の全身から水晶体が突き出す。

「ま、マズいッ!!」

咄嗟に防御態勢を取ろうする一同。

ルカはサイコキネシスで瓦礫を自分の目の前に。

リナはアンチネーブルエナジーを全開でマミの前に両手を広げ立ち塞がる。

「遅いィッ!!」

バッキャアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!

再度放たれる結晶の弾丸。

「ぐああああああああああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

「あっぐううううウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

霰のように降り注ぐ結晶に必死に耐える2人。

だがそんな彼らに向けてさらに機械触手が迫る。

「うッ!!うぐああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!???????」

四肢を雁字搦めにして宙に磔にされるルカ。

「あなたは…本当に目障りなんですよぉ…」
「あの時わたしのお腹を…オヘソを…弄っていた感触…思い出すだけでもォ!!」
「身の毛がよだつんですよぉッッ!!!」

ザシュッ!!

「ぐがッ!!???」

ルカの臍穴に勢いよくぶち込まれる触手。

さらには一本のみならず複数本が次々と侵入していく。

「ギャアアアアアアアアアアゥゥッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

「散々デベソに悩まされていましたよねぇ?ですので今度は大きく抉りつくしてあげますよォ!!」

ミキサーのようにルカのヘソの中で渦巻く触手群。

「がっぎいいいイイイイイッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!ギャはアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!!!」

「ハハハハハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

狂乱の笑い声を上げながら、ルカのヘソをいたぶり尽くす24。

だがその行為に夢中になっている時であった。

ガキッ!!

「ッ!?」

突如ルカの両脇腹を遠隔拘束具が挟み込んだ。

「サイコキネシス…?まだ行使できる力が残っていたとは…」

だがその意図が読めず訝しがる24。

「ぼ、僕は…」

「!」

「前の僕とは…違うんだァッ!!」

叫びと共に念の力を最大限に込めるルカ。

同時に両脇腹の拘束具が彼の腹を凄まじい力で締め上げる。

「がっハアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

吐血しながら苦悶の絶叫声を上げるルカ。

「一体何を…?気でも触れましたか?」

まるで自分の体を痛めつけているようにしか思えない行為に、24もいよいよ理解が追い付かなくなっていた。

「がハアッ!!お、お前でも…分からない…ことがあるんだな…」

「!?」

「み、見ろよ…これで…お前の触手は…僕のおへそから抜けなくなったぜ…!」

ルカの狙い…それはわざと自分のヘソに触手を喰らい、それを抜けなくさせることで相手の攻撃の手段を封じることであった。

さらには触手が巻き付いた手足にも同様に拘束具を嵌め込み、簡単にほどけないようにする。



「な…!?」

「い、言っただろ…絶対に逃がさないって…、リナァ!!」

「!」

ルカに気を取られている隙に、眼前まで迫っていたネーブル・リナ。

「行けリナァッ!!」

力の限り叫ぶルカ。

その己の身を傷つけてでも、相手の動きを封じんとするその姿に、かつてのローザの姿が重なった。

「くっ、しかしッ!!」

触手を封じられたとはいえ、まだ結晶体は発生させられる。

自らの腹に鋭い水晶の柱を形成する24。

それで迫るリナを串刺しにせんとする。

「ネーブル・リナァッ!!!」

「24ちゃんッ!!」

怯まず突進するリナ。

そしてなんと自らヘソのバリアを解き、その孔を結晶の先端へとめり込ませた。

「うぐああああァァァァッッッッ!!!!!!」

鋭い先端が臍肉を掻き分けその奥へと食い込み、苦悶の呻き声を上げるリナ。

だがその激痛に怯むより先に彼女は24の両肩をガシリと掴んだ。

「!?」

「ハア…ハア…ハア…少し…このままで…いてもらうよ…24ちゃん…」



苦し気に息を吐きながら、だがはっきりと意志がこもった瞳で至近距離で24の目を覗き込むリナ。

その気迫に一瞬気圧される彼女。

直後、何かが自分の体内に入り込んでくる感覚を覚えた。

「あ、あなた達ッ!一体何をッ!?」

「ミアちゃん…頼んだよ…ッ!!」


[後書き]
随分時間がかかってしまいましたスイマセン。

最初はユナイトを果たしたリナがあっという間に24を倒す展開で考えていたのですが、書いてる内どうもしっくり来ず、まだまだ24が粘る展開となってしまいました。
個人的にはもう早く終わらしたいんですけどね。


コメ&拍手コメ返しです。

>テイルブルーの続編楽しみにしてました。好きな人の前でヘソを責められ泣き叫ぶ姿が楽しみです

今まではトゥアールしか見ていない状況でしたが、今回はレッドやイエロー、周囲のオーディエンスも見ている状況なので、テイルブルー完結編として楽しみにしていてください。


>こういう敵に操られて自分の意志とは無関係に自身の身体を弄るみたいな展開は大好きです。大衆の面前でヘソ自慰行為をさせられるという羞恥プレイなんかも良さそうですね

大衆の面前でのへそオナニー…!!
さすがの愛香さんも心折れてしまいそうですね。


>ツイッターの情報にあった土竜の唄のヘソ責めシーン見ました。あの責めをテイルブルーがされたらどうなるんでしょね。

あの土竜の唄の軍鶏責めは地味ながらも痛そうでしたね。鳥の嘴的なモノで臍をめった刺しというのはいつかやりたいネタです。

拍手[4回]


とある良く晴れた昼先の海水浴場…

「…なんだアレ?」

海水浴客の一人が沖から近づいてくる謎の半透明状の物体に気づく。

すると突然、ソレが海上から飛び出した。

「あぁ~着いたべぁ~」

砂浜に降り立ったのは、全身が半透明状に透けたエレメリアン『ヒドロゾアギルティ』であった。

「ア、アルティメギルだぁ!!逃げろ~!!」

蜘蛛の子を散らす様に逃げ出す海水浴客たち。

「あ、あぁ~、ま、待ってけろぉ」

ニチャニチャと海水を滴らせながら追いかけるヒドロゾアギルティ。

だがその動きはいたく緩慢で一般人にすら追いつけていない。

「に、逃げないでべさぁ~、お、おらはただ…」

その時、彼の前に突如空中から砂を巻き上げながら勢いよく着地する一つの影。

「おわぁああああ!!!!!!!!」

「そこまでよ!アルティメギル!!」

尻もちをつくヒドロゾアギルティが見上げると、そこにはランスを突き出しながら自分を見下ろす青髪のツインテールの戦士がいた。

「テ、テイルブルー…!」

「テイルブルーだ…」

その姿を見て次々と声を上げる人々。

「テイルブルーが来たぞー!!逃げろーッ!!」

先よりもさらに凄い勢いで一目散に逃げ出していく人々。

「………」

「き、来てくれたんだなぁテイルブルー」

逃げる人々とは反対に、まるで待ちかねていたかのように歓喜の声を上げるヒドロゾアギルティ。

ジェル状のまるでクラゲのような相手に顔を顰めるブルー。

「トゥアール…あんたワザとこういう奴に当てたでしょ?」

『ち、違いますよ!また"例によって"複数地点に敵が現れたので無作為に割り当てただけです!』
『ほら、場所も海ですし、青の戦士の愛香さんにはピッタリでしょ!?』
『わざと水着ギャルだらけのビーチに送り出して、自らの"矮小さ"を思い知ってもらうという意図なんてマッタクナイデスヨ!!』

「帰ったらあなた自身を小さく折りたたんであげるわ」

通信越しに死の宣告を告げた後、改めて相手を見据えるように対峙する。

「さ、さ、早くこっち来るんだな」

そう言いながらその半透明の触手群をワシャワシャと動かすヒドロゾアギルティ。

その仕草が愛香にとって、既に気持ち悪い。

そして先ほどから気になっていたが、何か自分のお腹の方ばかり見ているような気がする…

「…一応聞いておくけど、あんた何属性なの?」

「お、おでは…『へそゴ…』」

「エグゼキュートウエェェェェェェェェェイブッッッッッッッ!!!!!!!!」

ドガーンッッ!!!!!!!

「おおおおあああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!???????」

聞こえかけた言葉に一瞬で反応し、コンマ0.1秒、愛香の必殺技が発動する。

爆発の衝撃で砂と海水が愛香の体に降り注ぐ。

『なんか…どこかで見たことがある光景でしたね』

「手ごたえはあったわ、さっさと帰るわよ」

ほんの一瞬、愛香を襲った忌まわしき記憶群が脳裏を過ぎる。

(なに…まだいたわけ?"アレ"に欲情する変態集団が…)

思い起こすだけでも身もよだつ…だが今回は敵が手を出す前に仕留めることが出来た。

事も済み、すぐその場から立ち去ろうとしたそのとき、体に違和感を感じた。

「…?」

ふと自分の体を見下ろす愛香。

スーツに付着した砂や海水…そして透明状のゲル。

「!?、な、何これ!?」

咄嗟に胸元に着いたそれを払い落とそうとする愛香。

だがその瞬間、全身に悪寒が走る。

「うヒィ!?」

首元、脇、胸、太ももなど、素肌を露出した部分からゲルが独りでに内部に侵入してきたのである。

「な、何これぇ!??」

悲鳴を上げながら、咄嗟に手でゲルを払いのけようとする愛香。

だが突然自分の意に反し、大きく天に向けて両手を広げられる。



「な、なんでッ!?体が勝手にッ!?」

「おでなんだなぁ」

先のエレメリアンの声…だがそれはなんと自分の体から聞こえてきた。

「な、なんでさっきの奴の声が…ひゃあッ!?」

こびり付いたゲルが体表を移動したことでまたも声を上げてしまう愛香。

『ま、まさか…!?』

愛香のスーツの分析結果を見て驚愕するトゥアール。

『まさか…そのエレメリアンは…バラバラにされた状態でもまだ生きている…?』

「え、な、なに!?」

『"ヒドロゾア"ギルティ…ヒドロゾアはヒドロ虫の群体によって形成されるクラゲのような生物…』

「だ、だから何よ…」

『もともとが群体だから、バラバラになってもまだ生きてるんです!』
『まだソイツは死んでません!!』


「な、なんですってぇ…!?」

愛香の全身にこびり付いたヒドロゾアギルティの群体。

既にそれはスーツの噴射孔などあらゆる隙間に侵入し、その機能すら奪おうとしている。

『お、恐るべきエレメリアンです…こんなのがいたなんて…』

さしものトゥアールも戦慄する。

「く、こ、このおッ!!」

スーツが自分の意に反して勝手に動くのに、なんとか抵抗しようとする愛香。

『む、無駄なんだなぁ』

一部のジェルが愛香のむき出しのお腹に移動する。

「!?」

そして間髪居れずその中央の小さな窪みに侵入した。

「ひゃあああッッ!!」

ビクンと震える体。

『や、やっぱりここが弱いんだなぁ』

愛香の臍の中でグリュ、グリュと渦巻くジェル。

「くぅうううううううううッッッッッッ!!!!!!!!!」

"ヘソ"を責められる…それは愛香にとって忌まわしき数週間前の記憶を思い起こさせた。

愛香の"ヘソ"に執着したエレメリアンたちの襲撃…

触手で弄られ、殴られ、挙句の果てにデベソにまでさせられてしまう。

それはすぐにでも忘れ去りたい恥ずべき記憶群であった。

「ぐううッ!!」

またも同じ部分を責められ、その心に沸々と湧き起こる怒り。

その怒りのパワーが徐々に相手の支配力に拮抗していく。

「あ、あんた…い、いい加減に…」

その瞬間、突如愛香の全身に強烈な激痛が走った。

「ぐがああああああああッッッッ!!!!??????」

全身から力が抜け、そのまま砂浜に仰向けに倒れてしまう。

「あ、が…ぁ……あ、ぁ…」

ピクピクと痙攣する体。

『愛香さん!?愛香さんッ!!』

必死に呼びかけるトゥアール。

その声が通信機越しに聞こえてくるも、愛香はそれに応えることすら出来ない。

まるで強烈な電撃を浴びせられたかのような衝撃…

なんとか手足を動かそうとするも、ピクリとも反応しない。

『お、おでの"毒"は強力なんだなぁ』

『毒!?』
『愛香さん!愛香さん大丈夫ですかッ!?』

毒を打ち込まれ、ピクピクと体を痙攣させる愛香にトゥアールは命の危険を感じ必死に呼びかけた。

『だ、大丈夫なんだなぁ。命に危険はないんだなぁ』
『ただしばらく、大人しくしていて欲しいんだな』

次の瞬間、独りでに動く腕。

スーツに侵入したヒドロゾアギルティが勝手に動かしているのだろうが、毒を打ち込まれた今の愛香にそれに抵抗する力はなかった。

為すがまま両腕はスーツからむき出しのお腹へと向かう。

(こ、こいつ、何を…?)

臍の両側に添えられる両手、その人差し指がそれぞれ穴の左右の縁にかけられる。

『そ、そうだ…ま、まだおでの"属性"を…言っていなかったんだなぁ…』

「!?」

『お、おでの属性は"へそゴマ"なんだなぁ』

その瞬間、左右から引っ張られ割り開かれる愛香の臍。

「~~~~ッッッ!!???」

毒により声を発することが出来なかったが、それすら忘れるほどの羞恥心が愛香を襲う。

普段は縦に閉じた可憐ながらも凛々しい愛香のヘソ…

それが無理矢理割り広げられ、その奥の皺をみっともなくさらけ出している。

だが愛香にとって、最も恥ずべきところはそこではなかった。

『おお…ちゃ、ちゃんとあったんだなぁ』

まるで臍穴の奥を間近に見ているようなヒドロゾアギルティ。

彼はその奥の皺の隙間に詰まった黒い塊を確認し興奮気味に声を上げた。

『テ、テイルブルーのへそゴマなんだなぁ!』

(い、いやあああああああああああッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!)

声にならない叫びを上げる愛香。

身だしなみにうるさい彼女は、普段から臍の手入れも定期的に行い清潔を保っている。

特にテイルブルーとなってからはお腹をさらけ出すコスチュームということもあり、特に入念に行っていた。

だが、あの一連のへそ責めを受けてから…彼女はあまりヘソに触れないようになっていた。

へそ掃除をしているだけでも、あの時の、思い出すだけでも顔から火が出るような記憶が思い起こされてしまうからであった。

そのため、放置された愛香のヘソには必然的にゴマが溜まっていってしまった。

『いい、いいんだなぁ…可憐な女の子がそのオヘソに汚いものを溜めている…そ、そのギャップがいいんだなぁ…!』
『そしてへそゴマ見られて恥らう女の子も…か、可愛いんだな!!』

妙に饒舌になるヒドロゾアギルティ。

だがその言葉は愛香にとって羞恥心を増幅させるものでしかなかった。

さらに彼女にとって不幸な事態が起きる。

戦闘が終わったと勘違いした海水浴客がぞろぞろとまた戻ってき始めたのだ。

「な、なんだテイルブルー?」
「仰向けになって…自分のヘソなんか拡げて…?」

傍目から見ると、自分で臍を拡げているとしか見えない光景。

彼女がエレメリアンに操られていることなど露知らず、その奇行について次々と口にする周囲の人間たち。

(違う、違うのよおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!)

『そ、そうだ…周りの人にも見てもらうんだなぁ、おへその中身』

「!?」

姿勢制御スラスターを操り、その場から愛香の体を起き上がらせるエレメリアン。

そしてなんと周囲の人々に見せつけるように、その臍の中身をさらしだした。

「へ、へそのゴマだ…!」

「や、やっぱりテイルブルーは粗暴だから、おへそもちゃんと掃除していないんだ!」

「ば、馬鹿!そんなこと聞こえたら殺されるぞ!」

愛香のヘソの中身を目の当たりにしてざわめく人々。



「う、うあ…うあああああああああ………!!!!!!!!!!」

あまりもの恥ずかしさに、ついに自然と涙がこぼれ始める。

『あ、愛香さん…た、ただちにレッドとイエローを応援に廻します』

さしものトゥアールもこの仕打ちを正視することが出来なかった。

「そ、それは…やめて…」

『!』

わずかに呟かれる言葉。

「そ、総司に…こんな姿…見られたくない…」

『何言ってるんですか!今はそれどころじゃ…』

「お、お願い…だから…!」

『う…』

トゥアールにも痛いほどわかる。

いくら総司相手にいつも痴女同然の振る舞いをしているトゥアールにだって、絶対に見られたくないものはある…

だが今はそれを気にしているような状況ではない。

レッドへの通信を繋げようとしたその時…

『!?、これは…』

ブルーのスーツのインジケーターに異変が起きていることに気づくトゥアール。

『スーツに異常な熱反応…まさか!?』

モニターに映るブルーを見やる。

スーツから湧きたつ熱気。

徐々にその表面が赤く熱を持ち始めていることが目に見えてわかる。

『まさか…わざと熱暴走させているんですか!?危険です!!』

愛香が何をしようとしているのか一瞬で察するトゥアール。

彼女はスーツを強制的にオーバーヒートさせ、内部に侵入したヒドロゾアギルティを排除しようとしている…

しかしそれは賭けであった。

下手すれば敵を倒す前にテイルスーツの全機能が停止してしまう。

「危険なのは…分かってるわよ…!だけど自力でなんとかするには…こうするしかないでしょ…!」

『!』

愛香はなんとしてでも自分の手でこのエレメリアンを倒そうとしている。

トゥアールはそれ以上何も言わなかった。

スーツが熱暴走してしまうのが先か、エレメリアンを排除出来るのが先か…

愛香とエレメリアンの根競べが始まった。

「くぅぅ…!!」

『な、なんだ…なんだか熱いんだな?』

一瞬でスーツ内部が熱籠っていく。

『あ、熱い!!熱いけど我慢するんだな!!』

しかしヒドロゾアギルティも負けじと耐える。

愛香のへそゴマへの執念が為せる業だった。

『こ、こんな綺麗なへそゴマを持った子から、離れたくないんだなぁ!』

「へそゴマが綺麗な訳ないでしょうがぁあああああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

自虐的ではあるが思わず叫んでしまう愛香。

「なんで毎回毎回毎回、私が…私のオヘソがこんな目に合わなきゃ行けないのよォオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

あまりにも理不尽な仕打ちに怒りが爆発する愛香。

その瞬間スーツが発光し、その場で大爆発を起こす。

ドゴオオオォォォォォォォォォンンンンンッッッッ!!!!!!!!!!!

『オワアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!』

「テイルブルーが爆発したぁ!?」

またも散り散りに逃げる群衆。

『愛香さんッ!!』

叫ぶトゥアール。

爆発の跡、砂浜に大きく形成されたクレーター。

その中心部に大の字に倒れていたテイルブルー。

『愛香さん!返事をしてください愛香さん!!』

「…だ、大丈夫よトゥアール…なんとか…」

力無く返事する愛香。

スーツ内部に侵入していたヒドロゾアギルティは今のオーバーヒートで消滅させることが出来た。

しかしその代償としてスーツの機能のほとんどが停止し体力も消耗しつくしたことで、今や自力で立ち上がることすらままならなかった。

苦しそうに呼吸を吐くたびにそのお腹が大きく上下する。

「も、もう…動けないわ…トゥアール」

『…分かりました。ただちにレッドとイエローを迎わせます』

レッドたちにブルーの回収を伝えたのを聞いてホッと息を吐く愛香。

紆余曲折あったがなんとかエレメリアンは倒すことが出来た。

まだ自分のおへそに執着する連中がいたことにはうんざりしたが…

(まだ…あんな連中が残って…)

体が動かず、迎えに来るまでただ夏の宙を見つめながらそんなことを考える愛香。

「フフ」

「!」

突如、聞こえてきた静かな笑い声。

愛香はハッと目を見開き周囲を見渡した。

「だ、誰…?」

「ここよ」

「!?」

ちょうど自分の真上から聞こえてきた声。

そちらを見上げると、まるで自分を直上から見下ろすかの如く一つの影がそこにあった。

全身をマントに隠し、その素性は分からない。

「だ、誰よアンタッ!?」

「私のことは別にいいわ」
「それよりせっかく敵を倒してお疲れのところ申し訳ないけど、私の"実験台"になってもらえるかしら?」

「!?」

実験台とはいったい何のことか?

とにかくその場から起き上がろうとする愛香であったが、破損したスーツと今の体力ではそれもままならない。

「フフフ…」

懐からあるものを差し出す謎の人物。

それはおよそ直径5cmほどの黒く濁った水晶体であった。

「な、なによそれ…?」

「これは…"執念の塊"みたいなモノかしら?」
「あなたのそのお腹の真ん中に開いた"穴"へのね」

次の瞬間、その玉が割れ黒い妖気が煙の如く溢れ出した。

「!?」

「さあ、行きなさい」
「"あなた達"が思い焦がれた場所へ」

妖気は一直線に愛香に向けて降下していく。

その目標は、今しがたまで痛めつけられていた彼女の臍穴であった。

「い、いやああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」

一気になだれ込む妖気。

「うわあああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

夏の海岸に少女の絶叫が響き渡った。




「ブルー!!」

それからおよそ数分後、ブルーとエレメリアンの戦闘のあった海岸に到着するレッドとイエロー。

何か異常事態が発生したとトゥアールから聞き、急いで駆けつけてきた2人はそこに信じられないものを見た。

「な、何だよ…あれ?」

「まさか…エレメリアン!?」

砂浜にそそり立つ、身長20m近くの巨大なエレメリアン…

そしてその胴体中央に張り付けられた一人の少女がいた。

「愛香ッ!?」

「そ、そう…じ…」

それは全身ボロボロのテイルブルーであった。


[後書き]
久々のテイルブルーです。
前回で一度完結させたつもりでしたが、また色々ネタを思いついたので書いちゃいました。
例によって前後編です。

拍手コメ返しです。

>普段のリナちゃんからすると最初のうちは強すぎる力を扱えきれなくて大苦戦みたいな展開でもよさそう。

そのネタは普通にやってみたいですね。
処理しきれない膨大なエナジーがおへそから漏れ出しちゃうとか…妄想が捗りますw

拍手[5回]



戦え!へそ出し戦乙女
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